■ 過去の『一言』(2001〜2023)
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(2020年 7月 〜 2020年12月)


(2020年12月31日) 【素質と才能】 [▲ 先頭へ]

東京に住んでいた時は通勤その他で電車を利用することが多く、電車の中では本を読んでいました。当地に戻ってからは移動が車になり読書量は格段に減ってしまいました。それでも就寝前は本を読むようにしています。今年読んだ本の中で一番心に残っているのは、6/18付け本欄でご紹介しました「還暦からの底力」(出口治明著)の中の次のくだりです。

出口さんがある大企業の幹部研修で「次世代リーダーを育成するにはどうしたらいいですか」と質問されて、「リーダーの育成などできません」と答えたそうです。中学校や高校でバスケットボールをやっていたのなら、新人が入ってきたとき、その選手がレギュラーになるか補欠で終わるか、3カ月もかからずにわかるのに、リーダーを育てれば育つと考えるのは非現実的で、企業ができるのはリーダーの素質がある人を見つけ出すことだけだと述べています。誰でも教育を施したら優れたリーダーになれるという考え方は非現実的とのことでした。

その部分を読んでいて、学校の勉強はどうだろうかと思いました。私が考える勉強の基本は、授業を真面目に聞き、試験前の勉強をしっかりすることです。そして、それを実行すれば必ず成績は伸び、誰でも然るべき高校、然るべき大学に合格できると信じています。勉強について出口さんはどのように考えていらっしゃるでしょうか。

出口さんは「リーダーの素質」という言葉を使っています。バスケットボールでレギュラーになるには「素質」が必要であり、企業のリーダーになるのは「素質」がある人だということです。それでは、学力が伸びるには勉強の「素質」が必要でしょうか。広辞苑によると、素質とは「個人が生れつき持っていて、性格や能力などのもととなる心的傾向。特殊な能力などについていう。」となっています。

ところで、将棋の羽生善治さんは、才能とは努力を継続できる力と話されています。広辞苑によれば、才能とは「才知と能力。ある個人の一定の素質、または訓練によって得られた能力。」ということです。前半の定義が素質と重なりますが、素質は個人が生まれつき持っている特殊な能力で、才能は訓練によって得られた能力と考えることができます。羽生さんの言葉は将棋の素質が暗黙の前提になっていると思います。素質を前提にして努力を継続できるという才能を加えれば、将棋界で大活躍できると理解できます。これはスポーツや芸術の世界に当てはまりそうです。

数学や物理学という学問の世界では、顕著な業績を残すには素質が必要だと思われます。しかし、授業を真面目に聞いて試験前の勉強をしっかりする努力をすれば、高校入試や大学入試を乗り越えることができます。これは広辞苑による才能の定義に当てはまり、羽生さんの言葉にもつながると考えます。本欄を読んで下さっている皆様はどのように思われるでしょうか。

100年振りのウイルス感染で大きく揺れた2020年も間もなく暮れようとしています。来年はコロナ禍がどのように収まっていくでしょうか。どのような状況になろうとも、中高生の皆さんを出来る限りの力で導いていくつもりです。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


(2020年12月24日) 【新聞記者が共通テスト模試を解いてみました】 [▲ 先頭へ]

日本経済新聞に大学入試共通テストに関する連載記事がありました。共通テストまで1ヶ月になった先週火曜日(12/15)、木曜日(12/17)のことでした。「模試で探る共通テスト」という見出しで、日経新聞の記者が河合塾作成の模擬試験を実際に解いて、センター試験との違いを探りました。

河合塾の副本部長によると、受験生が最も苦労する教科は英語です。共通テストの英語に関しては、本欄の今年6/25、7/2、9/10付けで述べた通り、問題形式が大きく変わります。リーディングの変更ポイントは、発音・アクセント、文法・語法・語句整序問題がなくなって全てが読解問題になること、総語数がセンター試験より1,000語増えて約5,300語になることです。(時間は80分で同じ) リスニングの変更ポイントは、センター試験では全ての問題で英語が2回読まれたのに対して1回読みが約7割あり、後半の難しい問題が1回読みになることです。(時間は30分で同じ)

学生時代に英語が得意科目だったという25才の記者は、リーディングでは全てが読解問題になったことで調子が狂い、700語以上を読む最後の第6問には手を着けられなかったそうです。最後の設問まで読み切るには速読力が必要と述べています。リスニングでは英語の1回読みに戸惑い、長文の1回読みの問題で失点が目立ったそうです。読み上げが「1度きり」のプレッシャーは重いと述べています。

共通テスト形式のリーディングやリスニングの問題は、初めて解く人にとってはもの凄く難しいと感じると思います。センター試験世代の日経新聞の記者はビックリしたことでしょう。その英語の問題の時間割は、リーディングが1/16(土)15:10-16:30、リスニングはその後17:10-18:10です。社会、国語に続いて、午後の時間にリーディングの試験があります。そして難しくなったリスニングが続きます。リーディング、リスニングとも集中力が必要ですから、非常に厳しい時間割です。


(2020年12月17日) 【中3生・模試の回数】 [▲ 先頭へ]

今週に入って中3クラスでの気ぜわしさから解放されています。今週日曜日がそのタイミングで、今年度6回目の石川県総合模試が実施されました。夏休みが終わった後は二学期の中間テストと期末テストを挟んで模試が続きました。中3クラスの授業は英語、数学と国語200字作文で、定期テスト前は2〜3週間かけてテスト対策に万全を期します。また、模試の前は英数とも模試過去問練習をそれぞれ2〜3回行います。9月からは、息つく間もなく定期テスト対策と模試対策に追われたという感じです。

総合模試は7月から来年の2月まで毎月実施されます。正直言って多過ぎると思います。大学受験の高3生は5月から毎月模試を受験します。共通テスト想定のマーク式模試と2次試験想定の記述式模試を毎月交互に受けるのは納得できます。しかし、中3生が毎月模試を受ける必要があるのか疑問です。ゼミの中3クラスを週3回にすれば対応できそうですが、現実的な選択肢ではありません。

