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(2012年 7月 〜 2012年12月)


(2012年12月27日) 【こんな珍答がありました その2】[▲ 先頭へ]
ある高校クラスでの英作文練習で次の問題を出題しました。「世界中のアリの総重量は、全人類の総重量よりずっと大きい。」模範英文は、”The total weight of all the ants in the world is far greater than that of all the human beings.” でした。ある優秀な生徒さんが、”ants” を “aunts” と書いてしまいました。

世界中のオバサンの総重量が、全人類の総重量よりはるかに大きくなってしまいました。普段は高校生の皆さんが書いた英文をその場で添削するのですが、その日は時間がなくて、プリントを預りました。次の授業日の朝、1人1人の英文を添削している時に、この傑作を見てしまいました。余りにおかしくて死にそうになりました。

オバサンの総重量は、何故人類の総重量より重いのか? オバサンはどこか他の惑星からやってきたのか? 「オジサン」という間違えであれば面白くなかったのですが、「オバサン」だったのでやられました。誰もいない教室で1人爆笑する姿は不気味なものがありますが、堪りませんでした。さらに、次の生徒さんも同じ間違えをしていたので、完全にノックアウトされました。

2012年が暮れゆく時に、大笑いして頂ければ幸いです。センター試験まで3週間、中3生の統一テストまで2週間、来年もまた中高生の皆さんと楽しく厳しく勉強するつもりです。皆さん、どうぞ良い年をお迎え下さい。

(2012年12月20日) 【河合塾の広告 その2】[▲ 先頭へ]
先週土曜日(12月15日)の日経新聞に「学力に限りなし。時間に限りあり。」という広告が載っていました。これは、昨年1月13日付け本欄で述べたものと全く同じ広告でした。目を引くキャッチコピーの後には、「高校1年生、2年生の皆さん。第一志望現役合格に、より近づく秘訣は『早く受験生になること』です。学力は伸ばすことができますが、入試日は延ばすことはできません。「もっと時間があれば、もっと伸びたのに」と悔やまないように、少しでも早く受験を意識した勉強を始めることが大切です。」と続いています。そして最後には「さぁ、3学期から受験生になろう!」のコピーで締めくくっています。

本欄で何回か述べている通り、私は、大学を目指した受験勉強は高2の冬休みから始めるべきだと考えています。センター試験は1月中旬に実施されるので1年余りの準備ができることが1つ目の理由です。走り幅跳びで遠くまで跳ぶためには、然るべき助走距離が必要です。高3になると誰もが受験勉強を始めるので、冬休みから春休みの間で他の受験生に先行できることが第2の理由です。大学受験では先行逃げ切り型が勝利を収める確率が高いものです。

毎年、高2クラスでは、冬休みを前にして、受験勉強を始めるようアドバイスします。しかし、今年は、各高校の定期試験が終わった12月初めに話しました。例年より2週間ほど早いタイミングでした。高2の冬休みには各校でかなり多い宿題が課されるのを見てきました。宿題をすることは1つの受験勉強と言えるでしょうが、やはり自分の課題を自分なりに克服したいものです。そこで、冬休みが始まる半月前のアドバイスにつながりました。

河合塾の新聞広告は、センター試験(1月19日、20日)まで1ヶ月、冬休みまで1週間という日に掲載されました。絶妙なタイミングで、高1・高2生の父兄の皆さんへのインパクトは大きいでしょう。

(2012年12月13日) 【教育改革?】[▲ 先頭へ]
衆議院選挙の投開票日が迫っています。選挙の際、各党の公約には必ずと言ってよいほど教育改革の内容が盛り込まれます。今回の選挙でも、自民党は、教育を公約の1つの柱として、6・3・3・4制を見直し、多様な選択を可能とする「平成の学制大改革」を行うと明記しています。話題の維新の会は、教育委員会制度の廃止を含む教育制度改革を公約として定めています。奇妙なのは民主党で、前回の衆院選では、教育委員会のあり方も含めた中央集権的な教育システムの打破を唱えましたが、今回の公約には教育に関するものは入っていません。

自民党の安倍総裁は、かつて首相在任中の2006年10月に教育再生会議を設置しました。しかし、安倍首相は翌年退陣したため、福田内閣に引き継がれ、2008年1月に教育再生会議は総花的な最終報告を提出しました。福田内閣は、この後継として教育再生懇談会を2008年2月に設けましたが、翌年11月に鳩山内閣で廃止されました。何か変わったのでしょうか。お粗末というしかありません。民主党が今回、教育に関する公約を盛り込まなかったのは、公約の具体的実現が難しいことを考慮したためかもしれません。

私は、小学校卒業後は多様な選択肢があった戦前の「複線型」学制を目指すとか、教育委員会制度を見直すとか言われても、生徒達が毎日通っている学校の現場を踏まえたものではないと思います。制度の見直しは確かに大切ですが、学校現場の問題点の解決が優先されるべきです。いじめがなくならない状況や学校の先生を困らせるモンスターペアレントの問題(本年9月13日付け本欄「学校はサービス業」参照)は社会的な大問題です。製造業の優れた経営者は必ず現場を見ます。そこから真の改革が生まれるものです。

いじめについて、こんな話を聞きました。その中学校では、何人かの女子のグループが1人ずつ女子をターゲットにしていじめを実行しているそうです。そのグループ内の人がターゲットになることもあります。言動を無視したり、いわゆる裏サイトに書き込みをしたりする典型的ないじめです。そのいじめ実行犯の女子は先生に対しては優等生を装っているので、先生はいじめの存在を知りません。いじめられた生徒の父兄が先生に話しても埒が明かないそうです。

栄枯盛衰、かつて繁栄したこの国は、教育の破綻から没落していくのでしょうか。学校現場とはかけ離れた選挙の公約を見ると暗澹たる思いになります。

(2012年12月06日) 【英会話練習スタート】[▲ 先頭へ]
中学生の皆さんは定期テストが終わりました。そこで気分一新、中2クラスで、今週から英会話練習を始めました。昨日は記念すべき第1回目でした。

