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(2021年 7月 〜 2021年12月)


(2021年12月30日) 【授業を支える基本的考え方】 [▲ 先頭へ]

今月は高校クラス・中学クラスの授業についてご紹介してきました。今回は、今月のシリーズの締めくくりとして、サミット・ゼミの授業を行う土台となる考え方についてご説明致します。

高校でも中学でも勉強における基本は同じです。授業をしっかり聞いて定期テストの勉強をきっちりすることです。高校では授業についていくためには予習と復習をしなければならないので、然るべき勉強時間が必要です。平日は学年数プラス1時間が目途と言われています。高校1年生なら2時間になります。また、高校では科目数が増えますから定期テストの勉強に必要な時間も増えます。

上記の勉強の基本は当たり前のことですが、この当たり前のことをできない人が数多くいます。中学でできなければ高校ではできません。この勉強の基本をできるだけ早い段階で身に付けることが学力を伸ばす絶対条件です。今日できないことは明日もできません。中1生にとっての一番大切な課題がこの勉強の基本を身に付けることだと思います。

何故勉強しなければならないのかについては、将来、社会で活躍するためです。東大・特別栄誉教授の小柴昌俊先生は、受動的能力(知識)と能動的能力(思考力)の掛け算で人間の総合的な能力が決まると話されました。ビジネス、研究開発など様々な場における様々な課題に対してアイデアを提案できることが重要であり、そのアイデアを考案するために知識と考える力が必要なのです。高校入試、大学入試を目標にして幅広い知識と深く考える力を身に付ければ社会で活躍できる準備ができます。

上記の二つはゼミで中高生を導く上で基本になっています。ただし、勉強ばかりやれば良いというものでもありません。部活はやるべきだと思います。ゲームをしたい気持ちも分かります。(私もゲームは大好きです。) 勉強をするべき時にする、という姿勢が大切です。スイッチのオンとオフを明確にするということです。

私は大学卒業後、日産自動車に就職して先ずは法務(国内・国際)、そして輸出業務に携わりました。19年間の社会人経験があります。この社会人経験からすると中高生の時の勉強は絶対条件だと断言できます。浪人の時に英語が得意にならなければ自信をもって海外ビジネスをすることはできませんでした。自分の経験を基にして、社会と中高生の勉強の架け橋的な役割を担えれば良いと考えています。

3年前の11月に当時の高1クラス6名と東京の大学見学に行きました。東京大学、東京外国語大学と早稲田大学を見学しました。彼らにとって非常に良い経験になりました。その中の一人が今年、早稲田大学に進みました。コロナ禍が落ち着けばそのような機会を作るつもりです。また、昨年、今年とコロナ禍のために実行できませんでしたが、中学生の修学旅行時の英会話練習を再開するつもりです。生徒の皆さんの勉強に対するモチベーションを高められるような工夫をしていきたいと考えています。

コロナ禍が続いた2021年も間もなく暮れます。年末年始のオミクロン株の感染拡大が懸念されますが、2022年はどのような年になるのでしょうか。普通の日常が戻るよう祈るばかりです。皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。


(2021年12月23日) 【中学クラスの授業内容】 [▲ 先頭へ]

今月に入り3回連続で高校クラスの授業をご紹介してきました。この流れに乗って中学クラスの授業内容についてもご紹介致します。今月の本欄は、当ゼミに関心をお持ちの方にとって参考になると思います。

中学クラスの授業は英語と数学です。そして、時々国語の200字作文練習を行います。200字作文は公立高校の入試で出題されるからです。夏期講習や冬期講習では理科、社会、国語の授業もありますが、通常は英語と数学です。理科と社会は基本的に自学できると考えています。ただし、国語については、読解力を課題とする人が少なからずいるので、生徒の皆さんの模試や実力テストの成績をウォッチしています。必要があれば通常授業で国語の問題練習をすることもあります。

中学クラスの基本的な方針は、高校での学習に備えて中学の英語と数学を完全にマスターすることです。この方針の背景には大都市圏の中高一貫校で実施されている先取り学習があります。近い将来の大学入試で先取り学習してきた人たちと戦うために、中学英語・数学という基礎を完璧にした上で高校で伸ばすという戦略です。過去23年の経験からすれば、この戦略は十分に機能していると判断しています。

中3クラスの授業は2本立てです。学校の定期テスト対策と既習分野の復習です。中間テスト、期末テストの試験範囲を徹底的に勉強します。英語では教科書の試験範囲をきっちり復習します。基本文を含めた教科書に載っている大切な文を、文法の説明を加えてまとめたオリジナル資料も準備してありますから、定期テスト対策は万全です。数学は大切なポイントをプリントで確認して問題練習を重ねます。

既習分野の復習は、各中学で行っている復習プログラムに沿って行っています。中学ではその復習プログラムの進行過程で実力テストが行われます。ゼミでの既習分野の復習の授業は学校の実力テスト対策とも言えます。英語はゆとり教育が実施される前の教材を使っています。各文法分野の完璧マスターを目指します。数学は問題練習を重ねて苦手分野をなくします。

中3クラスでは石川県総合模試を団体受験しています。各模試の前は英語と数学の過去問練習を行います。私立高校入試の前は、生徒の皆さんが受験する高校の過去問練習を行っています。星稜高校は発音・アクセント問題を出題しますので、過去数年分の問題練習を行います。

中学クラスの授業で特筆できるのは英語の速読です。公立高校入試ではかなり長い会話文・長文読解問題が出題されます。英文を速く読んで余裕を持って問題を解くために中3の夏期講習から速読練習を始めます。半年以上練習しますから3月の公立高校入試の頃にはかなり速く読めるようになるものです。高校で速読の技術をさらに磨けば大学入学共通テストでの強力な武器になります。

以上は主に中3クラスの授業を意識してご紹介しました。中2クラスの授業内容も中3クラスとほぼ同様です。


(2021年12月16日) 【高校数学クラスの2時間】 [▲ 先頭へ]

2週連続で高校英語クラスをご紹介しました。この流れで高校数学クラスの授業についてもご紹介致します。数学クラスは以前は高2の3月に開講していましたが、最近は高2の秋の開講になっています。今年度は早期開講の要請があり高2の7月末にスタートしました。

授業時間は英語と同じ2時間です。目標は共通テストで、マーク式の問題練習をします。先ず、共通テストまたはセンター試験形式の問題を解きます。解答時間は数TAが70分(センター試験形式は60分)、UBが60分です。解き終わった後は自己採点します。私は生徒の皆さんの成績を確認した上で、どの問題を間違えたかをチェックします。そして、その日に復習するポイントを指示します。

全ての問題を浅く復習するのではなく、その日に克服すべき分野を決めて徹底的に復習するのです。高2生の場合は、彼らが受検する共通テストまで1年と1ヶ月ありますから焦る必要はありません。苦手分野をしっかり着実に克服していきます。こうすることにより少しずつ実力が安定してきます。

苦手分野を克服してきたら、次の課題は試験時間の使い方です。共通テストでの数学は英語や国語と同様に時間との戦いという側面があります。全問をスラスラ解ければ制限時間になるという感覚で、計算ミスをしたり、解き方がすぐに分からず考え込んでしまったりすれば時間不足になってしまいます。時間との戦いは非常に厳しいです。志望校によって必要な得点率は異なりますから、自分の目標得点率に達するような練習の積み重ねが必要です。