総合模試は2012年度までは年間6回でした。2013年度から2018年度までは7回に増え、さらに昨年度から8回になりました。7回に増えた時、ちょっと多過ぎると思いました。昨年度の模試・年間スケジュールを見た時には驚きました。定期テスト対策に影響を及ぼしたので、希望する生徒さんだけの受験にした回がありました。模試本部には本当にお世話になっているので苦言を呈するのは心苦しいです。しかし、テストの回数が多くなって生徒の皆さんが心理的な負担をおっていることも考慮すれば6回または7回が妥当だと考えます。

波状的に続いた定期テスト対策と模試対策に一区切りがつき、今週からは冬休み明けの統一テストと模試に向けてじっくり3年分の総復習をしています。冬休みには国語や理科、社会の勉強もします。定期テスト・模試対策に追われて生徒の皆さんへの個別対応が少し疎かになっていたので、一人一人としっかり向かい合うつもりです。


(2020年12月10日) 【共通テスト・リスニング対策】 [▲ 先頭へ]

来年1月16日・17日の大学入試共通テストまで一カ月余りになりました。以前から気になっていた資料をようやく準備することができました。リスニング対策のプリントです。

本年9/10付け本欄「共通テスト・リスニング」で述べた通り、共通テストのリスニングはセンター試験からかなり難度が上がりました。特に、後半の第5問、第6問の難しい問題では英語は一回しか読まれません。本当に難しいです。センター試験・リスニング対策のプリントは準備してありましたが、問題形式が異なり難化した共通テストには対応できない内容でした。高3の皆さんに役立つプリントについてずっと考えていましたが、なかなか思いつきませんでした。

10月から11月にかけて、ゼミの授業で使う共通テスト形式のリスニング問題を集中的に解きました。問題形式に慣れることは重要なポイントです。しかし、それだけでは有効な対策とは言えません。どうすれば良いかと思いながら何セットか聴いているうちにあるアイデアが浮かびました。直ぐにプリントにまとめて先々週の高3英語クラスで渡しました。好評でした。

今週、そのプリントを更に分かり易い内容にまとめ直しました。日常的にリスニングに慣れる便利な方法も盛り込んで満足できる内容になりました。リーディングとの配点比率で比重が大きくなったリスニングの出来具合は合否に影響します。然るべき効果を発揮するであろうプリントは明日の高3クラスで配布する予定です。プリントが何とか間に合って、胸のつかえが取れたようでホッとしています。


(2020年12月 3日) 【残り3ヶ月の勝負】 [▲ 先頭へ]

先月、中3生A君が入塾しました。自分で勉強しても成績があまり伸びなかったそうです。努力が結果に結びつかず、心の中には焦りがありました。丁度統一テストの頃でした。しかし、中間テストの答案用紙を見せてもらったところ、「この子は伸びる」と感じました。答案を見れば学力が伸びる可能性を判断できるものです。

来年3/9, 10の公立高校入試まで3ヶ月余りですが、3ヶ月しかないではなく、3ヶ月もあります。大学入試であればさすがに手遅れですが、高校入試ですからやり方次第で何とかなります。入試を目指して学力を伸ばすためには3つの条件があると考えています。絶対にこの学校に合格するという情熱、正しい勉強法、そして努力です。

最初の条件は受験勉強全体を支える根本条件です。この高校に合格できれば良いな、では合格できません。1.5倍を超えれば非常に厳しく、1.2倍、1.3倍の倍率でも簡単ではありません。絶対に合格するという強い情熱が勝利につながります。期間が限られると効率的に勉強しなければ間に合わなくなります。どの教材をどのように勉強するかを判断することは非常に重要です。第3の条件である努力の重要性は言うまでもありません。

A君には目標とする高校があり、やる気十分です。仮にこれからのテストや模試で成績が伸びなくても、前向きな気持ちを持ち続けることが大切です。勉強法については、5教科それぞれ具体的に指示しています。実際のテストでの点数の取り方というテクニックについても伝えています。努力の面では問題なさそうなことが安心材料です。

公立高校入試の合格発表は来年3/17正午です。自分の受験番号を見つけることができれば大きな自信になります。「やればできる」の実行は彼の人生に素晴らしい影響を与えるでしょう。私にも更なる目標ができました。「この子は伸びる」という私の感覚が正しいものであることを証明しなければなりません。


(2020年11月26日) 【オリジナル資料】 [▲ 先頭へ]

私には心掛けていることが幾つかあります。その中の1つに「恩着せがましくしないこと」があります。今回はそのモットーに反すると思われますが、ちょっと悲しかった話をご紹介致します。

ゼミでは、高校生の全国模試の結果が戻った時は生徒さんと面談し、ご父兄の皆さんに電話連絡しています。今月初めに9月の模試結果について高3クラスのA君のお母様と話していたところ、A君の机の前に来年3月までの計画表が貼ってあると聞きました。学校からもらった計画表とのことでした。10月末にゼミで11/1から3/12の後期日程試験までの4ヶ月計画表を渡した後だったので、「あれっ」と思いました。A君に確かめたところ、ゼミで渡した計画表でした。

これがあれば良いと思うオリジナル資料を少なからず準備してあります。文法的説明が詳しくついた暗記用英語構文集、科目別大学受験勉強をまとめたもの、共通テスト形式のマーク式模試対策、英語2次試験対策などです。22年間で結構そろってきました。4ヶ月計画表もその一つです。これは、私の浪人時代に河合塾の勧めで作成したもので、とても重宝したのでオリジナルで準備しました。

生徒の皆さんにとって良ければ誰が作ったものでも良いのでしょうが、ゼミで配布した資料を学校からのものと思われるのは、やはり悲しいです。こんな資料を渡しています、と父兄の皆さんにアピールするのは品格に欠け、「男の美学」に反していると思ってきました。しかし、よく考えてみると、ゼミの情報をご父兄に伝えるのは企業の広報活動と同じです。今後は授業内容や配布資料などのゼミの内容を適度にお伝えするつもりです。


(2020年11月19日) 【小柴昌俊先生】 [▲ 先頭へ]

2002年にノーベル物理学賞を受賞された東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊先生が11月12日に亡くなり、大きく報道されました。94歳でした。1998年にサミット・ゼミを開校以来、勉強の大切さを簡潔にまとめる表現がないものか考えていたところ、小柴先生の言葉に出会いました。2003年3月27日付け本欄でご紹介した「受動的認識能力と能動的認識能力の掛け算で、人間の総合的な能力が決まるように思う。」という言葉です。前者は学校で覚える知識、後者は考える力です。