私は、日産自動車の海外部門に勤務していた時、海外の弁護士と打ち合わせをしたり、取引先と契約交渉やビジネス交渉をしたりする中で自然に英会話ができるようになりました。英会話ができなければ仕事がうまく進まないという現実的な必要性から、リスニング、スピーキングが鍛えられました。

この経験を活かして、いつかゼミの授業で英会話をやりたいと漠然と考えていました。先月末に、定期テスト後の授業内容を考えている際に、英会話練習を思いつきました。それからは、具体的内容を検討してきました。大きな本屋に行って、英会話の授業の素材を探しました。しかし、これだ、という教材がありません。別の本屋に行っても同じでした。こうなれば、自分で工夫するしかありません。

昨日の English Conversation Lesson 1 は Self-Introduction (自己紹介) でした。中2諸君には、自己紹介の内容を考えた後、1分間で発表してもらいました。1分間は決して短い時間ではなく、かなりキツイ課題でした。その後、それぞれの発表について、私が質問しました。この受け答えも中2のみなさんにとって緊張感あふれる内容だったと思います。

英会話練習の後、この練習の継続について、みんなに聞いてみました。大半の人が続けたいと言う意見で、初めての試みは大成功でした。金沢市教育委員会は、小中一貫英語教育の内容として、金沢の歴史や文化を発信できる英語力の習得を目指しています。この英会話練習を継続すれば、絵に描いた餅になっている「金沢を語る」を実現できると思います。このレベルに達するよう導くつもりです。

然るべき教材がないので、工夫しながら続けることになります。授業の中では、いつも生徒諸君に、考えることを要求しています。英会話の授業内容については、私自身が考えなければなりません。頑張ります!

(2012年11月29日) 【英語のしりとり】[▲ 先頭へ]
先週の高1クラスのことです。予定していたプログラムを終えて、授業終了時刻まで5分ほど余りました。いつも少し延長するので、早く終了しようかとも思ったのですが、英単語のしりとりをしようと思い付きました。中学クラスでは、誰かが遅れる時は、数字のゲームまたは英単語のしりとりをしています。高1クラスのメンバーは中3時代から一緒に勉強しているので、英単語のしりとりには慣れています。

予想以上に盛り上がりました。中学時代に比べて格段と単語レベルが上がっているので、難しい単語も出てきました。高1諸君は楽しそうに単語を考えていました。中学の時には見られなかった、次の人が答えにくい単語を工夫する姿は、真剣そのものでした。レベルが上がった英語のしりとりに私も参加したことは言うまでもありません。

サミット・ゼミ14年間の中で、高校クラスでの英単語しりとりは、かなり以前に1回だけした記憶があります。先週のしりとりが非常に楽しかったので、今後、高校クラスで気分転換のために、時々やってみようかと思っています。高3クラスでやったらどうなるかと考えると、少しわくわくします。

(2012年11月22日) 【ギャップイヤー】[▲ 先頭へ]
ギャップイヤーという言葉は、センター試験の英語リスニング対策問題のCDで初めて聞きました。イギリスで始まった大学制度で、大学の入学試験に合格した学生が、入学までに1年の猶予(gap すき間)を持ち、社会的見聞を広めるものです。旅行に出かけたり、長期のアルバイトやボランティア活動に従事したりします。

東大が、このギャップイヤーの制度を来年度から導入するというニュースが先週流れました。新入生約3千人の1%に当たる30人程度が対象です。入学後の1年間休学して、ボランティア、就業体験、語学留学等に取り組めるのは、イギリスの制度と同じです。東大は5年後をめどに秋入学を検討しているので、春の入試合格から秋の入学までの期間の過ごし方の1つの例としてギャップイヤーを試行するのかもしれません。

上述のリスニングCDで、ギャップイヤーの内容を聞いた時、少し驚きました。へぇ〜、こんな制度があるんだ、と思いました。しかし、よく考えてみると、とても良い制度だと思います。人生は長く、社会に出るのが1年位遅くなっても特に問題はありません。問題がないというより、ボランティアをしたり会社で就業体験を積んだりすることは、自分を向上させる素晴らしい経験と言えます。また、経済的に苦しい学生がアルバイトをして学費を稼ぐことは理に適っています。

受験勉強で疲れた体にリフレッシュ、充電の期間を与えることは悪くありません。東大の試みが上手くいき、全国の大学に広がれば良いなと思います。因みに、私が入学試験合格後にギャップイヤーを与えられるとすれば、ボランティア、アルバイト、海外旅行を兼ねた語学研修、就業体験をそれぞれ1/4ずつするでしょう。こう考えると、とても魅力的な制度に見えてきます。

(2012年11月15日) 【こんな生徒さんがいました その4 続】[▲ 先頭へ]
今週の月曜日深夜、一本のメールが入りました。2004年3月11日付け本欄で紹介したD君からでした。「ふと、何を思い立ったのかサミットゼミのHPを拝見させて頂き、当時の受験のつらかったこと、うれしかったことを思い出し、突然メールさせて頂きました。」と書いてありました。メールの冒頭には「覚えているでしょうか?」とも書いてありました。目標目指して一緒に頑張った生徒さんのことを忘れるはずがありません。合格を知らせる彼からのメールには涙腺が緩んだことを、今でも覚えています。

金沢大学大学院を卒業し、大手電機の会社に就職して今は首都圏に住んでいるそうです。液晶テレビのソフトウェア開発に従事しているとのことで、日本の技術開発の第一線で仕事をしています。

D君のことは、上記の本欄で詳しく紹介しました。厳しい部活と勉強を見事に両立させた素晴らしい生徒さんでした。サミット・ゼミを運営してきた14年間で、部活と勉強をうまく両立させた高校生は、片手で指折れる位です。上記の「一言」は、「彼のような人材がいてくれる限り今後の日本は大丈夫だろうと思います。」という言葉で締めくくりました。この言葉が現実のものになっているとうれしく思いました。

