私は「指導」という言葉が嫌いです。「生徒指導」や「行政指導」という言葉の中には、「偉い人」がそうでない人々を強圧的に動かすというニュアンスが入っています。官尊民卑の発想です。英和辞典で「指導する」を引くと、”guide” “lead” “coach” です。因みに英英辞典で “lead” を引くと「道を示す」とか「前に立ったり、一緒になって行く」という意味になります。英語の「指導」という言葉は、情報や技術、経験を持った人がそうでない人を導くことを意味し、上下関係の要素は持っていません。
私のサラリーマン時代、アイルランドのある老舗の会社から輸入の仕事をしたことがあります。海外出張して首都ダブリンのその会社で年間計画のプレゼンテーションをした時、英文書類を準備した上で英語で説明しました。その会社の社長さんは私のプレゼンテーションを非常に誉めてくれました。その社長さんとは面識はありましたが、その会議の後、ファーストネームで呼ぶように言われました。創業百数十年の会社の社長さんを気軽に呼ぶことは抵抗がありましたが、そのようにしました。彼は、年齢がかなり下である私を評価して、親しく接してくれました。
日本では年齢による上下関係がいまだに続いているようですが、人間関係は対等であるべきです。私は、アイルランドでの経験を通して、年齢に関係なく能力や情熱を正当に評価することを学びました。サミット・ゼミに通ってくれる生徒さんには対等に接するよう心掛け、勉強のやり方や目標を持って努力することの大切さを教えさせて頂いています。同じ目線に立って、一緒に勉強し、一緒に悩みたいと思っています。(ちょっと格好良すぎますか・・・) |