創造力とは既存知識の新しい組み合わせである、と説明されることがあります。既存知識を新しく組み合わせるためには、正に小柴先生がおっしゃる知識と考える力の掛け算が必要になります。創造力は「新しい価値を生み出す力」とも定義されます。社会に出ると様々な課題、問題に直面し、それらを解決するアイデアを出せるかどうかが非常に重要です。新しいアイデアを思いつくには創造力が必要で、その構成要素が知識と考える力です。

新聞で読んだ小柴先生のお言葉は私にとって説得力十分でした。勉強の大切さを簡潔にそして的確に表現しています。創造力はノーベル賞を受賞するためだけのものではありません。社会に出た時に限らず、社会に出る前でも、勉強のやり方を工夫したり効率的な部活動のやり方を考えたりする時に必要なアイデアの提案の基礎をなすのが創造力です。

理科の光合成の仕組みや社会の薩長同盟の役割を知らなくても生きてはいけます。しかし、それらの知識が将来有用なアイデアの要素になる可能性があります。考えることは面倒で時間がかかることですが、アイデアを生み出す原動力です。学校での勉強は当然だと言うのではなく、社会で活躍するための必要条件だと説明すれば生徒たちは納得するはずです。

小柴先生は幼い頃小児麻痺を患ったそうです。二度失敗して大学に入っても、アルバイトのためあまり大学に通えず、成績はビリでした。しかし、成し遂げたいことを諦めず夢を実現しました。テレビのクラシック番組に出た先生の姿を覚えています。努力しても素晴らしい音楽を生み出すことはできないと話されていました。先生のモットーは「やればできる」でした。音楽とは異なり、学力は努力すれば伸びることを教えて下さいました。


(2020年11月12日) 【気温チェック】 [▲ 先頭へ]

寒くなってきて、生徒の皆さん、特に高3、中3の受験生の皆さんには翌日の最低気温と最高気温をチェックするように指示しています。着るものの調整ができますし、翌日の最低気温が低ければ、いつもより暖かくして寝ることができます。風邪を予防する有効な手段の一つです。

先日の中3クラスで一名の生徒さんが体調を崩して欠席しました。もしやと思って、他のメンバーに翌日の気温情報をチェックしているか否かを確認したところ、チェックしていない人がいました。サミット・ゼミは少人数制で私の意図が伝わり易く、全員が指示を守っていると思っていましたが、なかなか思い通りにはいかないものです。

毎年この時期になると、風邪やインフルエンザ予防のため、翌日の気温チェックと共に手洗い、うがいの実践を呼びかけますが、手洗い・うがいは新型コロナ対策として皆さん実行しているようです。翌日の最低気温・最高気温はテレビのニュースで確認できますし、自分あるいは父兄の方の携帯電話で容易に確認できるはずです。

風邪をうつされるのは仕方ありませんが、自分から風邪をひかないように工夫することはできます。翌日の気温をチェックすることは、受験生の場合は実力の一つと言えるかもしれません。


(2020年11月 5日) 【中学英語の難所】 [▲ 先頭へ]

中3生は今、英語の難しい分野を学んでいます。金沢市立の中学が使っている教科書はNew Horizonで、Unit 5に入っています。基本文は次の通りです。
Do you know the boy playing the guitar? あなたはギターを弾いている少年を知っていますか。
The boy playing the guitar is my brother. ギターを弾いている少年は私の兄(弟)です。
Do you know the language used in Australia? あなたはオーストラリアで使われている言語を知っていますか。
The language used in Australia is English. オーストラリアで使われている言語は英語です。

現在分詞、過去分詞の形容詞用法と呼ばれる文法です。複雑な英文なので、文構造をしっかり把握しなければなりません。メインの文を意識して、修飾する語群と修飾される名詞を見抜くことがポイントです。就職する語群が文末にくる場合はまだ分かり易いのですが、特に、二つ目、四つ目の基本文のように、修飾する語群が文中に入り込んだ場合に解読が難しくなります。

Unit 5の次はいよいよ関係代名詞を学ぶUnit 6です。関係代名詞は中学で学ぶ英文法の中で最も難しい分野です。Unit 5で学ぶ上述の文構造をさらに複雑にした英文です。関係代名詞を理解しておかなければ、この構文が数多く出てくる高校の教科書は理解できません。この構文では、一つの文がメインの文中の名詞を後ろから修飾します。関係代名詞は二つの文を一つの文にする働きをします。

二つの文が一つの文に出てくるのは中2で学んだwhenやifの接続詞の構文です。中2生にとって接続詞はなかなか理解しづらいので、中3生が関係代名詞を理解するのは容易ではありません。因みに、上述の最初の基本文の和訳は「あなたの知っている少年はギターを弾いていますか。」ではありません。この英文は”Is the boy you know playing the guitar?”です。何となく似ていますが、意味は全く異なります。英文の分析力が問われます。


(2020年10月29日) 【残り4ヶ月の授業計画】 [▲ 先頭へ]

大学入試2次試験(曜日の如何を問わず2月25日)まで4ヶ月になり、高3英語クラスの今後の授業計画を考えました。授業の三本柱は、読解、英作文とリスニングです。読解練習は共通テスト形式のマーク式問題練習と2次試験過去問の長文読解練習を交互に行っています。英作文練習は和文英訳練習と自由英作文練習を交互に行います。センター試験より難しくなった共通テスト形式のリスニング練習も基本的に毎回行います。

4ヶ月計画では特に、2次試験過去問練習についてじっくり考えました。来年2月まで行う過去問練習はあと10回です。本年9/24付け本欄「漢字は覚えておく」で述べた通り、今年2月に出題された問題の内、授業で使えそうな問題を15問選び、実際に10問解いてみました。そして、テーマ、難度、問題形式を考慮して授業で使う6問を選びました。その内1問は既に授業で使ったので、残りの5問と手元に豊富にある過去問から5問を選んで、全部で10問になりました。

その10問を解く順番について悩みました。特に、来年1/16, 17の共通テスト以降に解く順番です。原則として難問を解く予定ですが、難しい問題が続けば自信を失う生徒さんがいるかもしれません。テーマ、難度、問題形式を考慮した上でどの順番で解くか、そこのさじ加減が難しかったです。生徒の皆さんが自信を持って2次試験に臨めるような順番にしたつもりです。

計画を作っていて、高3クラスの皆さんとの授業も残り4ヶ月と思うと心に感じるものがありました。中2の時から通ってくれた生徒さんも3名います。来年の入試でみんなの希望が叶うよう、充実した授業をしていかなければなりません。私も頑張ります!