大学を卒業して社会に巣立った元生徒の皆さんには、求められれば、自分の約20年間のサラリーマン経験を踏まえて、必要なサポートをしたいと考えています。学習塾の先生と生徒という関係から、社会人同士の大人の関係に発展するのですから、これは自分にとって遣り甲斐、生き甲斐を感じる繋がりです。

(2012年11月08日) 【英文添削】[▲ 先頭へ]
高校・英語クラスの授業では、基本的に毎回、和文英訳の練習をしています。高1から少しずつレベルを上げて、高3の夏休み頃からは、実際の大学入試に出題された本格的な英作練習を始めます。

この実戦的英作練習は、高3生諸君にとって非常に難しいものですが、今までの練習でかなり力をつけているので、然るべき英文を作ります。特に、灘中学・高校の和田学校長の講演で聞いた ”critical thinking” (先月4日の本欄参照)の話しを伝えてからは、英文の完成度が高まってきました。単に英作をするという段階から、自分の英文を客観的に検討できるレベルに至っています。

私は、1人ずつ個別に添削します。生徒の皆さんの答案が模範解答の英文ではなくても、問題の日本文の意味が出るように、彼らの英文に手を入れます。文法、語法、単語のスペル、可算名詞か不可算名詞か、日本文のニュアンスが出せているか、堅苦しい英文になっていないか等、チェックポイントはたくさんあります。

この添削は、私にとって大変な作業です。しかし、DVDで授業をしている衛星予備校では不可能なマンツーマンの対応であり、サミット・ゼミの特長の1つなので、手抜きはしません。また、通常授業の他に、難関、最難関大学を狙う高3の皆さんから、入試過去問の英訳や和訳の添削も依頼されます。合格して欲しいという思いだけではなく、世の中で通用する英語力を身につけて欲しいという思いを込めて、時には厳しいコメントを交えながら英訳・和訳を添削しています。

(2012年11月01日) 【「親切な」先生】[▲ 先頭へ]
サミット・ゼミの高校クラスでは、定期テスト前は高校別に、英語の教科書の試験範囲を復習しています。試験対策を通して、生徒の皆さんが、教科書に出てくる英文の構造をどの程度分析できるようになっているかをチェックします。

9月から10月にかけて、各高校で定期テストがあり、通常授業に代えて高校別の試験対策の授業を行いました。その時、1つ大きな問題がありました。ある生徒さん(A君)が、教科書の英文をそれなりに和訳したのですが、幾つかの単語の意味を覚えていませんでした。辞書を引いているかを聞いてみたところ、教科書に出てくる新しい単語の意味を書いたプリントが先生から渡されるので、自分で単語の意味を調べることはしていませんでした。

“Oh my God!” という感じです。辞書を引くのは、単語の意味を調べるだけではありません。動詞であれば、自動詞か他動詞か、目的語が不定詞か動名詞か等、多くの語法をチェックできます。その単語を使った例文を見るだけでも良い勉強になります。英語の力は、辞書を引いた回数に比例すると言っても過言でありまぜん。

A君はかなりの英語力があります。しかし、英単語の意味が書いてあるプリントを使った勉強では、英語力の伸びは期待できません。先生が何故、生徒の英語力を伸ばさないようなプリントを配っているのか全く理解できません。A君の高校では、定期的に生徒が先生を評価するそうです。ひょっとして、その先生は、生徒から良く思われたいと考えて、プリントを作っているのかもしれません。

どの会社にも上司に媚びる人がいます。そういう人は、仕事が出来ず、部下には厳しいと相場が決まっています。A君の先生は、生徒には優しそうにしているようですが、実は自分の保身のために「親切な」プリントを作っているのでしょう。以前私の生徒であった、A君の高校の卒業生によれば、彼らの高校のN先生は、生徒には非常に厳しいものの、英語力をかなり伸ばしてくれるそうです。高校の上層部は、生徒の評価はあくまでも参考として、どのような授業が行われているのかしっかりと把握すべきだと思います。

(2012年10月25日) 【狂った時計】[▲ 先頭へ]
教室のすぐ近くの中学校には、正面の目立つ所に時計があります。数年前に、壊れて動かなくなったことがありました。その時は2〜3ヶ月(数か月?)経って直りました。この時計が2ヶ月前ほどから、1時間半位遅れています。今回は動かなくなったのではなく遅れているだけなので、すぐに直るはずですが、直りません。

その中学に通う皆さんに、遅れている時計について聞いてみました。ほとんどの生徒さんが「直して欲しい。」という意見でしたが、「そんなものでしょ。」と言った人がいました。この冷めた言葉には驚きました。学校にはあまり期待していないというニュアンスが感じられます。

生徒に規律を指導するはずの学校が、建物正面にある時計を直さず放置していることは信じられません。「先ず隗より始めよ」という故事成語があります。学校の顔とも言うべき所にある時計が狂っていて、生徒を指導する資格があるのかとさえ思ってしまいます。上述の冷めた言葉を、校長先生が聞けばどのように感じるでしょうか。あるいは、時計が狂っている位の小さな事には囚われない鷹揚な人物を育てたいという意思の表明なのでしょうか。

(2012年10月18日) 【慣用句】[▲ 先頭へ]
前回の本欄でノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥・京大教授の座右の銘について述べました。生徒の皆さんに、山中教授の2つの座右の銘を紹介する時、「座右の銘」の意味を知っているかを聞いてみました。予想通り(?)、ほとんどの人が知りませんでした。

また、先日のある高校クラスでの英作文練習で、「湖畔の大きなホテル」という日本語が出てきました。「湖畔って何ですか」という質問があり、「ほとり」と説明しましたが、それでも分からず、湖のそばのホテルという説明でやっと分かってくれました。