高校数学クラスを開講する度に感じることがあります。2次関数や微分積分の問題でグラフを描かなかったり、ベクトルの問題で適切な図を描かなかったりする人が少なからずいることです。然るべきグラフや図を描けば正答に至る道筋が見えてくるものです。私は、生徒の皆さんが必要なグラフや図を描いているか、答案を乱雑に書いていないか、計算の途中式を丁寧に書いているか等をチェックします。教科書や参考書に載っていない裏技を伝授することもあります。

各高校では一コマの授業時間の関係でTAやUBの問題を半分に分けて練習しているようです。ゼミでは120分という授業時間があるので共通テストの解答時間である60分や70分の練習ができます。実際の解答時間での問題練習を重ねる効果はかなり大きいと思います。


(2021年12月 9日) 【高校英語クラスの2時間 その2】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄では2次試験・過去問練習の授業についてご紹介しました。高校英語クラスの読解練習は記述式とマーク式を毎週交互に繰り返しますから、今回はマーク式問題練習をする授業をご紹介致します。

マーク式問題練習の目標は大学入学共通テストです。ポイントは3つあります。速読、問題形式に慣れることと時間管理です。共通テストは第1問から第6問までで10個の様々な形式の問題があります。英語の総語数は約5,500語で、センター試験より1,000語以上増えました。試験時間はセンター試験と同じ80分です。80分で約5,500語の10問を解くことはかなりの作業であり、英文を速く読む必要があります。

速読については中3クラスで練習し始めます。高校入試で必要だからです。石川県の公立高校入試は全般的に難しく、英語も同様です。今年3月の平均点は46.1点で、3年連続で50点割れが続きました。難しさの大きな原因は英文量です。長い問題への対策として中3クラスの夏期講習から速読の練習を始めます。半年位練習して3月の入試を迎えます。高1クラスでは、この速読力を磨きます。様々な内容の比較的易しい英文の速読練習を積み重ねれば、だんだん英文の内容が頭の中で映像として浮かんでくるようになります。

高2クラスでは易しめのセンター試験の問題を選んで読解練習をしてきました。今年度は、来年1月末に共通テスト高2模試を受ける高校があるので、夏から共通テスト形式の問題練習を行っています。各大問の特徴があるので、問題形式に慣れることが目的です。80分の実戦練習も2回予定しています。80分という時間と問題量について経験します。

マーク式問題練習では80分の共通テスト形式の問題を4回に分けて行うので授業時間にかなり余裕があります。そこで、英作練習やリスニング練習に加えて文法・語法や発音・アクセントの問題練習も実施しています。センター試験で出題されていたこれらの問題は共通テストでは出題されなくなりましたが、将来のTOEIC受験や英語でのコミュニケーションを考慮して練習しています。

先週と今週でサミット・ゼミの高校英語クラスの授業を説明致しました。高校とは違って、2時間120分という長い時間枠を自由に使うことができます。このメリットを生かし、効果的に「読む」「書く」「聞く」の技能を鍛えています。


(2021年12月 2日) 【高校英語クラスの2時間】 [▲ 先頭へ]

先日、高校英語クラスについて問い合わせがありました。幾つかの質問の中に授業内容に関するものがありました。英語クラスの授業は2時間です。2時間もどんな英語の勉強をするのかをご父兄の方が疑問に思うのは当然だと思います。

高1、高2、高3の英語クラスで、英語の基礎作りから大学入試の実戦練習まで授業内容は異なります。今回は、大学入試2次試験の過去問を使った長文問題練習をする時の授業についてご紹介致します。以前は高2の夏頃から始めていた2次試験過去問練習は最近は高2の春から始めています。高2の7月に実施される進研模試の問題が結構難しいので過去問練習の開始時期を早めました。もちろん、問題の難度については十分配慮します。

授業は宿題形式の単語チェックから始まります。英語力は最終的には単語力なので、結構厳しくチェックします。(結果として生徒の皆さんに喜ばれます。) 単語チェックの時間は10-15分で、2次試験過去問練習に移ります。解答時間は大体30-40分です。生徒の皆さんが問題を解き終わると個別に丸付けをします。英文和訳の問題では英文をどれだけ理解しているかをしっかりチェックします。

解答の丸付けの後は、問題の全英文を和訳しながら解説します。関係代名詞、分詞構文、仮定法などは大切なポイントです。英文の意味が分かりにくい時は、行間に込められた筆者の意図を解説します。この時は現代文の授業をしているようです。全英文を解説する過程で設問に対する解答を説明します。設問に対する答え方は非常に大切なポイントです。英文と解答の解説が終わると全文訳のついた模範解答を渡し、問題文や設問に関する質問に答えます。

問題文全文を解説すると時間がかかりますが、生徒の皆さんにとって非常に良い勉強になるので丁寧に解説します。複雑な英文の和訳の問題では、その英文をホワイトボードに書いて文構造を説明します。2次試験過去問練習は生徒の皆さんの英文構造解析力を磨きます。英文の読み方、そして設問の答え方の練習は2次試験突破に直結する極めて重要なトレーニングです。

2次試験過去問練習を終わると、2時間の授業時間で残っている時間は20-30分ほどです。この時間で英作練習を行います。リスニング練習もしなければならないので、過去問練習の時間を短くする必要があります。英作練習そしてリスニング練習の時間確保と上述した過去問練習のバランスが難しいところです。以上のように非常に密度の濃い2時間なので、生徒の皆さんは時間が過ぎるのが速いと感じているはずです。


(2021年11月25日) 【久しぶりの上京】 [▲ 先頭へ]

先々週、2年ぶりに上京しました。大学のクラス会は毎年11月の第二金曜日と決まっています。(入試シーズンが始まる前で、友人たちが私に配慮してくれた日程です。) コロナ禍で昨年のクラス会は一年延期で、今年も大人数の会食は避けるために再度延期になりましたが、仲の良い友人に誘われて3人だけの超ミニクラス会をしました。クラス会を開いていないクラスもある中で、私のクラスは仲が良く、大学卒業後10年目に私が幹事になりクラス会を開いて以来、毎年開催しています。

大学の友人だけではなく何人かの日産自動車時代の同僚とも会いました。また、教え子5名とも会いました。その5名の中にはR君もいます。23年前に羽咋でサミット・ゼミを開校した時、中1だったR君とK君が直ぐに入塾してくれました。K君は今、当地で高校の先生になっています。R君は名古屋大学を卒業後システムエンジニアとして東京で働いています。

R君は地元愛が強く、石川を離れた後も羽咋の青年団の役員をしていました。将来的に石川に戻りたいという意思があります。今は15人のグループのリーダーとしてシステム開発を担っています。仕事柄テレワークが可能であり、会社ではコロナ禍の前からテレワークを模索していたそうです。石川に住んで仕事をし、時々東京で打ち合わせをするという仕事の仕方が十分可能とのことでした。彼の会社の金沢支店でポストが空くかどうかがポイントになりそうです。もし実現すれば、地元愛の強い人にとって理想的な働き方です。

余談ですが、R君とは19:30にJR品川駅で待ち合せました。しかし、仕事のため20:00にして欲しいというLINEが入りました。そのような場合は遅れた人が食事をおごるもの、と返信しました。90%冗談でしたが、少し贅沢した代金は全て彼が支払ってくれました。教え子におごってもらったのは23年間で初めての経験でした。社会で活躍する教え子にご馳走してもらって、嬉しいと同時に何か不思議な気持ちでした。