(2020年10月22日) 【添削 in 高3クラス】 [▲ 先頭へ]

高3英語クラスで添削に力を注いでいます。2次試験過去問を使った長文読解練習での英文和訳、説明問題の添削と、英作文練習での添削の両方があります。

長文読解練習の和訳は英語構文を理解していることがポイントです。和訳がまとまりのない日本語の場合はイエローカードを出します。逆に、文脈を踏まえた素晴らしい和訳の場合は加点したい位です。説明問題では解答の素材となる英文を見抜いているかどうかがポイントです。この長文読解練習の添削にはそれほど時間がかかりませんが、英作文の添削は大変です。

和文英訳練習では、生徒の皆さんが書いた英文が模範解答とは違っていても、手を入れることで合格英文になることがよくあります。問題の日本文のニュアンスが出ていて、文法・スペルミスがなければ減点できません。先ずは文法ミスのない英文を書けるようにして、さらに英語らしい表現ができるようになれば最高です。

先週取り上げた自由英作文の添削はかなり大変です。設問のテーマから外れていないか、英作文としてまとまっているかが大切なチェックポイントです。それに加えて文法・語法・スペルのミスをチェックします。まとまりのある英文でテーマに合っていても内容が薄い場合は、もっと深く考えるように指摘します。受験生にとって難しい自由英作文は出来、不出来が大きく分かれるので、逆に差をつけるチャンスとも言えます。ゼミでの練習はこのチャンスを狙っています。

英作は授業の後半に行っています。集中力を全開にして英文を見るものの、一人一人の添削には時間を要します。今年度の高3英語クラスには5名の生徒さんがいるので授業の終了時間が大幅に遅れることがあります。添削を甘くすることは絶対にすべきではないので、工夫して時間を使っています。


(2020年10月15日) 【自由英作文問題 in 2020】 [▲ 先頭へ]

今年2月25日に実施された国公立大学2次試験、英語の自由英作文の問題を調べました。今年も多くに大学で出題されました。それらの内、高3クラスで使えそうな問題を18問選びました。昨年までの在庫問題と併せてかなりの数が手元に揃いました。自分なりに各問題の難度を考え、表計算ソフト・エクセルを利用して問題の難度順に並べました。

自由英作文は難しいので、この問題の出来具合が合否に直結すると言っても過言ではありません。例えば、金沢大学の場合、3つの大問の内、大問3が自由英作文です。上手く書けた受験生とそうでない受験生の得点の開きは大きいと思います。

受験生にとって自由英作文は大きな課題であり、簡単に書けるようにはなりません。過去の高3英語クラスでも生徒の皆さんは苦戦していました。秋から始めていた自由英作文練習は少しずつ練習開始時期が早くなってきました。最近は高3の初めから練習しています。通常の和文英訳練習もしなければなりませんから、自由英作文とのバランスは私にとって悩ましい問題です。因みに、今年度は自由英作文の比重を大きくして、既に15回練習しました。

毎年、どのようなテーマが出題されるか興味深いです。今年の問題で印象に残るのは、「学習にインターネットやタブレットを活用する場合のメリットとデメリット」(名古屋工業大学、60-80語)、「部活をすることの有利な点と不利な点」(京都工芸繊維大学 150-200語)、「文系と理系に分けることに関する意見」(九州大学 約100語)です。各大学はそれぞれ工夫して出題しているのが分かります。

今年の問題で「えっ」と思ったことがありました。香川大学の問題で「技能(skills)と運(luck)のどちらが人の成功に重要か」(120語以上)という設問の後に、「解答が問いの答えになっていない場合や、トピックからずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。」という注書きがありました。過去、設問の指示を守らなかったりトピックからずれたりした受験生が多かったことが推察されます。やはり自由英作文は難しい!


(2020年10月 8日) 【教科書の復習】 [▲ 先頭へ]

学校の授業をきちんと聞いてテスト勉強をしっかりする、これが勉強の基本です。先週の本欄でも述べた通りです。この基本を実践できればテストで然るべき点数を取ることができます。そして、学校生活での安心感や自信につながるでしょう。

サミット・ゼミ中学クラスでは学校の勉強の予習はしません。授業をきちんと聞いて欲しいからです。その代わり、定期テスト毎に試験範囲をしっかり復習します。英語は教科書を復習します。各単元の基本文を説明した上で教科書本文に出てくる大切な表現をチェックします。その後問題練習を繰り返して試験範囲をマスターします。また、生徒の皆さんには教科書に出てくる重要な文と表現をまとめた資料を渡してあります。教科書を完璧にマスターできるオリジナル資料です。

数学は各単元の内容をプリントで説明した上で問題練習を繰り返します。学校のワークに加えてゼミで問題練習すれば正答率はかなり高くなります。英語は理解、暗記していれば得点できますが、数学は解き方が分かっていてもミスをする科目です。ミスを減らすために問題練習を繰り返します。もう1つ大切なポイントは難しい問題への対処です。しっかり考えることが必要です。じっくり落ち着いて深く考えることができるようになれば難しい問題も解けるようになり、数学が楽しくなってきます。

中学の英語・数学の勉強は上述のやり方で十分だと考えています。高校での英数の勉強は少し異なりますが、中学でも高校でも教科書の内容をマスターすること、授業を大切にすることが非常に重要であることは変わりありません。高校での英語・数学の勉強については別途述べてみるつもりです。


(2020年10月 1日) 【中3、秋の定期テスト】 [▲ 先頭へ]

金沢の各中学では来週、2学期中間テストが予定されています。中3クラスでは英語は先週から教科書の復習を始めました。数学は今月初めに1学期の復習をした上で中間テストの範囲の問題練習に入りました。9/20の模試に備えた勉強もありましたから、やるべきことがたくさんあり、工夫しながら授業を進めています。