忘れられない珍答もあります。以前の中学クラスで、「美味しいものを食べると( )が肥える」のカッコ内に漢字一字を入れる問題でした。何と「体」と答えたツワモノがいました。説得力がある答えではありますが、諺としてはNGです。

私自身は、中高生の時にほとんど本を読みませんでしたが、慣用句や諺はそれなりに知っています。この知識をどこで得たのか、非常に不思議です。東京に出て、電車の中で読みだした本からの知識なのか、小学校から高校の間の勉強から得た知識なのか、よく分かりません。

はっきりしていることは、今時の中高生は慣用句や諺に非常に弱い傾向があることです。これからの日本を担っていく彼らが、日本語の慣用句や諺を知らないことは、日本語という1つの文化の底が浅くなるような気がします。何をどうすれば良いのかは分かりませんが、何らかの「手を打つ」必要はあると思います。

(2012年10月11日) 【Vision and Hardworking 】[▲ 先頭へ]
本や新聞を読んだり、テレビを見たりする時に、ハッとする言葉や心に沁みる言葉に出会うことがしばしばあります。今週火曜日(10月9日)、iPS細胞を作成した山中伸弥・京大教授がノーベル生理学・医学賞を受賞することを伝える新聞紙上でも良い言葉を見つけました。

山中教授が、「人間万事塞翁が馬」と共に座右の銘としている「ビジョン・アンド・ハードワーキング」という言葉です。これは、アメリカ留学時の研究所長から教わったそうです。目的をはっきり持ち、一生懸命働くことを意味するこの言葉は、様々な場面に適用できます。この言葉からはNHKの「プロジェクトX―挑戦者たち」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組が頭に浮かびます。

Vision and Hardworking は勉強においても然りなので、ゼミの中学・高校各クラスで紹介しています。目標とする高校や大学を目指して日々努力する一連のプロセスは、社会に出て何かを成し遂げようとする時に必要な仕事の流儀と同じです。中高生諸君には、学生時代にこの Vision and Hardworking の良い経験を積んで欲しいものです。

なお、”vision” には「未来像」という意味の他に「洞察力」という意味もあります。Vision and Hardworking という言葉には深い味わいがあります。

(2012年10月04日) 【Critical thinking】[▲ 先頭へ]
前々回の本欄では、関西を代表する灘、東大寺学園と高槻の中高一貫校についてご紹介しました。その中に、「自分の長所・短所を自覚して長所を伸ばし短所を克服する、他者の意見だけではなく自分の考えも批判的な目で見つめて自己を確立する。」という言葉があります。これは、灘中学・高校の和田学校長が述べたもので、後半部分を “critical thinking” と説明されました。和田さんは、さらに、この「批判的思考」の学習面への適用例を教えてくれました。

それは、英語の勉強やテストにおいて、自分の和訳や英訳を客観的に見るというものです。これは非常に的を射た指摘です。ゼミの授業では、英語長文問題を解いた時の和訳や毎回練習している英作文は私が添削します。和訳では英文構造をしっかり見ること、英作では文法的ミスをしないことを毎回のように言っています。しかし、生徒の皆さんがする和訳、英訳の中には許容レベルを超えるものもあります。

和訳では、自分が書いた日本語訳を自分自身が理解できていないことがよくあります。答えを書いた人が理解できていなければ、採点者には意味不明です。英訳では、SVOCそして修飾語がうまくつながらず、言葉が浮いている場合がよくあります。これは英文構造のミスであり、大きな減点になります。これらは、しっかり考える思考力の点で問題があります。

“critical thinking” の英語への応用は中高生の皆さんへの素晴らしいアドバイスです。これは早速、高校各クラスで紹介しました。高校生諸君は「なるほど」という顔つきで私の話しを聞いていました。高3生は来週末に、高1・2生は今月末に全国模試が予定されています。生徒諸君はこのアドバイスを活かして、無駄な減点のない答案を作ってくれることでしょう。

(2012年09月27日) 【授業が聞けない】[▲ 先頭へ]
中学生が真面目に授業を聞こうと思っても聞けない状況が現実に存在しています。事態は楽観視できるレベルではないようです。

教室の近くの中学校では来月初めに前期・期末テストがあります。中2クラスでは先々週から準備の授業をしてきました。英語は接続詞、there is 構文、不定詞の一部、数学は1次関数と、英数ともに非常に大切な分野が試験範囲です。中2の皆さんには、重要な分野なので、しっかり勉強するように指示しています。

先週の授業で、1次関数の基礎が全くできていない生徒さんがいました。問題プリントの出来具合からは、学校の授業を聞いているとは思えませんでした。「学校の授業を聞く、試験前はテスト勉強する」が勉強の基本ですから、もう一度それを徹底しようと考えて、授業後にその生徒さんを残しました。何故授業を聞かないのかを尋ねたところ、その答えにビックリしました。

授業中に騒ぐ生徒がたくさんいて、授業が聞こえないそうです。その子の席は一番後ろで、特に聞こえにくいのかもしれませんが、うるささの程度が半端ではないようです。騒ぐ生徒が何人位いるのかを聞くと、8〜9割の生徒が騒いでいるとのこと。先生が騒いでいる生徒達に注意はするものの生徒達は無視するそうです。真面目に授業を聞こうとする1〜2割の生徒が先生に善処を頼んだことがあったそうですが、全く効果はなかったようです。

呆気にとられて言葉が出てきませんでした。次の授業で、その生徒さんとは違うクラスの人達に状況を尋ねると、8〜9割ほどではないものの、クラスに少なくとも1〜2名は授業中に騒ぐ生徒がいるとのこと。

教室内が授業をきちんと聞ける状態ではないことに対して、学校側はどのように思っているのでしょうか。何か具体的な措置を取っているのでしょうか。状況を傍観しているだけでしょうか。もしかして、問題があることを把握していないのでしょうか。いじめ問題のマスコミ報道を見ていると、学校の先生や教育委員会の対応には不信感を抱かざるを得ません。授業が聞けない問題への対応についても期待はできないのでしょうか。それでは、真面目に授業を聞こうとする生徒の皆さんが余りにも可哀そうです。