せっかくの上京だったので、東京の大学を志望している高2生に声をかけました。3つの大学をそれぞれの卒業生に案内してもらいました。2年前の11月に当時の高2クラス6名と大学見学をして以来の企画でした。気になっている大学を実際に見ることは非常に良い刺激になるので今後も続けるつもりです。久しぶりの上京は密度の濃い充実した旅行になりました。


(2021年11月18日) 【英語の共通テストに思うこと】 [▲ 先頭へ]

高2の皆さんが受ける共通テストの日程を調べるために大学入試センターのホームページを見た時に、来年や再来年の「出題教科・科目の問題作成の方針」もチェックしました。今年から始まった英語の共通テスト(リーディング)ではセンター試験にあった発音・アクセント、文法・語法・並び替え問題が出題されなくなりました。来年以降も同様かを確認するためでした。今年変わったばかりですから、来年以降も同様で、共通テストは全てが読解問題です。

「出題教科・科目の問題作成の方針」には「高等学校学習指導要領では,外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどの知識を,実際のコミュニケーションにおいて,目的や場面,状況などに応じて適切に活用できる技能を身に付けるようにすることを目標としていることを踏まえて,4技能のうち「読むこと」「聞くこと」の中でこれらの知識が活用できるかを評価する。したがって,発音,アクセント,語句整序などを単独で問う問題は作成しないこととする。」と記載されています。

何故、発音、アクセント、語句整序などを単独で問わないのかの説明になっていません。そもそも共通テストで発音・アクセントを出題しないのは英語の民間試験でスピーキング能力を測るから、文法・語法・語句整序を出題しないのは民間試験でライティング能力を測るからでした。しかし、英語の民間試験導入は2019年11月に見送りが決まりました。発音・アクセント、文法・語法問題を出題しない前提が崩れたのに、それらの問題は復活しないのです。

私はこのことは大問題だと考えています。発音・アクセントが出題されなければ、英単語の発音記号を意識する高校生はほとんどいなくなるかもしれません。文法・語法が出題されなければ、文法を真面目に学ぶ高校生はかなり少なくなると思われます。英語の4技能の中のスピーキング・ライティングが甘くなる危険性があります。将来的に日本人の英語でのコミュニケーション力を低下させる恐れがあります。

ゆとり教育が導入された後、国際的な学習到達度テスト(PISA)で日本の順位が下がり、日本人の学力低下が大きな問題になりました。将来的な展望を欠いた文部科学省の失策です。センター試験に替わる共通テストで発音や文法などが出題されなくなったことはどのような結果をもたらすのでしょうか。

因みに、サミット・ゼミの授業は共通テストに対応した内容に変えていますが、発音・アクセントや文法・語法の要素も盛り込んでいます。生徒の皆さんの将来のコミュニケーション力、英語資格試験を考慮しているからです。正しい発音・アクセントや文法・語法は円滑なコミュニケーションの基礎ですし、文法が甘ければTOEICでの高得点は望めません。


(2021年11月11日) 【高2後半で基礎作り】 [▲ 先頭へ]

中学・高校各クラスで「サミット通信」という案内を随時発行しています。その時々の連絡事項、参考情報、授業内容などをご父兄の方々にお知らせする通信です。毎年秋に高2クラスでお伝えする内容があり、今年も10/12付けで発行しました。

タイトルは「先手必勝」です。まだ高2の秋とはいえ、大学受験を意識する必要があることを伝えます。高3になってから受験勉強を始めても成績は大きく伸びるものではありません。高3になると皆が勉強を始めるので相対的な成績である偏差値が伸びないからです。特に、6月初旬の高校総体・総文以降は本気モードに入ります。石川県の高3生はゴールデンウィークに高3最初の模試を受けますが、その成績で大学入試の結果をかなり正確に予想することができます。

そのことを裏付けるデータを見つけました。先月27日の北國新聞に折り込まれた「リビングかなざわ」10/30号の広告です。河合塾マナビスの広告で、河合塾が行う全統共通テスト模試の成績を紹介したものです。神戸大学合格者と不合格者の成績推移が折れ線グラフで示されており、両者とも得点自体は伸びるものの、両者の得点差はスタート時の開きがそのまま1年間続いていました。私の感覚を端的に示すグラフでした。

その広告では「合格者・不合格者の成績推移データを見てみると、高3のスタート時の得点差はなかなか埋まりません。高3の最初の模試で目標をクリアするために、高2の秋から本格的な受験対策を始めましょう。」と記載されていました。10/12付けのサミット通信では、「今から春休みまでの6ヶ月間は成績を伸ばすために非常に重要です。」と述べましたが、河合塾の広告と全く同じ趣旨です。

受験勉強とは高校で学ぶ勉強の復習ですから、具体的な対策は、現在進んでいる高2の勉強を大切にすることと苦手な既習分野を復習することの2つになります。毎日の学校の勉強そして定期テストに真剣に取り組むことが基本で、時間の余裕がある土曜・日曜に苦手な既習分野を復習することが有効な勉強法です。先ずは、近づいている2学期期末テストの勉強で手抜きをしないことが重要です。期末テストの頃には先月末に受けた進研模試の結果が返却されます。初めて理科・社会の科目が入った模試でした。模試結果を分析して自分の弱点分野を確認すれば効果的な復習ができるでしょう。


(2021年11月 4日) 【初めての共通テスト80分練習】 [▲ 先頭へ]

高校各クラスは一年間の大まかな授業計画が決まっています。その流れの中で、定期テストや模試に合わせて授業内容を微修正します。しかし、今年度の高2英語クラスは少し違っています。本年8/12付け本欄で述べた通り、来年1月に高2生向けの共通テスト模試を受ける高校があるので授業計画を大幅に見直しました。今は見直した計画に基づいて進行しています。

英語の共通テスト(マーク式)は第1問から第6問まであり試験時間は80分です。来年1月末の模試を受けるまでに全6問80分練習を2回実施できるように計画を立てました。80分練習の前は第1問から第6問までの6問を4回に分けて問題練習します。各問題の形式に慣れた上で80分練習をして、80分という試験時間を経験します。この流れを2回転しますから、高2の皆さんは問題形式と試験時間に慣れてくれると期待しています。

共通テスト形式の問題練習に関しては、今年1月16日に実施された本番の問題を春までに少しずつ解きました。その後は上述の計画に基づいて、8月末から共通テスト模試の問題を4回に分けて解いてきました。そして、初めての80分練習は今週火曜日でした。この80分練習に備えて、先週火曜日に、昨年度の高3英語クラス用に作成した共通テスト対策のプリントを説明しました。

4人の生徒さんの出来具合はそれぞれでしたが、共通の感想は「時間が足りない」でした。予想通りの感想でした。センター試験でもかなりの英文量でしたが、共通テストではさらに量が増えました。中3の時から速読を練習してきましたから結構速く読めるはずですが、それでも時間が足らないということでした。後半の難しい問題に出てくる単語が難しかったという人もいました。

初めての80分練習でしたから、練習を始める前に、失敗しても良いと話しました。目的は80分で大量の読解問題を解くことを経験することでした。初めての経験ですから上手くいかなくて当然です。経験することが重要です。実際に経験することから学んだことがあったはずで、速読を磨くことや単語力をつけることの必要性を感じたことでしょう。集中力を入れ直すタイミングも大切なポイントです。彼らが受ける共通テストは2023年1月14日・15日と既に決まっています。その大きな目標に向けて、先ずは来年1月の共通テスト模試を目標に進みます。