中間テストを前にして中3クラスの皆さんに今回のテストの重要性について話しました。これからの定期テストは、その後に復習する時間がほとんどないということです。冬休みがあるものの、その期間は中学3年間の総復習をしなければなりません。従って、2学期の中間・期末テストは後からの復習が必要ない位の準備が必要です。

中間テストの試験範囲は、英語が現在完了と不定詞の応用、数学は2次方程式と2乗に比例する関数です。いずれも重要分野です。期末テストの試験範囲は、英語が後置修飾(分詞の形容詞用法と関係代名詞)、数学は相似な図形と円(円周角の定理)です。重要分野が続きます。特に、英語の後置修飾は複雑な構文で、英語がわかるか否かのチェックポイントです。また、数学の相似な図形の後半(平行線と比)は難しいです。

学校の授業をきちんと聞き、テスト勉強をしっかりするという勉強の基本が本当に大切になります。そして、この姿勢が身につけば高校での勉強につながります。


(2020年 9月24日) 【漢字は覚えておく】 [▲ 先頭へ]

今年の大学入試2次試験の英語の問題を少しずつ解いています。国公立大学の2次試験の問題を掲載した問題集は毎年6月に発行され、私は英語と数学の問題集をすぐに買います。英語の問題集では、テーマ、難度、長さ、問題形式を調べて高3クラスの授業で使えそうな問題を選びます。毎年15問位が候補に上ります。そして、その問題に与えられる解答時間を考慮して実際に解きます。普段はFM放送や音楽を聞きながら作業をしていますが、2次試験の問題を解く時はFM、音楽をオフにして問題に集中します。

英語の問題には英文を和訳したり何かを日本語で説明したりする問題があり、漢字を書くことが多くあります。近年、問題を解きながら、漢字を忘れがちになったと感じています。普段はワープロで作業をしているので仕方のないことかもしれませんが、末期オジサンの年齢になってしまったと悲しい思いをしています。漢字を調べるため、教室には高校時代から使っているボロボロの国語辞典を置いています。自宅用には、「広辞苑」が新しくなったのを機会に2年前に電子辞書を買いました。

社会人になるとワープロを使うので日本語を書く機会は限られます。しかし、中高生の皆さんは実際に書くことが少なくありません。高校入試の国語の作文や大学入試2次試験での日本語の解答が典型例です。従って、漢字を覚えることは必須になります。漢字で書くべきところを日本語で書けば知的レベルを疑われます。

ゼミの中学クラスでは、各テスト後の面談で国語の漢字の出来具合をチェックしています。覚える努力を怠らなければ漢字のミスはなくなりますが、手抜きをする場合がよくあります。大学入試の問題を解く時に私が漢字で困ることがあることを生徒の皆さんに伝えて、しっかり漢字を覚えるように話すつもりです。


(2020年 9月17日) 【共通テスト・リスニング その2】 [▲ 先頭へ]

英語の共通テストの配点はリーディング、リスニングとも100点です。(令和3年度大学入学選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等) センター試験では筆記(リーディング)200点、リスニング50点でしたから大きく変わりました。最初にその変更を知った時、かなり驚くと共に「何故?」と思いました。

これについては「大学入学共通テスト問題作成方針」において「グローバル人材の育成を目指した英語教育改革の方向性の中で高等学校学習指導要領に示す4技能のバランスの良い育成が求められていることを踏まえ、「リーディング」と「リスニング」の配点を均等とする。」との記載があります。

4技能のバランスの良い育成が必要なことは言うまでもありませんが、配点を同じにするのは極端だと思います。ビジネスや研究開発の場での英語の使われ方を考えればリーディングを重視すべきです。先ずは「読み」「書き」が大切です。また、4技能のバランスを言うなら、何故リーディングから発音・アクセント、文法・語法・並び替え問題がなくなったのでしょうか。大きな疑問があります。

上記の「問題作成方針」では上述の記載に続き「ただし、各大学の入学者選抜において、具体的にどの技能にどの程度の比重を置くかについては、4技能を総合的に評価するよう努めるという「大学入学共通テスト実施方針」(平成29年7月)を踏まえた各大学の判断となる。」と記載されています。

各大学の配点比率を調べてみました。リーディング:リスニングが1:1の大学は北海道大、お茶の水女子大、東京外国語大、東京工業大、一橋大、金沢大、九州大など、3:1の大学は東北大、静岡大、名古屋大、京都大、大阪大など、4:1は筑波大、横浜市立大(一部3:1)、富山大、信州大、神戸大、神戸市外語大などでした。東大は7:3です。

海外ビジネス実務を経験した私は3:1または4:1が妥当だと思います。外国語の卓越したコミュニケーション能力を養成する国際教養大の配点比率が4:1であることは興味深いです。各大学が独自の判断で配点比率を決めることができるので、受験生の皆さんにとっては分かりづらい制度になっています。英語民間試験の導入見送り、国語・数学の記述式問題の導入見送りと共に、今年度の受験生の皆さんは入試制度の改革に振り回されています。


(2020年 9月10日) 【共通テスト・リスニング】 [▲ 先頭へ]

大学入学共通テストまで4ヶ月余りになりました。センター試験から一番大きく変わったのは英語リスニングだと思います。変更点はいくつかあります。センター試験の4問が6問構成になり問題量が増えると共に内容が難しくなりました。(試験時間30分は同じ) センター試験では音声が2回流れましたが、共通テストでは1回しか流れない問題があります。センター試験では読み上げ発音がアメリカ発音でしたが、イギリス英語や英語が母国語でない話者の発音も含まれます。

かなり難しくなりました。私は2018年の試行調査の問題を解いてみて、センター試験からの難化の度合いにびっくりしました。2回読みが1回になったのは大きな変更です。TOEICのリスニングが1回読みで英語が暴力的に流れますが、それに近いものがあります。前半の比較的易しい問題が2回読みで、後半の難しい問題が1回読みです。後半は難しいです。さらに、今年7月に第3問も1回読みに変更され、受験生に更なる負荷がかかりました。