(2012年09月20日) 【大都市圏の中高一貫校 その3】[▲ 先頭へ]
久し振りに大阪へ行ってきました。目的は「中高一貫校の教育を考える―灘・東大寺学園・高槻―」というフォーラムに参加するためでした。灘中学・高校の校長先生の話を聞ける機会は滅多にありませんから、生徒の皆さんにお願いして日程を調整しました。

フォーラムでは先ず、灘中学・高校の校長先生が「6年一貫教育の強み」というテーマで基調講演をされました。3年ではなく6年を見通したカリキュラムにより効率的に勉強できること、公立校のような配転がないので教職員の定着率が高く職場愛が強いこと、校長や理事会が方針を決定でき長期的展望が持てること、OBとのつながりが強く母校愛が強いことを指摘され、なるほどと思って聞いていました。中学入学後は、生徒の成長過程を見守り、高校受験がないことで思春期・反抗期への対応がしやすいという点も指摘されました。

その後のパネルディスカッションでは、灘中学・高校の校長先生、東大寺学園の教頭先生、高槻中学・高校の校長先生が、時代を引っ張るリーダーの要件や伸びる子の特徴などの点について語られました。東大・京大の受験で顕著な合格実績を持つ3校で、どのようなカリキュラムが実践されているのか興味がありましたが、さすがに企業秘密(学校秘密)のようでほとんど公開されませんでした。しかし、指導要領に従っているわけではないことはわかりました。1つの具体例は、中学の英語の時間が週に9時間という点でした。

3校の中には校則のない学校もあり、生徒達はかなり自由に活動しているようです。行事や生徒会は生徒が主導したり、修学旅行の行き先を生徒の投票で決めたりと生徒の自主性や個性を伸ばすような方針を実践しています。自分の長所・短所を自覚して長所を伸ばし短所を克服する、他者の意見だけではなく自分の考えも批判的な目で見つめて自己を確立する、そんな余裕を与えるのが真の教育であるとの意見には、実績ある私立中高一貫校のフィロソフィーを感じました。

金沢に戻るサンダーバードの車中では、関西圏、首都圏、名古屋圏の中高一貫校と石川県の各高校について考えました。大都市圏の中高一貫校と比較して何らかの措置を講じるべきなのか、比較する必要がなくこのままで良いのか、どちらが望ましいのでしょうか。どちらもあり得る選択肢ですが、のんびりした路線で進んでいけば、大都市圏と地方の格差がますます広がり、間違いなく地方の時代は来ないでしょう。

(2012年09月13日) 【学校はサービス業】[▲ 先頭へ]
「学校はサービス業になっている。」ある中学の校長先生の言葉です。先日、足をのばして知人の校長先生を訪ねました。私は常々、学習塾はない方が良い、学校がしっかりするべきだと考えているので、その校長先生の意見を聞きたいと思ったからです。よく知っている先生なので、本音を語ってくれました。

現場の先生方は、非常に多忙で生徒に接する時間があまりないとマスコミ報道から理解していました。私は、文部科学省や教育委員会から指示された資料作りで時間が取られているのだろうと想像していました。しかし、その校長先生によると、文部科学省や教育委員会に提出する資料は近年減ってきたそうです。

その代わりに、一部の父兄への対応が先生方の時間をかなり奪っているとのことでした。野球の試合に何故自分の子供を出さないのかとか、親子でケンカしているので来てくれというような理不尽な電話が数多くかかるそうです。ある苦情の対応について書面にするよう要求した父兄もいたそうです。いわゆる「モンスター・ペアレント」が少なからず存在しているのです。以前問題になった給食費の未納問題について尋ねると、依然として続いているとのことでした。給食費だけではなく、教材費や用品代の未納もあるそうです。

文部科学省や教育委員会から求められる資料作りやモンスター・ペアレントへの対応で時間が取られて、一番大切な生徒に向かう時間が十分にあるのか、学力のレベルアップについて十分検討しているのかを問うと、答えは「それらをやりたいけど、現実はノー」でした。さらに、学力のレベルアップの役割を学習塾が担っていると認識して良いかとの問いのは、「残念ながらイエス」という答えでした。

この現実はどう考えても間違っています。学校を会社に例えれば、株主(文部科学省・教育委員会)から業績不振の原因分析、業績向上の計画作りという時間を要する作業を求められ、一部の常識外れの顧客(モンスター・ペアレント)から商品の仕様や顧客サービスについて数多くの理不尽な要求をされ、それらへの対応で従業員(先生)は手一杯になり、本来の仕事である顧客(生徒)に対する商品開発力やサービス対応が疎かになっているという状況です。その会社は間違いなく倒産します。

現実を直視できない、直視する意思がない文部科学省や教育委員会という行政に任せられないなら、政治の力が必要になるのではないかと考えます。

(2012年09月06日) 【模試反省会】[▲ 先頭へ]
夏休みがあって返却が遅れていた7月の全国模試の結果が戻ってきました。今週の高校各クラスでは、模試結果に対する個別反省会を開いています。時間のかかる長文読解問題を解いてもらっている間に、各生徒さんと個別に話し合います。

1人当たりの時間は大体10分プラスαの予定ですが、高1クラスでは1人20分前後になりました。模試結果数値の分析、各科目弱点分野の補強法、志望大学などについて話していると時間は20分でも足りない位でした。高1の皆さんにとっては初めての全国模試でもあり、反省会の途中、しっかり話し合おうと覚悟をきめて、10分プラスアルファと想定していた時間を延長しました。

人生に大きな影響を与える大学入試に向けて、高1・高2・高3それぞれの段階でやるべきことがあります。模試結果に基づく志望校合格に必要な要素、それぞれの適性や希望を踏まえた志望大学の相談
苦手科目の克服法、メンタルサポートなどポイントは様々です。個別反省会の内容をますます充実させて生徒の皆さんを力強くバックアップするつもりです。

