政府の教育再生会議の野依良治座長が「塾の禁止」を主張しているそうです。(12月24日付け日経新聞) 教育再生会議は、劇団四季の浅利慶太さんやヤンキー先生こと義家弘介さん等が委員を務める内閣に設置された組織で、マスコミによく登場しています。野依座長は名古屋大学教授時代の2001年にノーベル化学賞を受賞された方で、現在は理化学研究所の理事長です。
日経新聞には、野依座長の言葉として、「塾はできない子が行くためには必要だが、普通以上の子どもは禁止にすべきだ」「我々は塾に行かずにやってきた。塾の商業政策に乗っているのではないか」が紹介されていました。
正直に言うと、私自身も学習塾はないほうが良いと思っています。(自己矛盾ですが…) 学校で勉強し、部活動をし、帰宅後に宿題や自分の課題の勉強をするという姿が理想だと思います。教室内で時々眠そうな表情をする中高生を見る度にそのように思います。
この理想形が現実になるためには学校がしっかりすることが前提になります。しかし、今の学校には様々な問題があり、野依座長の期待に応えることは不可能です。本欄でも「教育を問う」シリーズで20回学校の問題点を指摘してきました。これらは氷山の一角です。野依座長は学校教育の現実が見えていません。安倍新政権は公教育の再生を唱えています。これも理想としては同感できるのですが、どこまで実現できるのか怪しいものです。
公教育が再生できるとすれば、鍵を握るのは、公立の小学校、中学校、高校の校長先生の意識だと思います。文部科学省や各教育委員会の「指導」(嫌な言葉です!)ではなく、校長先生が絶対にやり抜くという覚悟を持ち、理想の姿を実現させようと協力する先生方と一緒に頑張れば、かなり遠い道のりでも少しずつ公教育が復活するでしょう。どんな組織でもトップがしっかりしなければ、その組織の力は発揮できないものです。
今年も、毎週木曜日に一言ずつ書き綴ってきました。ご父兄の皆様、サミット・ゼミの卒業生、私の友人・知人、そして全く存じ上げない方々(?)が私の拙い一言を読んで下さっています。私の言葉に何か問題があれば、是非ご指摘をお願い申し上げます。今年もご愛読ありがとうございました。どうぞ良い年をお迎え下さい。
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