高校英語クラスでの読解練習は原則としてマーク式と記述式を毎週交互に繰り返します。上述した共通テスト練習は隔週で、記述式の長文問題練習と並行して行っていきます。長文問題は今は2次試験過去問を使っています。丁度先週末は進研模試(記述式)がありました。次の進研模試は来年1月で、その後に共通テスト模試が予定されています。今年度の高2英語クラスは、記述式とマーク式の2つの模試を中期的な目標として戦略的に進んでいます。


(2021年10月28日) 【中3担任の先生】 [▲ 先頭へ]

今週火曜日(10/26)、中3時の担任の先生に電話をかけました。先々週の本欄でご紹介した言葉を贈って下さった今田先生です。その日は先生の82歳の誕生日で、予想通り驚いて下さいました。私は、父の転勤で小学校3つ、中学と高校は2つずつに通いました。中3から高2までは北海道の釧路にいました。年賀状はずっと交換していて、数年前に高校のクラス会で札幌に行った時に、中学卒業後初めてお会いしました。その後一度電話で話したことがあります。

考えてみると、私の中3時代と言えば何と50年前です。(若いふりをしていますが、後期オジサンから高齢者の仲間入りをしています。本当に高齢者の定義を変えて欲しいです!) 半世紀もの前のことを先生は結構覚えていらっしゃって話が弾み、小一時間話しました。学習塾を23年間続けていることを褒めて下さり嬉しかったです。

本欄で何回か述べた通り、サミット・ゼミを運営するに際して目標としているのが今田先生です。生徒と気軽に話すだけではなく、授業が本当に楽しかったです。社会の先生で、テストの問題には、生徒のあだ名が使われました。(私のあだ名はマリモで、テストの問題文にはマリモ運輸という会社が登場しました。) 涙を流しながら私たちを叱ってくれたこともありました。

約50年間、中高生や予備校生に教えてきた先生は正にプロ中のプロです。生徒の才能の伸ばし方について参考になる話が聞けました。しかし、一つだけ納得できない点がありました。先生と私の経験の違いからくるものだと思います。コロナ禍が落ち着いたら高校のクラス会が札幌で開かれる予定なので、札幌に行った際、その点について先生と話したいと思っています。


(2021年10月21日) 【スリッパの定理】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄では、私の心の奥底に残っている担任の先生の言葉をご紹介しました。音楽が趣味になるよう導いてくれた素晴らしい言葉です。今週はその真逆で、反面教師にするべき事例です。

2〜3年前の中3クラスで、模試を受ける前の週の授業で過去問練習をした時です。数学の過去問に三角形の合同を証明する問題が入っていました。ある成績優秀な生徒さんが、証明を進める過程で「スリッパの定理」という言葉を使いました。採点していて、「何だ、これは?」とビックリしました。数学にはそのような名称の定理はありません。

その生徒さんに聞くと、平然として「学校で習いました」とのこと。意図したのは、三角形の外角はそれと隣り合わない2つの内角の和に等しい、という定理でした。多角形の角度を求める時によく使う定理で、三角形の合同をとてもスマートに証明できる場合がある裏技的な定理です。

三角形の三つの角をA, B, Cとすると、∠A+∠B=∠Cの外角であり、その定理を図示すれば(外角を示す線を長くすると)、スリッパのような形に見えます。先生は、生徒達が理解し易いようにスリッパの定理と説明したのでしょう。しかし、私の生徒さんは純朴で、それが正式な名称だと思い込んでしまい、実際の証明問題で使ったのです。

数学的には「外角定理」と言われます。インターネットで調べてみると、三角形と外角の形から「スリッパの法則」と呼ばれることもあるそうです。(和式便器の法則とも呼ばれるそうです!) ただし、数学の証明の問題で使える正式な用語ではありません。授業で使う言葉には注意しなければならないと考えさせられるケースです。


(2021年10月14日) 【先生の言葉】 [▲ 先頭へ]

先週の土曜日(10/9)に久しぶりにコンサートへ行ってきました。新聞に折り込まれたコンサートのチラシに好きな曲が入っていたからです。モーツァルトのピアノ協奏曲23番は思い出の曲です。私は大学に入ってからクラシックを聴き始めました。ピアノを弾ける友人に聞いて初めて買ったレコードがベートーヴェン交響曲6番「田園」で、その後直ぐに買ったレコードが土曜日の曲です。

土曜日のコンサートはNHK音楽祭2021で、全国5都市公演の最初が金沢でした。演奏はもちろんオーケストラ・アンサンブル金沢でした。NHKが音楽祭を行う東京・大阪を含む全国5都市に金沢が含まれるのは凄いと思います。そして地方都市にフルオーケストラがあることは本当に素晴らしいです。金沢が持っている魅力を改めて感じました。

大学に入るまでは音楽には全く興味がありませんでした。しかし、中学校の卒業記念誌に掲載された中3時の担任の先生の言葉が心に残っていました。「できるだけたくさんの本を読み、できるだけたくさんの絵をながめ、できるだけたくさんの音楽をきいて下さい。」という言葉です。この言葉が卒業記念誌に載っていなければ、友人にクラシック入門にふさわしい曲を尋ねることはなかったでしょう。

多感な中高生時代に出会った言葉をずっと忘れないことは誰にでもあるのではないでしょうか。私はできるだけ本を読み、絵を鑑賞し、音楽を聴くようにしています。先生の言葉のおかげで人生が豊かになったような気がします。私も生徒の皆さんの心に残るような言葉を言ったり、行動をしたりできれば良いなと考えています。

なお、上述の担任の先生、今田勇次先生は、私がゼミを運営する際のお手本としている先生です。生徒のことを思ってくれ、生徒と話をする機会をたくさん作って下さいました。高校受験生であるにもかかわらず日曜日に友人たちと先生のご自宅に何回かおしかけました。大晦日の紅白歌合戦が終わってから先生の家に集合し、先生と一緒に初詣にも行きました。(何と、今田先生と行く初詣というイベントは後輩に引き継がれたそうです。)


(2021年10月 7日) 【国語の勉強法の資料】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日の中3クラスで新しいオリジナル資料を配りました。本年7月22日の本欄で述べた国語の勉強法に関する資料です。資料作りを忘れないように、教室にあるデスクトップパソコンの脚の部分に「中学生用の国語資料作り」と書いたポストイットを貼っていました。パソコンに向かう時には必ず目に入るのでプレッシャーを感じていましたが、ようやく作成してホッとしています。

高校生向けには「現代文の読み方」という資料を既に作成しています。また、中3生の夏期講習・冬期講習では国語の授業をして論説文や小説の読み方を説明しています。さらに、「中学生の勉強法」という参考書を読み直しました。新しい資料はそれらをまとめたものです。資料を作っている時には、これを入れれば分かりやすいという新しいアイデアも浮かび満足できる資料になりました。

資料の最後にテストの復習について書きました。国語の勉強においてテストの復習は非常に重要だと思います。正答できなかった設問について何故×、△になったのかを考えます。×の場合は答えの素材の選び方が間違っていて、△の場合は素材の選び方は良かったものの答え方が良くなかったということです。これらをトコトン納得できるまで復習すれば問題文の読み方、設問の答え方の精度が上がります。