共通テスト・リスニング対策として2つ考えています。1つはリスニングに慣れることです。各高校でもリスニング練習を行っていますが、英語を聞くことに慣れるため、ゼミの授業でもリスニング練習を多くするつもりです。もう1つは問題形式に慣れることです。特に、第5問の講義の聞き取り、第6問の対話・質疑応答の聞き取り問題は難しいので、問題を解いた後はスクリプト(流れた英文資料)を渡して問題を研究する予定です。問題形式に慣れれば余裕を持って試験に臨めるはずです。高3英語クラスのリスニング対策は、先月までに準備を整えて今月から本格的に行っています。


(2020年 9月 3日) 【中2の秋】 [▲ 先頭へ]

8月の中2クラスでは一学期分野を復習して月末の実力テストに備えました。英語はbe動詞、一般動詞の過去形、過去進行形、未来形という分野をしっかり復習しました。数学は、多くの中2生が苦手とする、二つの奇数を足すと偶数になるというような証明の書き方を確認しました。書き方のパターンを覚えれば大丈夫です。連立方程式とその応用も大切なポイントで数多くの問題を解きました。

中2生は、9月からは英語は不定詞、助動詞、接続詞、動名詞(教科書により習う順番が異なります。)を学びます。それぞれが重要な分野です。新しい分野を先ずは理解し、そして覚えます。中1に比べてかなり難しくなります。数学はいよいよ1次関数です。方程式・連立方程式に並ぶ重要分野で、今後の実力テストで必ず出題される分野です。この1次関数の後には三角形の合同の証明という重要分野が続きます。

今月の中2クラスは、英語は不定詞と助動詞の勉強から始めます。各分野を説明した上で問題練習をします。最初は難しく感じるはずですが、問題練習を重ねることで理解が進みます。英語は習うよう慣れろ、と言われることがあります。各分野に慣れることが大切だと思っています。数学は1次関数の問題練習を始めます。非常に重要な分野なので、先ずは基本を徹底して少しずつ応用問題に取り組む予定です。二学期の中間テストを目標にして、生徒の皆さんが着実に実力をつけられるように授業を進めるつもりです。


(2020年 8月27日) 【英語力と単語力】 [▲ 先頭へ]

今年度の高1クラスは5月に開講しました。新型コロナウイルスの影響はほとんど受けず、授業は順調に進んでいます。高1クラスのポイントは三つです。先ず英文法のマスターです。各高校の授業の進行に合わせて、各分野を復習形式で確認しています。次は英文構造を見抜く練習です。記述式の模試や大学入試2次試験での長文問題を解くための条件です。三つ目は速読練習です。共通テスト(今年までのセンター試験)につながる練習です。これらは全て英語力を伸ばすための基本要素です。

先週の高1クラスではやや難しめの長文読解練習をしました。下線部和訳問題では生徒の皆さんは苦労しました。難しい単語が幾つか出てくると、それほど複雑でもない英文構造でも解析することが難しくなります。高校の単語レベルは中学に比べて格段に高くなります。一つや二つの単語が分からなくても前後の文脈で類推しながら読み進めることはできますが、知らない単語が多くなれば英文を理解することはできません。

かつて英語が好きで得意な高校生に、英語がよくできるねと褒めたことがあります。その生徒さんは、自分よりも英語ができる人がいると言いました。違いは何かと尋ねたところ、単語力と即答しました。単語力の重要性を物語るエピソードです。

高1クラスで使っている高校生向け基礎単語集には「英語の成績はほぼ正確に単語の力に比例すると言っても言い過ぎではない。」と書いてあります。そして、「単語・熟語を少しでも多く覚えると英語は急に面白くなる。そして、英語を学ぶことが楽しくなったら、単語を覚えるのがそれだけいっそう容易になる。このような好ましい循環にはまり込めばしめたものだ。」と続きます。

私自身の経験でも高校生の時は単語力が弱かったという自覚があります。英語力が安定しなかった原因でした。単語を覚える地道な作業は誰でも避けたくなります。しかし、単語力は英語力の絶対条件です。高1クラスの授業は宿題形式の単語チェックから始まります。生徒の皆さんから嫌われようとも、単語を覚えるように言い続けるつもりです。


(2020年 8月20日) 【大学院生の来訪】 [▲ 先頭へ]

今月初めに元生徒さんからメールが入りました。東北大学・農学部大学院の修士課程で研究しているT君からでした。将来の進路について相談したいとのことで、先週、教室に来てもらいました。

大学入試の時以来の再会でした。T君は自らの印象が薄かったのではないかと心配していましたが、彼は私の記憶に強く残る生徒さんの一人です。授業中の集中力が凄かったです。いつか話してみたいと思っていたので、良い機会になりました。高校生の時は自分からは余り話さないおとなしい生徒さんという印象でしたが、久しぶりに会った彼はその印象とは異なり社交的になっていました。大学で多くの人と出会って自分を少し変えようと思ったそうです。彼の成長を感じました。

いろいろな話をしました。高校入試の時にちょっとした事件があり、それを思い出して二人で大笑いしました。大学の受験勉強についてアドバイスをもらいました。彼の研究内容を聞きました。東北の地元の水産業に関する意義ある研究でした。その後は就活について聞きました。「売り手市場」とは名ばかりで、然るべき会社に就職することは大変だと本欄で紹介したことがあります。ましてや今春の就活は新型コロナの影響があり大変だったようです。

厳しい状況の中、T君は幾つか内定をもらいました。その中には彼の研究とは関係のない会社もありました。彼はそれらの会社の業界について私から話を聞きたいと思ったそうです。ご両親以外の人から世の中のことについて聞けることはほとんどないとのことでした。

私は大学卒業後に日産自動車に就職し、その他の会社も含めて約20年のビジネス経験があります。法務、海外営業、国内営業、生産管理などの仕事を経験しました。会社勤めを全うした訳ではないので偉そうなことは言えませんが、良かったこと、悪かったこと様々な経験からそれなりのアドバイスはできます。学習塾を始めてからも、友人達が経済の第一線で活躍しているので世の中の動きはウォッチし続けています。

縁あってサミット・ゼミに通ってくれた生徒の皆さんとのつながりを大切にしたいと思っています。社会、経済に関する知識やビジネス経験が彼らに役立つのであれば本当にうれしいです。生徒の皆さんを勉強面で教え育てるだけではなく、実業界の案内人的な役割も担えれば良いと考えています。


(2020年 8月13日) 【英語の共通テスト その3】 [▲ 先頭へ]