(2012年08月30日) 【考える力とは?】[▲ 先頭へ]
曽野綾子さんの近著「人間の基本」を読んでいます。その中に、映像や音声の機能がついた電子書籍に関して、「人間はできるだけ活字だけから、内容を頭の中で組み立てる力が要ります。」という記述がありました。読んでいて、「あっ、これかな」と思いました。

中3生の夏期講習では、国語の読解練習も行っています。生徒の皆さんには、「筆者の言いたいことを、感情を交えずに読み取りましょう。」と言い、そのためには、素直さと考える力が必要だと説明しています。読解力に関する父兄や生徒の皆さんからの質問に対しても、このように説明していますが、「考える力」とは漠然とした表現かもしれないと感じていました。

曽野綾子さんの「内容を頭の中で組み立てる力」という表現は、読解力における「考える力」をうまく説明していると思います。書いてある文章をそのまま鵜呑みにすれば、筆者の考えを把握することはできません。自分の頭の中で自分が理解できるよう、筆者の言いたい内容を構成し直すことが必要です。

大学時代に、とてもわかり易いノートを取る友人がいました。私は、教授の言うことをそのままノートに取っていました。試験前に読み返すと、講義の内容がよくわかりませんでした。しかし、その友人のノートでは、講義内容が実によくわかりました。彼は、教授の言葉を自分の頭の中で構成しながらノートを取っていたのでしょう。「考える」というフィルターを通して講義を聞いていたようです。

文章の読解力と講義や授業を理解する力は、内容を頭の中で組み立てるという点で変わりないようです。時々、読書は好きだけれども読解力が弱いという人がいます。そのような人は、頭の中で組み立てる力に問題がありそうです。なお、数学での考える力は、読解力で必要な考える力とは別次元のものだと思われます。

(2012年08月23日) 【携帯・テレビ・パソコン】[▲ 先頭へ]
今日、携帯で電話しながら自転車に乗っている女子高生を見かけました。自転車に乗りながら携帯メールを打っている高校生を見ることもあります。車を運転していると、その姿にハラハラします。携帯を使いこなすレベルを超えて、携帯に振り回されているように見えます。

先日、ある件を調べるため、インターネットで石原慎太郎都知事を検索しました。検索結果の1つに「若者をダメにしたもの、『携帯』『テレビ』『パソコン』」がありクリックしてみました。それは都知事が昨年1月のテレビ番組で述べた言葉でした。さらに「若者はこれらによって、膨大な知識を得ることが出来る。しかし、知識に「身体性」がない。本当の教養になっていない」とコメントしたそうです。

石原さんらしい直截な意見で、かなり当っていると思います。携帯、テレビ、パソコンは、使い方によっては大きな弊害があります。「知識に身体性がない」の意味は微妙ですが、これらの手段から得られた知識は受動的な借り物であり、自分自身のものにはなっていないということでしょうか。

私自身も、携帯メールにハマったり、ネットサーフィンのやり過ぎで勉強が疎かになった生徒さんを見てきましたから、石原さんの言葉は理解できます。また、これらの器具への過度な依存により、考えるという習慣が消失しつつあるのではないかと以前から危惧してきました。

高校クラスで毎月の携帯料金を聞いたことがあります。月額4〜5千円位でした。彼らの友人の中には、月に数万円になる人や、ひどい場合は10万円を超える人もいるそうです。とうてい理解できるレベルではありません。ゲームをしたり、それなりの情報を得ることはできますが、お金はかかる、勉強・読書の時間や何かについて深く考える時間が犠牲になります。若者だけではなく日本をダメにしているとさえ言えます。

携帯・テレビ・パソコン、特に携帯は、自由競争でさらに進化するでしょう。その進化した「便利」な携帯を若者、大人が買い求めるでしょう。経済的には良い事象かもしれません。しかし、若者そして日本自体の思考力や独創力への負の影響は計り知れません。この矛盾はどのように解決されるのでしょうか。

(2012年08月16日) 【1つ1つこなす】[▲ 先頭へ]
前回の本欄では、夏休み前に非常にあせっていた以前の中3生について述べました。真剣に勉強に取り組む高校受験生は誰でも多少のあせりはあるでしょう。センター試験まで5カ月になった大学受験生であれば、必要な勉強量と残された時間のバランスを考えれば、あせりとは無縁の人はほとんどいないと思います。

あせりに関して良い(?)経験があります。それは、日産自動車の法規部で英文契約を作る仕事をしていた時のことです。入社後4〜5年経った頃で、輸出部門からの依頼に基づいて、海外の会社との様々な契約を作っていました。まだ若くて輸出部門からの依頼に「No.」と言えなかったので、仕掛案件が増えてしまいパンクしたことがあります。当時、私は毎週月曜日の朝一番に、仕掛中の契約案件をメモにリストアップしていましたが、その時は15件位の案件が並びました。

それぞれの仕掛案件に作成期限があり、私はあせりにあせりました。そして、1つの契約作成に集中できないようになってしまいました。ある契約を作っている際に、別の契約のことが気になり、机の引き出しを開けたり、書類棚を調べたりしました。それでは依頼された契約を順々に作成することはできません。輸出部門の担当課長から叱られたこともあります。

あせりで混乱していた私を救ってくれたのは部長でした。少し離れた所から私の様子を窺っていた部長が、ある時、私を呼びました。仕事の状況について聞かれた後、部長が下さったアドバイスは「1つ1つこなしなさい」というものでした。部長のアドバイスをもらってからは、1つ1つの案件に集中しました。そして、リストアップされた仕掛案件は1つ1つ減っていき、あせり感がなくなり、うまく仕事をこなせる状況になりました。