7/22付け本欄では「よく切れる一丁のナイフ」という言葉を紹介しました。どんな現代文の問題でも読み解けるナイフです。テストの復習をすることは、このナイフの切れ味を鋭くすることです。中3生は一か月後に統一テストという大きなテストを控えています。中3クラスの皆さんはよく切れるナイフで統一テストの国語の問題を上手に料理できるでしょうか。


(2021年 9月30日) 【新しい英語の教科書】 [▲ 先頭へ]

今週、金沢市内の中学では二学期中間テストが実施されています。中間テストを前に中3クラスの皆さんにゼミオリジナル資料を配布しました。今年新しくなった英語の教科書に出てくる基本文を含む重要な文を解説した資料で、本年6月10日付け本欄でご紹介しました。抜群の効果があると自負している資料です。夏期講習が終わって時間と気持ちに余裕ができたので、予定より早く改訂作業を完了させました。

改訂作業を終えて思うことがあります。本年5月6日の本欄で述べた仮定法についてです。何故中学で学ばなければならないのかと改めて疑問に思いました。昨年度までの教科書の最後は関係代名詞でした。関係代名詞は英文構造が複雑になるので理解しづらいです。新しい教科書ではその難しい関係代名詞の後で仮定法を学びます。高校生にとっても難しい仮定法を中学で学ぶ理由が分かりません。

金沢市内の中学が使うNEW HORIZON 3 の基本文の1つは ”If I were you, I would ask my friends for help.” 「もし私があなただったら、友達に助けを頼むだろう。」です。仮定法は現在の事実の反対を仮定する表現で、If 〜 の中の動詞は過去形にして、主文では助動詞の過去形+動詞の原形にするという説明を中3生は理解してくれるでしょうか。現在のことなのに過去形を使い、主文では助動詞の過去形を使うという非常に複雑な形式です。

中学の教科書が変わったのは2017年に改訂された学習指導要領が今年度から実施されたためです。新しい学習指導要領では英語教育がかなり強化されています。中学で学ぶ英単語の数が従来の1,200語程度から1,600〜1,800語程度と大幅に増えたことが、英語教育の強化を表しています。なお、新しい教科書には仮定法以外では、現在完了進行形(I have been reading a book since 10 a.m.)と原形不定詞(toのない不定詞、Let me give you one example.)が増えました。

国際化の一層の進展に伴って英語教育を強化することに反対する理由はありません。しかし、生徒の理解度という観点から考えるとき、中3で仮定法を学ばせる必然性があるのだろうかと疑問に思います。英語が苦手な高校生は関係代名詞を理解していません。中学校で学ぶ文法、しかも難しい文法を増やすよりも、学ぶべき文法の習得度合いを大きくすることの方が大切だと思います。新しい学習指導要領が目指す英語教育は前のめりになっているような気がします。


(2021年 9月23日) 【学力を伸ばす基本条件】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄では、ある新聞チラシを取り上げて学問の基本について述べました。今回は各科目ごとに私なりの意見を具体的に述べてみます。サミット・ゼミでは中2から高3までのクラスがあります。中2クラスを進める際に感じている基本的な力についてです。一緒に勉強して学力を伸ばす前提としての力です。小学生、中1生のご父兄の方の参考になれば幸いです。

英語はbe動詞と一般動詞の区別が非常に大切です。中2からは未来形、助動詞、接続詞などを順番に学んでいきますが、be動詞と一般動詞の区別がついていることが大前提です。しかし、He isn’t play tennis. のような文を書いてしまう生徒が少なからずいます。この区別は正に親ガメです。小学英語が苦手でも、中学校で文法をしっかり勉強すれば英語は得意科目になります!

数学では計算力と思考力が必要です。速く正確に計算する力は数学の基本です。大学入試共通テストで要求される絶対的な計算力は小さいときからの訓練で身に付きます。「公文式」のように計算練習を数多く繰り返すことによってミスなく速く計算できるようになります。公文式に通わなくても、計算練習のプリントをたくさんこなせば大丈夫です。中2で学ぶ連立方程式応用問題、1次関数、証明では考える力が要求されます。小学校、中1で文章問題などの難問をじっくり考える習慣がついていなければ、これらの分野は克服できません。深く考える力は高校で数学が伸びる基本条件と言えます。

国語の読解力は全ての教科に影響する基本的な学力です。筆者が伝えたい内容を理解する力です。読書をすれば読解力を鍛えることができますが、本を読んでも筆者の意図を理解しようとしなければ効果は薄まります。自分の感情を交えずreading machineになります。ここでも考える力が必要だと思います。なお、国語の読解力が弱ければ、将来的に英語の大学入試に影響を及ぼします。2次試験の長文問題を解くには読解力が不可欠です。

小学校では上述した国語の読解力、算数の計算力と考える力に注意して欲しいです。「読み・書き・ソロバン」の「読み」と「ソロバン」です。「書き」に関しては小学校でも中学校でも作文練習がほとんど行われていないのが残念です。大学入試改革で言われている「表現力」につながるからです。国語の公立高校入試では200字の作文が出題されるのでゼミでは作文練習をしています。練習を重ねれば表現力はつくものです。英語に関しては中学に入って文法を固めていけば問題ありません。先週の新聞チラシのようなことはありません。

勉強だけのことを述べてきましたが、よく学びよく遊べ、と言われます。バランスのとれた人間になるために勉強以外のことにも頑張って欲しいと思います。せっかく自然豊かな環境の中に住んでいるので、山、川や海で家族や友人と遊んで欲しいと思います。


(2021年 9月16日) 【誇大広告】 [▲ 先頭へ]

「お母さん、ご存じですか? 小学校の英語が、中学校の英語の成績を決める ということを!」これは昨日の北國新聞に折り込まれたある学習塾のチラシのキャッチコピーです。このような広告が入ると不安感を掻き立てられるご父兄がいらっしゃるかもしれません。商業主義に走った悪質な虚偽広告、誇大広告だと思います。何を根拠にそのような誤った表現を使うのでしょうか。

中学英語の成績が小学英語によって決まることは絶対にありません。中学校に入り、各学年の勉強をキチンとすれば問題ありません。これは23年間の学習塾経験から断言できます。小学校で英語を学ぶことを否定するわけではありませんが、英語の前にやるべき本当に重要なことがあります。高校入試、大学入試に影響してくる基本です。子ガメ、孫ガメを支える土台となる親ガメです。

学問の基本は「読み、書き、ソロバン」です。「読み」は国語の読解力です。読解力は全ての教科のベースです。また読解力がなければ将来的に英語が分からなくなります。「書き」は作文です。様々な科目の解答の仕方に影響します。「ソロバン」は算数です。計算力や思考力を鍛えておかなければ中学数学は伸びません。これらは大学入試改革で必要とされている思考力・判断力・表現力に直結します。

「お母さん、本当に大切なことを忘れないで下さい。学問の基本は読み・書き・ソロバンです。英語はあらせなくても良いですよ。」


(2021年 9月 9日) 【スティーブ・ジョブズの言葉】 [▲ 先頭へ]

“Live your own life. Don’t live someone else’s. Listen to your own inner voice. Have courage and follow your heart.” 「あなた自身の人生を生きなさい。誰か他の人の人生ではない。あなた自身の内なる声を聴きなさい。勇気を持ってあなたの心に従いなさい。」