金沢の各高校では先週末や今週末に共通テスト形式のマーク式模試が行われています。先週の高3英語クラスは模試対策の授業で、80分の共通テスト形式の問題を解きました。生徒の皆さんは6月に学校でマーク式模試を受けていますから、80分の問題に挑戦するのは2回目でした。

英語の共通テストは読解問題だけが続きます。問題を解く前に、途中で深呼吸して集中力を入れ直すように指示しました。80分解き終えた時は、皆さん疲れた表情を見せました。私自身は80分の問題を10回ほど解きましたから、総語数約5,300語という大量の英文から成る読解問題を解く辛さはよく分かります。本当に疲れます。

共通テスト形式の80分の問題を見る度にセンター試験形式からの「改悪」を感じます。センター試験では、第1問が発音・アクセント、第2問が文法・語法・並び替えで、第3問から第6問が読解問題でした。よく吟味されたバランスの良い問題構成でした。共通テストは読解問題だけなので、英語のテストとしてのバランスが非常に悪いと思います。

発音・アクセントや文法・語法・並び替えがなくなった原因は英語の4技能を問う民間試験を導入するためでした。民間試験で「話す」があるから発音・アクセントがなくなり、「書く」があるから文法・語法・並び替えがなくなると説明されていました。しかし、民間試験の導入が昨年11月に見送りになったのにも関わらずそれらの問題は復活しませんでした。何故復活しないのか全く理解できません。この矛盾について大学入試センターは何らの説明もしていません。

また、大学入試で発音・アクセント問題がなければ高校生は英単語の発音記号を意識するでしょうか。文法・語法・並び替え問題がなければ高校生は真剣に文法を学ぶでしょうか。それらの問題を復活させないことは、英単語の発音記号や文法は真面目に勉強する必要がないと文部科学省や大学入試センターが言っているように思います。発音・アクセント、文法・語法・並び替え問題の消失が受験生、高校生の将来のコミュニケーション能力に悪い影響を及ぼすと懸念しています。


(2020年 8月 6日) 【中3クラス夏期講習 その2】 [▲ 先頭へ]

今年3月の公立高校入試の英語平均点は45.3点で、3年連続で前年の平均点を下回りました。入試の英語の難化を受けて模試も難しくなっています。7月5日の石川県総合模試の英語平均点は40.8点でした。入試や模試の問題を見てみると、会話文や長文問題に英語の資料があり、英文量がかなり増えています。途中に英作文の問題も入っています。第1問のリスニングでは10分余りの時間がかかり、英文の穴埋め問題の第2問もあるので、50分で全部解くことは大変です。中3生にとって入試や模試の英語は本当に難しいです。

難しい英語の問題に対応する武器は速読です。大量の英文であっても、英文を速く読むことができれば制限時間内に問題を解くことができます。速読するために必要な要素は単語と文法です。中3生の場合、単語力がネックになることはほとんどありません。大切な要素は文法です。例えば、不定詞の3用法の見分けや5文型の識別です。一つの文が長くなるwhenやbecauseのような接続詞もポイントになります。文法力があれば英文内容を素早く読み取ることができます。

中3クラスの夏期講習では来週から速読練習を始める予定です。以前は8月後半から始めていましたが、入試の英文量が増えてきたことを受けて練習の開始時期を早めました。そのため、夏期講習前の7月初めから文法の総復習をしてきました。文法の総復習は今週中に終了して、来週から速読に取り組みます。もちろん直ぐに速読できるようになるわけではありません。練習の積み重ねが必要です。冬休み明けの統一テストが目標です。その頃に速読できるようになっていれば来年3月の公立高校入試に余裕を持って臨めます。

そして、この速読は大学入試にも関係してきます。先月2日付け本欄「英語の共通テスト その2」で述べたように英語の共通テストは読解問題だけで構成されており、総語数は約5,300語と大量の英文を読まなければなりません。高校入試に向けて速読力をつけることが将来の大学入試にもつながります。大学入試共通テストを視野の遠くに捉えながらも、先ずは11月、来年1月の統一テストを目標に練習を開始します。


(2020年 7月30日) 【中3クラス夏期講習】 [▲ 先頭へ]

中3クラスでは先週から夏期講習が始まりました。普段は1回2時間15分の授業を週に2回行っていますが、夏期講習では1回3時間の授業を14回実施します。普段の英語・数学・200字作文に加えて理科・社会・国語の授業もあります。1年生、2年生の学習範囲の復習を行います。

サミット・ゼミの夏期講習の特徴は数学で、重要分野を徹底的に問題練習します。私が考える重要分野とは1次関数、方程式・連立方程式の応用問題と三角形の合同・平行四辺形の証明の3分野です。これらは今後の実力テストや模試で必ず出題される分野であり、この3分野が得意になれば数学の点数が安定します。

今週の授業では1次関数の解法のテクニック、問題を解く上での目の付け所をホワイトボードで説明してノートに写してもらいました。5つのパターンを説明しました。夏期講習中にもう1パターンを説明する予定です。これらの目の付け所を意識して問題練習を重ねれば、6つの解法パターンをマスターできます。1次関数の得点が安定すれば数学で失敗することはなくなるはずです。

今後、方程式・連立方程式の応用問題そして証明問題の練習をした上で50分の総合問題練習に移ります。総合問題練習を2〜3回行って、8月末の学校の実力テストと模試に臨みます。中3クラスの皆さんの実力向上を着実に導くつもりです。


(2020年 7月23日) 【負けず嫌い】 [▲ 先頭へ]

丁度一週間前の7/16(木)、将棋の藤井聡太七段が渡辺明三冠に勝利して棋聖のタイトルを獲得しました。17歳11ヶ月の史上最年少での初タイトル獲得という快挙でした。私はabematvで渡辺三冠が「負けました」と言った瞬間を見ていました。将棋のタイトルには名人、竜王など8つあり、その内の1つである棋聖を高校生が獲得したのですから「凄い」の一言です。

私は将棋が好きで、高校生、大学生の時に友人とよく指していました。社会人になってからは海外出張に向かう飛行機の中でマグネットの将棋盤で指したこともあります。ですから、藤井棋聖が2016年に14歳2ヶ月の史上最年少でプロ入りした時から注目していました。藤井棋聖は対局者と挨拶する時に頭を深々と長い時間下げているのが印象的で、礼儀正しい謙虚な人と感じてきました。