仕事と勉強という場の違いはありますが、1つの課題に集中できず、物事がうまく進まないという点では同じです。高校受験生でも大学受験生でも、この「1つ1つ」課題をこなすことが重要であり、「1つ1つ」着実にこなせれば、精神的な安定につながり、あせりは消えていくと思います。当たり前と言えば当たり前ですが、この当たり前の事を当たり前にできれば、かなりの成果につながります。この時に大切なポイントは、様々な課題の優先順位をつけることです。

(2012年08月09日) 【中3生、まだ大丈夫!】[▲ 先頭へ]
中3生の夏期講習は折り返し地点に差し掛かっています。中3クラスの通常授業の内容は、英語、数学、作文です。夏期講習では、理科、社会、国語読解練習を加えて各教科の1,2年範囲の総復習を行います。夏休みの学習は、夏休み明けの実力テストそして11月の統一テストの基礎であり、来年3月の高校入試につながります。

何年か前、ある中3生が夏休みから入会してくれました。そのAさんは、ある大手塾に通っていたそうですが、成績が上がらず、夏休みを前にして高校入試に間に合わないのではないかと非常にあせっていました。また、勉強法について何をどのように学習すれば良いのか混乱していました。

先ず、あせる必要は全くないとAさんの気持ちを楽にしました。大学入試とは異なり、高校入試では、夏休みから然るべき勉強をすれば十分に間に合います。夏休み中、11月の統一テストまで、1月の統一テストまで、そして高校入試までのそれぞれの期間の勉強の仕方について順々に話せば、あせりは消えていきます。

次は勉強法についてでした。Aさんと話してみると、目の前に教材がたくさんありすぎて、どれをやれば良いのか収拾がつかなくなっていました。中3生の学習の基本は、教科書と学習参考書(いわゆる厚物)です。これらの他には、問題集(特に数学)があればOKです。教科書と厚物をマスターして合格できない高校は石川県にはありません。

Aさんは、厚物と大手塾の教材の両方で消化不良を起こしていました。厚物だけで大丈夫なのか心配していました。私は、厚物に集中するように話し、それ以外のものは捨てる(冗談)ように言いました。Aさんは、余分なものはさすがに捨てずに押し入れの中にしまい込んだそうです。そして、表情がすっきりしました。その後のAさんの成績が順調に伸びたことは言うまでもありません。幾つかの教材を同時並行で使えば、消化不良を起こします。そうではなく、ある教材を徹底的にマスターすることが重要です。

悩める中3の皆さん、あせる必要はありません。まだ時間は十分にあると、気持ちを楽にしましょう。そして、何を勉強すれば良いかを整理した上で、やるべき教材に集中しましょう。

(2012年08月02日) 【地球温暖化】[▲ 先頭へ]
暑いです! 当地の梅雨明けは7月18日でした。梅雨明けからは、7月22日を除いて最高気温が30度以上の日が続いています。そして、ほとんどの日が熱帯夜でした。昔は30度を超える日は少なく、朝晩は涼しかった記憶があります。また、暑さとは別に、気象に関して底知れぬ不安感を持ったのは、7月に九州を襲った豪雨に対して「これまでに経験したことのないような大雨」という表現が使われたからでした。

皆が地球温暖化の影響だと考えているでしょう。その地球温暖化に対して、人類がどのような対策を講じているのか心配です。人工光合成に関しては、発表されている研究や成果はあまりないようです。2010年にノーベル化学賞を受賞された根岸英一・米パデュー大学教授は、翌年文部科学省と人工光合成の技術革新を具体化させることで合意しました。また、昨年9月には豊田中央研究所が、水と二酸化炭素と太陽光のみを用いた人工光合成に世界で初めて成功したそうです。大阪市立大学にも研究チームがあるようです。しかし、調べた限りでは、「これだ」という明るい展望が具体的に開ける研究はありませんでした。

暑さが続く中、今後どうなるのだろうともやもやとした気分でしたが、今週日曜日の新聞記事に明るい一条の光を感じました。パナソニックが、植物並みの高い効率で人工的に光合成する技術を開発したという内容でした。植物並みの効率は凄いと思います。パナソニックは15年後には人工光合成で生成したエタノールを燃料にした発電システムの実用化を目指すそうです。難点は時間がかかることです。また、二酸化炭素の削減効果は不明です。

日本の、いや全世界の学生の中には、地球温暖化の原因である二酸化炭素を減らすための人工光合成を研究しようと考えている人が少なからずいると思います。手遅れにならないうちに、具体的なシステムが実現することを祈るばかりです。第三者のように述べていますが、私は高校の理数科に進んでいたので、当時が現在のような状況であれば、この研究を志していたと思います。せめて20歳若ければチャレンジするのですが、さすがに too late です。これは若い人たちに託します。

(2012年07月26日) 【スーパーコンピュータ】[▲ 先頭へ]
今週日曜日(7月22日)に魅力的な新聞チラシが地元紙に折り込まれました。スーパーコンビュータ「京」を知る集いを告知するチラシでした。「パソコンで出来ること、スパコンでなければ出来ないこと」の講演、「技術の壁を突き破れ!〜スーパーコンピュータ「京」の開発〜」というVTRの上映などワクワクする内容です。

同じ日の日本経済新聞の1面トップ記事の大見出しは、『薬開発にスパコン「京」』というものでした。製薬大手である第一三共が抗がん剤など新薬の開発期間短縮に向けスーパーコンビュータを本格的に利用するという内容でした。上記の新聞チラシを見た後すぐにこの記事が目に入ったので、その偶然性にビックリしました。

スーパーコンピュータについては、いわゆる「事業仕分け」での蓮舫さんの「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」「2位じゃダメなんでしょうか?」という言葉を思い出します。この発言に対しては、ノーベル賞受賞者の方々から猛烈な批判が巻き起こりました。理化学研究所の利根川進さんは、「世界一を目指す意気込みでやらないと、2位にも3位にもなれない」と述べています。なるほどと思います。