これはアップル創業者の一人であるスティーブ・ジョブズが、アメリカのスタンフォード大学の卒業生に送ったアドバイスです。英語のオリジナル資料(本年6月10日付け本欄参照)を作成している時にこの素晴らしい言葉に出会いました。今年度から使われているNew Horizon 3の教科書の最後にジョブズのスピーチの要約が掲載されています。以前、高校の教科書でもこのスピーチを見かけたことがあります。

この言葉の前の部分に、ジョブズが癌と診断され、時間の大切さを感じたことが書かれていました。”If today were the last day of my life, would I want to do the things I am planning to do today?”「もし今日が私の人生の最後の日であれば、私は今日予定している事をしたいと思うだろうか。」自分の命が危うくなった時に心から湧き上がる言葉だと思います。魂を込められた重い言葉です。

実は私も同じような言葉を中高生の皆さんに話すことがあります。テストや模試結果に対する面談の時です。やればできるはずなのに努力しないで成績が伸びない人に対しては、「誰の人生を生きているのですか。」と問わずにはいられません。私もジョブズと同じように大病を経験しているからかもしれません。自分の内なる声を聴き、自分自身の人生を生きていくように生徒の皆さんを導いていきたいと思います。


(2021年 9月 2日) 【夏期講習アンケート】 [▲ 先頭へ]

中3クラスの夏期講習は先週の金曜日(8/27)に無事終了しました。すぐ後の日曜日(8/29)には石川県総合模試がありました。夏期講習での勉強の成果が模試や学校の実力テストでどのように表れるか気になるところです。

ところで、夏期講習終盤に入った頃、あるアイデアが頭に浮かびました。夏期講習に関するアンケートです。サミット・ゼミは来月で23周年を迎えますが、今まで夏期講習について中3の皆さんの意見を聞いたことはありませんでした。特に問題もなく毎年実施してきましたから、何故そのアイデアが突然浮かんだのかはよく分かりません。

考えてみれば、夏休み中に14回、毎回3時間で5教科の1、2年範囲を復習する夏期講習について、本当にその内容で良いのかを検討したことはありませんでした。上述の通り特段の問題を感じてこなかったのが理由ですが、これは私の一方的な考えでした。受講した皆さんの意見を聞いていれば、より効果的な内容に進化させることができたかもしれません。

夏期講習の回数、時間、内容に関する質問をA4用紙1枚にまとめて、夏期講習最終日にアンケートのお願いをしました。特に、5教科の講習内容について生徒の皆さんがどのような意見を書いてくれるか興味深いです。今回のアンケート結果は来年の夏期講習に生かします。


(2021年 8月26日) 【模試結果面談】 [▲ 先頭へ]

高1、高2の皆さんが先月上旬に受けた進研模試の結果が返却され始めました。今週月曜日(8/23)に模試結果が戻ったら連絡するように一斉LINEしました。模試結果に基づいて個別に面談する予定です。授業とは別に時間を取って一人30分ほど話します。生徒の皆さん一人一人とじっくりと対話できる大切な機会です。

一斉LINEに対して返信があった生徒さんと面談の時間を調整します。その際、自分の課題とその対策について考えてくるように指示しています。課題と対策について自分なりに考えてくれば、面談をより効率的に進めることができます。私からの一方的な助言ではなく、生徒の皆さんの考えに対して助言すれば対話が進みます。

面談では先ず志望校を確認します。高3の受験生でなくても目標の大学を意識することは非常に重要です。現時点での成績を基準にして大学を決める必要はありません。入りたい大学を決めることが勉強に対する情熱を引き出します。判定が悪くても本当に入りたければ頑張れば良いのです。志望校の次に各科目の成績について話し合います。苦手科目をどのように克服するかは大切なポイントです。

今月5日の本欄は「心に火をつける」でした。面談での対話を通して生徒の皆さんの心に火をつけたいと思っています。心の火は勉強に対するモチベーションだけではなく、自分の人生に対する積極的な姿勢につながります。生徒の皆さんが「さぁ、頑張ろう!」と思ってくれるような面談ができるよう配慮、努力、工夫するつもりです。


(2021年 8月19日) 【高2数学クラス開講】 [▲ 先頭へ]

高2数学クラスが7月末に開講しました。サミット・ゼミの高校数学クラスは原則として高2の3月開講ですが、時間的に余裕のある年は高2の秋から始めます。今年度は9月に開講する予定でしたが、早期開講の希望があり予定を早めました。10月末に進研模試があるので、結果的に良いタイミングになりました。夏休み中の生徒の皆さんに数学の具体的な勉強法を指示することもできています。

高2数学クラスでは数TAの復習をします。センター試験や共通テスト形式の問題を使った復習です。この問題を使うと数TAの全ての分野を効率的にカバーすることができます。60分または70分で問題を解き、一人一人のその日の課題を指示します。他の問題は一切気にせずに、課題になった問題の分野を徹底的にマスターするやり方です。こうすることにより苦手な分野を一つずつ克服していくことができます。これまでの経験から、この方法はとても効果的だと考えています。

高校数学クラスを開講した時にいつも感じることがあります。一つは数学の各分野を忘れている場合が多いことです。学校で勉強してから時間が経過しているので、これは当然と言えます。解法のポイントを思い出して忘れないようにすればOKです。もう一つは教科書の内容を理解していないことです。1年生の時の勉強の甘さが原因で、教科書または問題の模範解答を使ってしっかり復習します。学校の授業や定期テストの時に教科書の内容を理解することは当然のことですが、この当然のことができていないケースがよくあります。

先週の本欄で、ある高校では来年の1月に共通テスト形式の高2模試が予定されていると述べました。先月末の開講から半年後の模試になります。これだけの期間があれば、数TAの苦手分野がかなり減るはずです。また今後は数UB範囲の問題練習も少しずつ実施していく予定です。然るべき準備をした上で共通テスト模試を迎えることができます。


(2021年 8月12日) 【共通テスト高2模試】 [▲ 先頭へ]

毎年6月から7月にかけて大学入試用の問題集が発売されます。2月の各大学の2次試験問題を掲載した問題集、そして、大手予備校が前年度に実施した共通テスト形式の模試の問題を掲載した実戦問題集です。今年も発売後すぐに英語と数学の問題集を入手しました。共通テスト形式の問題はしばらく解いていなかったので、問題の感覚を取り戻すために英語リーディングと数TA、数UBの問題を解いてみました。

英語のリーディングでは、センター試験で出題されていた発音・アクセント、文法・語法・語句整序問題がなくなり読解問題だけになりました。今年1月の共通テストでは、携帯メールのやりとり、ウェブサイト上のホテル情報に関するQ&A、甘味料に関する論説文などの問題が出題されました。第1問から第6問までで総語数は約5,500語になり、センター試験より1,000語以上増えました。時間はセンター試験と同じ80分です。80分間、大量の英文を読み続けなければならないので集中力の持続が大変です。

今年度は高3クラスの設定がありません。そのため大学入試に対する緊張感が若干緩んでいます。共通テスト形式の問題を解いたのは、自分の気持ちを引き締める意味もありました。ところで、石川県の高校では毎年6月の高校総体・総文の直後に共通テスト形式のマーク式模試があります。高2クラスの皆さんが受ける初めての共通テスト模試は来年6月だろうと思っていたのですが、来年1月に高2生向けの共通テスト形式のマーク式模試を受ける高校があることが分かりました。