藤井棋聖のことがよくテレビで報道されるようになり、強く印象に残ったことがあります。小学2年で出場した「テーブルマークこども大会」の決勝で負けて、羽織・袴を着た藤井少年が表彰式でうなだれている姿です。小学3年の時は、小学生名人戦の愛知県予選の決勝で敗れて号泣したそうです。地元瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」に通っていた時も、負けたら泣いて泣いて涙が止まらなかったそうです。この負けん気の強さが新棋聖の並外れた強さにつながったと思います。

トップアスリートは負けず嫌いだと言われます。テニスの錦織圭選手、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手、女子卓球の伊藤実誠選手などに共通する性格だと思います。負けず嫌いだからこそスポーツで活躍できるのでしょう。私は勉強においても負けず嫌いな性格は大切だと思います。テストの結果が悪かった時、自分に対する悔しさが湧き上がるなら、次のテストの好成績につながるはずです。

おっとりとした優しい性格は人間としてはとても好ましいのですが、勉強ではあまり伸びないような気がします。できなかった自分が悔しいという負けん気の強さが勉強に対する努力につながります。そして成績が伸びるのです。負けず嫌いを心の内に秘めつつ謙虚に振る舞う藤井新棋聖は本当に素晴らしいと思います。


(2020年 7月16日) 【1000話】 [▲ 先頭へ]

本欄「塾長からの一言」は今回が1000話目です。2001年7月にホームページを立ち上げた時、中高生の勉強に関してコメントすればご父兄の皆様の参考になるのではないかと考えました。書き始めて直ぐに毎週1回のペースになりました。基本的に木曜日に書き綴っています。

定期的に本欄を読んで頂いているご父兄の皆様には感謝申し上げます。学習塾を運営する上での私の考え方をご理解頂ければ幸いです。本欄が皆様とのコミュニケーションの一助になっていることを願っています。独り善がりの考え方にならないように、中高生の皆さんには自分の考えを押し付けないように注意しているつもりですが、何かお気づきのことがあればどうぞご連絡をお願い致します。

週1回書き続けることは結構辛いです。週が明けて月曜日位になると少し頭が痛くなります。しかし、本欄に書くために中高生の受験や勉強に関することを調べたり考えたりするので、毎日の授業にも良い効果をもたらしていると思っています。

一人一人の生徒さんが課題を克服して成長する姿を見守ることは遣り甲斐を感じさせてくれます。彼らを導き続けることが本欄の継続でもあります。頑張って書き続けるつもりです。


(2020年 7月 9日) 【大学生からの相談】 [▲ 先頭へ]

先週のある日、東京の大学に通う元生徒のA君からLINEメッセージが入りました。漠然とした将来の悩みがあるので相談したいという内容でした。彼は2年生で、まだ就活には入っていませんが、将来の進路の方向性について考えていました。

授業前に時間があったので、LINE通話で1時間半ほど話しました。話題は多岐にわたりました。先ずは就活について話しました。どんな業界があるのか調べる、自分の適性や興味を考えてみるというような一般的なことに加えて、ここ2〜3年の元生徒の皆さんの就活状況を伝えました。私自身の就活の経験も話しました。私はあまり調べていなかったので、就活については少し悔いが残っています。就活は、いろいろな業界の人の話が聞けるチャンスでもあります。

大学時代の過ごし方についても話しました。A君の状況を聞いて、私自身の経験を話しました。私は大学で他学部聴講をしました。経済学部でプログラミングの講座、工学部で都市交通計画や国土計画の講座を取りました。大学外のセミナーに参加して他の大学生と交流したり、英語の合宿に参加したりもしました。当時流行っていた「何でも見てやろう」(小田実著)という本に触発されて、結構積極的に行動しました。A君も人と交流したいという希望がありましたから、メモを取りながら聞いてくれました。

縁あって一緒に勉強するようになった生徒の皆さんとのつながりは私にとって貴重です。自分の社会人経験やアドバイスが彼らの参考になるのであれば非常にうれしいです。良いアドバイスができるように様々なことに興味を持ち、自分の勉強も続けなければならないと思っています。


(2020年 7月 2日) 【英語の共通テスト その2】 [▲ 先頭へ]

前回の本欄でご紹介しました通り、来年からの英語の共通テストでは大量の英文を読まなければなりません。第1問から第6問の中に様々な種類の問題が10問あり(第4問、第5問以外の大問4問には2つの小問があります。)、総語数は約5,300語です。センター試験とは異なり全てが読解問題になったので、80分間英文の読解問題と取り組むことになります。

ポイントはずばり速読です。速読ができなければ80分間で10問、約5,300語の問題を解くことはできません。英文を速く読むための要素は単語と文法です。物語文や論説文の問題では難しい単語が出てくるので語彙力は大きな要素です。文法が甘ければ英文を速く読むことはできませんから、センター試験第2問で問われていた文法・語法問題が無くなったからといって文法の勉強を疎かにすることはできません。

長文を速読する時に注意すべきことは、2度読み、戻り読みをしないことです。同じところを2回以上読んだり、読んでいる文の前に書いてあったことを確認するために戻って読んだりすれば時間はどんどん過ぎていきます。また、読んでいる文章を理解するだけではなく、その内容を覚えておくこと(記憶の保持)も重要です。設問に答える時に英文に戻って読み直せば、やはり時間が過ぎていきます。

2度読み、戻り読みをしないで読み進め、文章を理解して内容を保持するためには集中力が必要です。80分間集中力をキープすることは本当に大変です。深呼吸をして集中力を入れ直すタイミングを決めておくことは1つのテクニックかもしれません。事実(fact)と意見(opinion)を見分けて答える問題もあるので、英文を読む時には実際に起こった事実なのか、個人の意見なのかを意識する必要もあります。

最近、私は共通テスト形式の80分の問題を10セット解いてみました。時間の使い方や各大問の解き方について高3クラスの皆さんの参考になる情報が得られましたので、速読のポイントを含めて1枚のプリントにまとめて配布する予定です。大切なポイントを踏まえた上で問題練習を繰り返せば、生徒の皆さんは徐々に慣れていき得点が安定していくと期待しています。