「京」は昨年世界一になりましたが、今年6月にアメリカIBMのセコイアに抜かれて、世界2位になってしまいました。インターネットでスパコンについて調べてみると、その開発競争は熾烈なものです。巨額の費用がかかるスパコン開発については、世界一を目指す過程で様々な技術が生まれてくるという議論や演算スピードよりも活用が重要だという議論があります。評論家的に言えば、この2つの議論のバランスをどう考えるかが大切ということでしょう。

スパコンの世界は中高生の勉強から隔離されたものではありません。彼らの勉強の延長線上に無限の可能性を秘めたスパコンの世界が広がっています。資源の乏しい日本ですから、科学技術で世界的に優位に立つことが必要です。大仰な言い方ですが、この視点を忘れずに、中高生の皆さんと学んでいきたいと思います。

(2012年07月19日) 【最後の伸びは発音・アクセント問題】[▲ 先頭へ]
高3生の6月マーク模試、英語の結果は上々でした。これまでに積み重ねてきた勉強の成果が出て、とてもうれしかったです。これからは生徒の皆さんが自分の目標点を安定して獲得できるように導いていくつもりです。

英語のセンター試験は、第1問から第6問まで6問あります。第1問は発音・アクセント、第2問は文法・語法・並び替え、第3問から第6問は長文問題と、それぞれの問題に特徴があります。80分の制限時間で、これらの問題を解くことは容易ではありません。ほとんどの受験生は時間との闘いになるでしょう。私は、過去の経験から得たアドバイスをまとめたプリントを6月のマーク模試前に配布して、全体の注意点、各問題を解く際のポイントを説明しました。

目標点の取り方は生徒さんによって異なります。今後は80分の実戦問題を解く機会を増やし、目標点を確実に獲得するための方法を試してもらう予定です。例えば、解く順番を変えてみるとか、苦手な小問を捨てる覚悟をするとかです。

平均点(約120点)から150点位を狙う受験生は長文問題でしっかり得点しなければなりません。150点から180点を狙う人達は、第2問の得点安定化がポイントです。そして180点以上を狙う人達にとっては、第1問が鍵を握っているような気がします。発音・アクセント問題が7つ、配点は各2点で合計14点です。200点満点の内の14点ですから、大きな配点ではありません。しかし、発音・アクセントに注意を払いながら単語を覚える受験生は少ないので、第1問での安定した得点は難しいと思います。

次の石川県統一テストであるマーク模試は8月中旬です。2次試験・記述問題対策とセンター試験・マーク問題対策を交互に実施している高3英語クラスでは、マーク対策の比重を大きくして来月の模試に備えるつもりです。

今日は7月19日です。来年度のセンター試験(1月19日・20日)まで丁度半年です。

(2012年07月12日) 【マーク練習ノート】[▲ 先頭へ]
高3生は、今年度初のマーク模試を6月上旬に受けました。今月になって結果が戻ってきました。高3クラスではその結果をチェックして、アドバイスをしています。このマーク模試と今月の記述模試を併せたドッキング判定が出たところで、個別に反省会をするつもりです。

本年3月29日付け本欄で述べました通り、数学のセンター試験形式・マーク問題練習は3月に始めました。6月のマーク模試は最初の目標で、結果はまずまずといったところでした。うまくいった個所もあれば、そうでなかった個所もあります。各生徒さんの課題は少しずつ解決されているので、方向性としては好ましい傾向にあります。

高3の皆さんには、自分の目標点を設定するように言っています。志望校合格のために必要なセンター試験得点率が目標です。金沢大学文系学部であれば約75%です。毎週月曜日の問題練習では、得点がなかなか安定しないことが大きな課題になっています。その原因は、ケアレスミス、時間の使い方、苦手分野の存在、問題の解き方に対する曖昧な理解、センター試験特有の誘導形式に慣れていないことなどです。特に、ケアレスミスは自分の目標点達成のためには致命傷です。

毎回の問題練習の後、各生徒さんに個別の課題を指摘して、その日または翌日中に復習するように言っています。しかし、どうもその場限りになっているような気がしていました。そこで先日、問題練習から得た教訓や自分のチェックポイントを書いていくノートを作ったらどうかと提案しました。少し手間のかかる作業ですが、かなり有効な武器になるはずです。アスリートが、自分の課題や毎日の練習で気づいたことを書き綴るノートのようなものです。

次のマーク模試は来月中旬です。生徒の皆さんが目標点を達成できるよう、月曜日には的確なアドバイスをしなければなりません。そのためには私も集中力を持って臨みます。

(2012年07月05日) 【一喝】[▲ 先頭へ]
高校クラスでは、今週末の全国模試に備えて記述問題練習を続けてきました。先日の高1クラスでのことです。授業初めの単語チェックをした後、模試の英文に負けない力をつけるため、難し目の記述問題に挑戦しました。25分の制限時間が終わる頃、何人かの人が「眠〜い」、「疲れた〜」と言いました。

私に対する甘えから漏れた言葉だったと思います。私の彼らへの反対発言は、厳しい口調で「やる気がないなら帰れ」でした。この一喝に続けて、大都市圏の一部の高1生よりカリキュラムが1年分遅れている事実を再度指摘しました。先月、本欄で述べた大都市圏の中高一貫校については、既に話をしてあります。

「やる気がないなら帰れ」の一言に対しては、感情的な反発を招くかもしれません。しかし、カリキュラムが遅れている事について、有名大学を志望する彼らは「かなりヤバイ」と思っています。ですから、この指摘は効果てきめんでした。切れ味抜群の伝家の宝刀のようでした。その後の授業がうまく進んだのは言うまでもありません。

「楽しく、厳しく」がサミット・ゼミのモットーです。ピリピリとした雰囲気の中でスパルタ式に授業をすれば、中高生の皆さんは萎縮するばかりでしょう。だからと言って、仲良しクラブのような雰囲気では学力が伸び、成長するはずがありません。メリハリが大切です。良い意味の緊張感が漂う教室であるよう努めたいと思っています。