準備期間が来年6月まで約10ヶ月あると思っていたのが半分になりました。一気に緊張感が高まりました。来年1月に余裕を持って共通テスト模試を受けられるよう、高2英語クラスの授業計画を考えています。丁度1年前に初めての共通テストに向けて高3クラスの授業計画を検討しましたが、その経験が生きます。ポイントは3つあります。問題形式に慣れること、80分の時間配分そして単語力アップです。直ぐに実行に移します。


(2021年 8月 5日) 【心に火をつける】 [▲ 先頭へ]

今週日曜日(8/1)、日経新聞のコラム「春秋」で引用されていた格言に目が留まりました。「凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして、偉大な教師は心に火をつける」という格言です。調べてみると、アメリカの教育者・著述家のウィリアム・アーサー・ウォードの言葉でした。ウィキペディア英語版では’American motivational writer’と紹介されていました。動機づけの格言・名言を数多く残した作家とのことでした。

金沢情報6/23号の学習塾特集に生徒募集の広告を掲載しました。その広告のキャッチコピー欄「ここがスゴイ?」では「元国際ビジネスマンの塾長が「やる気」を引き出す」と書きました。ご父兄の方々と話をしていると、多くの方が、うちの子には欲がない、と言われます。そんなに頑張らなくても十分食べていけると子供たちが思うような豊かな時代になったからだと思います。子供たちのやる気を引き出すことは容易ではありません。

私は松下村塾のような塾を目指しています。志を持った若者を育てたいと思っています。吉田松陰は孟子、山鹿流兵法、地理学などを教えました。特に世界史に力を入れて、自分自身が遊学中に得た知識を基に講義をしたそうです。私が学校の先生と違っている点はビジネス経験です。日産自動車の海外法務・海外営業などの経験を話すことで学校の勉強の大切さを説くことができるのではないかと思っています。

坂本龍馬は、敵方である幕臣の勝海舟に会いに行きました。斬りに行ったとも言われています。勝海舟は世界情勢や海軍の必要性について話し、龍馬の目を開かせました。勝海舟や吉田松陰は若者の目を開かせ、志を持たせました。若者の心に火をつけたと言えます。彼らは私の目標です。なお、松陰は一方的に教えるのではなく、弟子たちと意見を交わしたり登山や水泳も行ったりしたそうです。

子供たちの心に火をつけるためには、モチベーションにつながる知識や情報の提供、そして松陰が行ったような対話が必要だと思います。英語や数学をどこよりも分かり易く教えることは当然のこととして、生徒の皆さんのやる気を引き出したいです。これまでの経験から対話が大切なポイントであると考えています。


(2021年 7月29日) 【英語の授業方針】 [▲ 先頭へ]

2週連続で国語の重要性について述べました。前々回では英語の優先度がかなり落ちるようなニュアンスになってしまいました。英語が「売り」のサミット・ゼミとしてはリカバリーショットを打たなければなりません。グローバル化がますます進む今日において、英語は不可欠な素養です。社会に出て英語ができなければ人事にも影響する恐れがあります。また、現実的に言えば、英語が得意であれば入試に強いです。今回は、私の英語にまつわる経験、そしてどのような考え方で英語の授業を行なっているかを述べてみます。

大学卒業後、日産自動車の海外法務や海外営業、外国車輸入元で仕事をしていた時、海外の弁護士や取引先との契約交渉、セールス・ミーティングや事務連絡は英語でした。初めての海外出張は27歳の時で、自動車工場設立のための合弁契約を地元弁護士にチェックしてもらうためにアフリカのナイジェリアへ行きました。その時のイギリス人弁護士との英語でのやり取りはたどたどしいものでしたが、だんだん慣れていき、必要があれば英語でケンカができるほどになりました。(紳士なのでケンカはしたことはありません!)

振り返って考えると、私の場合、大学浪人して本当に良かったと思っています。現役時代の英語は安定せず英作は大の苦手でした。しかし、河合塾で一年間勉強して英語を克服することができました。苦労することなく英語を使ったビジネスをできたのは、浪人時代の勉強のおかげです。また、今、中高生の皆さんに英語を教えることができるのは、浪人時代の勉強が基礎になっています。

英語は海外の人たちと話したりビジネスをしたりする時の言葉、すなわちツールです。大切なことは自分の意図が伝わることであり、どのような表現であっても構いません。しかし、意図が伝われば良いからと言って、英語の勉強をイイカゲンにして良いわけではありません。英語をツールとして自由に使いこなすためには然るべきレベルに達する必要があります。

英語で話し合う時は文法のミスを気にする必要はありません。意図が伝われば良いのです。しかし、文章を書くときはスペルミス、文法ミスには注意しなければなりません。日産の海外法務時代、英文の契約書を書いて課長にチェックしてもらった時、ミス3か所が出た時点で書き直しを命じられました。契約書だけではなく一般のビジネスレターでも文法ミスをすれば、知的レベルを疑われ、取引先からの信頼に悪影響を及ぼす可能性があります。

研究開発では英語の論文を読んだり書いたりしなければなりません。多くの海外ビジネスは英語で行われています。社会に出る前の英語の勉強が重要であり、大学入試が大きな目標になります。単に入試を突破するために勉強するのではなく、大学入試時点において社会で使いこなせるような英語力を身につけるということです。大学に入ると、外国語大学以外の大学では英語力を強化するような講義はありませんから、入試時点で然るべきレベルに達していなければなりません。

社会で通用する英語力を自分のものにすることができれば必然的に大学入試を突破することができます。河合塾でしっかり勉強して良かったと私が思っているように、生徒の皆さんにはサミット・ゼミに通って良かったと思ってもらいたいです。河合塾で英語がわかるようになった経験、社会人で英語を使った経験、そしてゼミで23年間英語を教えてきた経験を基にして工夫しながら授業を進めています。なお、英会話ができると海外旅行の楽しさは倍増します。旅行先の一般の人たちとの会話は本当に楽しいものです。


(2021年 7月22日) 【国語の対策】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄「一に国語、二に国語」を書いていて、日本語の読解力の大切さを説いているのにゼミで国語の授業をしないのは自己矛盾ではないだろうかと考えました。高校クラスの授業は英語と数学で、中学クラスは英語、数学と国語の200字作文練習です。国語の読解練習は中3クラスの夏期講習と冬期講習で実施しているだけです。

中学生の皆さんには、中3クラスの上記講習時以外では、各テスト後の個人面談の時に国語の勉強の仕方を伝えています。口頭の説明だけでは少し弱かったという反省がありますので、勉強の仕方をプリントにまとめようと思っています。

高校生の皆さんには「現代文の読み方」というプリントを配っています。このプリントについては2019年9月26日付け本欄「新釈 現代文」でご紹介しました。私の学生時代のベストセラーで、2009年に復刊された参考書の要点をまとめたものです。1986年に絶版になりましたが、このベストセラーの参考書「新釈 現代文」で現代国語がわかるようになった世代が親になり、子供たちにも読んでもらいたいという声が広まって復刊されました。

著者である成城大学名誉教授の高田瑞穂先生は面白い表現を使っています。何百ページもある参考書を読むよりも、現代文の読み方である「たった一つのこと」を本当に理解することが現代文克服への一番の近道であると述べています。どんな問題でも読み解ける「よく切れる一丁のナイフ」と表現されています。上述の「現代文の読み方」のプリントでは、この「たった一つのこと」を説明しています。

高校生の皆さんには、そのプリントを参考にして学校の授業や自宅学習で読解力を磨き、ナイフの切れ味を鋭くして欲しいと話しています。全国模試結果が戻ってきた時の個人面談では、そのプリントに基づく勉強法を確認しています。

中高生の皆さんに対して、ゼミでの国語の通常授業はないものの、それなりにサポートはしています。問題はそれで十分であるかということです。やはりサポートが弱いという反省があります。各テストや全国模試の成績をしっかり見て、必要であれば高校入試模試やセンター試験・共通テストの問題を使った国語の授業を英語の授業内に行うことが一つの解決策と考えています。


(2021年 7月15日) 【一に国語、二に国語】 [▲ 先頭へ]

1ヶ月ほど前に新聞広告で見た本を買いました。今週日曜日(7/11)にも広告されていました。ベストセラーになっているその本は「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)です。日曜日の広告のキャッチコピーは「日本人の心を熱く燃やす一流プロたちの生きざま」でした。企業経営者、教育者、スポーツ選手など様々な人365人の言葉が紹介されています。

8月14日のページのタイトルは「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」です。お茶の水女子大学名誉教授の藤原正彦さんの言葉が掲載されています。藤原先生は数学者でエッセイストでもあります。最初の段落をご紹介します。

「まずは母国語である国語を、強制的でも画一的でもしっかり叩き込むこと。漢字を覚えさせることです。小学校の英語、パソコン教育は直ちにやめないといけませんね。小学校から英語なんてやっていたら、日本から真の国際人がいなくなります。国家的損失です。」

全く同感です。昨今は英語教育の大切さが叫ばれています。国際化が進む世の中において英語の重要性は言うまでもありません。子供の英語力を数多くのご父兄が心配されています。その気持ちは理解できますが、英語の前の前提として国語と数学にもっと注意すべきだと思います。

藤原先生のページは「寺子屋の先生たちの偉さは、教育にとって最も大事な三つを読み、書き、算盤(計算)と順序立てて捉えていた点ですね。いまの世界の教育学者たちが見失っていたものを、寺子屋の先生たちは見抜いていたわけです。」という段落で締められています。

学習塾を始めて「読み、書き、ソロバン」の重要性を痛感しています。これが全ての基本です。勉強の様々な要素を支える親ガメです。英語はアメリカやイギリスの国語ですから、母国語である日本語の「読み」が危うければ英語は分かりません。国語の読解力がなければ大学入試の長文読解問題は解けません。中3クラスは丁度夏期講習が始まります。普段はやらない国語の授業もありますから、「読み」を徹底するつもりです。


(2021年 7月 8日) 【全国模試】 [▲ 先頭へ]

今週土曜日(7/10)に多くの高校で進研模試が予定されています。1年から3年までの全学年が受験します。高1の皆さんにとっては高校に入って初めて受ける全国模試です。高1クラスの中には受験を前に緊張している生徒さんもいます。進研模試は、彼らが中3の時に受けていた模試より2桁多い約30万人が受験します。

進学校に入学した皆さんは一般的に学年順位を気にします。中学の時にかなりの上位にいたとしても、進学校にはそのような人が集まるので、自分でも驚くような低い順位になることもあります。厳しい環境の中での順位ですから気にする気持ちはよく分かります。しかし、学年順位を気にしても漠然とした不安に駆られるだけです。

私は全国レベルでの自分のポジションを意識するように話しています。それは全国模試における偏差値です。全国模試の成績でどの大学に合格できるかを大体判断することができるからです。例えば金沢大学であれば、学部(学類)によって差はありますが、進研模試では偏差値63-65が目安になります。志望する大学に合格できる水準である全国偏差値を意識して勉強すれば、結果として然るべき学年順位になるものです。このように考えれば、学年順位を気にしていた時の不安はなくなり、全国偏差値という具体的な目標ができます。

全国模試結果が戻った時に各生徒さんと個別に面談しています。以前は各クラスの授業中に一人10分程度面談していましたが、数年前からは授業時間とは別に一人30分ほど時間を取ります。勉強の課題と対策、進路、各種悩み等を話せばそれ位の時間がかかります。この面談では、一方通行の話ではなく生徒さんと話し合う対話を心掛けています。

全国模試結果は一か月後位に戻ります。土曜日の模試結果は八月のお盆の頃に戻るはずです。ただし、夏休み中なので実際の返却は八月末になるでしょう。模試結果で自分の課題、弱点が分かりますから、本当は夏休み前に結果が戻って、その結果を夏休みの勉強に生かせれば良いのですが、日程的に不可能です。毎年同じように感じます。


(2021年 7月 1日) 【思考力・表現力の磨き方】 [▲ 先頭へ]

先週の水曜日(6/23)の新聞各紙に、記述式問題と英語民間試験の大学入学共通テストへの導入は「実現は困難」という記事がありました。文部科学省の有識者会議が前日に提言した内容を報道するものでした。丁度その頃、中3クラスの期末テスト対策の授業でB君と話したことがあります。数学の試験範囲に出てくる証明の問題についてでした。2つの続いた奇数の大きい数の平方から小さい数の平方を引いた数は8の倍数になることを証明するような問題です。B君によれば、そのような証明問題を苦手にする人が非常に多いとのことでした。B君との話から大学入試改革のことが頭に浮かびました。

上述のような証明問題を解くには思考力と表現力が必要です。これらは正に昨今の大学入試改革が求めている力です。国際化が進展し、ますます複雑化する社会においては単なる知識ではなく思考力・判断力・表現力が求められるということで大学入試改革の内容になりました。多様な課題に対応できる人材育成を目指そうとしています。

しかし、今の学習内容においては思考力や表現力が鍛えられないということは全くありません。上述のB君と話した証明問題をしっかり解く過程で思考力、表現力は磨かれます。中学生の数学で言えば、方程式応用問題、1次関数・2次関数、合同・相似の証明などの問題ではしっかり考えなければ解くことはできません。証明問題を苦手にする人が非常に多いという点が大きな問題であると思います。思考力や表現力を鍛える素材はあるものの、それが十分には活用させていないということです。

大学入試改革が思考力・判断力・表現力を求めることに関して、私には大きな違和感があります。そんなの当たり前じゃん、と率直に思います。これらの力はどのような世の中、社会になろうとも要求される能力だからです。「大学入試改革」という言葉が大仰です。社会に出て活躍、自己実現できるように準備をすることが教育の本質的な目的ですから、社会で必要とされる思考力や表現力を磨くという認識そして自覚を持って児童や生徒を教え、育てることが最も重要です。入試制度の問題ではなく運用、心の込め方の問題であると思います。

もう一つ例を挙げるなら多くの大学入試2次試験で出題される自由英作文です。2020年の金沢大学の問題は「多くの国では大学一年生は大学寮での共同生活が求められている。それが良いシステムと思うかどうかを3つの理由を挙げながら80語から120語の英語で述べなさい。」(指示は英文)でした。また、同年の大阪大学の問題は「現代は、現金をほとんど使わず、クレジットカードや電子マネーで決済ができるキャッシュレス社会になりつつあります。こうした社会にはどのような利点、あるいは問題点があると思いますか。70語程度の英文で述べなさい。」でした。思考力がなければシナリオを作れません。表現力がなければ作文できません。ましてや英語です。多くの大学受験生が苦手とし、実力が端的に表れる問題であり、高いレベルの思考力、表現力が求められます。自由英作文問題の対策をする過程でそれらの力は確実に磨かれます。