■ 過去の『一言』(2001〜2023)
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(2023年 1月 〜 2023年 6月)


(2023年 6月29日) 【目標点を確保する】 [▲ 先頭へ]

中3生が受ける模試がいよいよ今週末(7/2)から始まります。来年3/6, 3/7の公立高校入試に向けて7月から来年2月まで毎月模試があります。中3の高校受験生が毎月模試を受けるのは多過ぎるように感じますが、とにかく今年も信頼性が高い石川県総合模試を団体受験します。どの高校に合格できるかは各中学の学年順位が1つの目安になりますが、学年全体のレベルは年によって変動することに注意が必要です。模試では県全体における成績レベルが客観的に分かりますから、合格可能性のデータはかなり信頼できます。

先日の授業の際、受験票を渡しました。初めての模試ですから皆さん緊張しているようです。今月8日付け本欄で述べた通り、中3の皆さんは今週から来週にかけて期末テスト、模試、実力テストが続いています。テストが続く中での初めての模試ですから精神的に結構キツイと思います。

当然のことながら、模試では実力が出るものです。ただし、数学は要注意です。実力があっても数学は失敗することがあるからです。前半のある問題で考え過ぎて時間がなくなり焦ってしまうと、計算ミスにつながり、本来解ける問題も解けなくなります。時々見かける現象です。

このリスクに対して、中3の皆さんには目標点を確保するように話しています。志望校毎に、この点数を取れれば大丈夫という目安があります。例えば、泉丘高校が志望校の場合、平均点が50点として80点取れればgoodです。75点がまあまあで、70点が確保すべき点数になります。70点ということは30点落としても良いことになります。1/3近くミスっても良いと思えれば、精神的にかなり楽になるはずです。

このように考えれば気持ちの余裕を持って数学の問題に臨めるはずですが、現実はそう簡単ではありません。そのために幾つかのテクニック的なアドバイスをしています。目標点を確保する意識を持って50分の総合問題練習を積み重ねることによって確実性が高くなっていきます。数学は怖いというメンタル的な要素があるので、彼らの気持ちを楽にするために、小さなミスは大丈夫と言っています。


(2023年 6月22日) 【どこまで言うか】 [▲ 先頭へ]

高校クラスの皆さんとは全国模試の結果が戻ってきた時に、授業とは別に時間を取って、個別に30分ほど面談します。勉強法や進路についてじっくり話し合います。彼らの勉強に対するモチベーションに直結する大切な時間です。生徒の皆さんの自発性を高めて可能性を引き出そうとします。高1生、高2生との面談では特に問題はありませんが、高3生の場合、どこまで強く言うべきなのか、悩むことがあります。

過去の例ですが、11月にある高3生と面談しました。難関大学を目指すA君です。A君はその大学を高2になる頃から目指していました。それなりに勉強していましたが、合格水準には達しない状況がずっと続いていました。志望校を確認すると、その大学を答えました。センター試験(共通テスト)まで2ヶ月のタイミングでしたから、強く言わなければならないと思いました。言葉を選びながら、その大学に合格するための努力ができていないことを指摘しました。

A君の目に涙が浮かびました。頑張っていると思っているのに、私から厳しい言葉を聞いたからです。状況を分析してどうするべきか考えるように言って面談が終わり、彼は教室を出ました。私の心は重く苦しくなりました。彼が志望校に合格するためには強く言わなければならなかったにしても、涙を見ると、言い過ぎだったかもしれないと複雑な気持ちになります。

その日深夜に彼からLINEが入りました。自分では頑張っているつもりだったものの、甘さがあったという反省の内容でした。目標をしっかり持ち、それに見合う努力をしたいとのことでした。LINEの最後には、面談ありがとうございました、と書いてありました。そのような連絡が入るとは思っていませんでしたから、驚くと同時にとても嬉しかったです。

結果的にA君は、当初目指していた大学ではないものの十分満足できる大学に合格しました。合格発表直後に、震える声で合格を報告する電話をくれました。どこまで強く言うかは難しい判断ですが、厳しい言葉を言えるような人間関係を日ごろから築いておくことが非常に重要だと考えています。


(2023年 6月15日) 【中2の1学期、中間テスト英語】 [▲ 先頭へ]

先月末の中間テストで、2年生の英語の学年平均点が47点だった中学があります。1学期の中間テストは一年で一番易しいテストという印象がありますが、2021年度から教科書が新しくなり、英語においては状況が変わりました。特に、金沢市立の中学校が採用しているNew Horizon 2は最初の単元(Unit 1)が難しいです。

Unit 1では先ず、be going to とwillの未来形を習います。問題はその後に習う2つの構文です。基本文は”I will show you the Merlion.”(私はあなたにマーライオンを見せます。)と”People call it the Singapore Flyer.”(人々はそれをシンガポールフライヤーと呼びます。)です。前者は主語・動詞・目的語・目的語(SVOO)、後者は主語・動詞・目的語・補語(SVOC)の構文です。英語には文型が5つあり、それらは第4文型、第5文型と呼ばれる複雑な構文です。

上記のSVOOとSVOCの構文では、動詞の後ろに2つの言葉が並びます。動詞の後ろに2つの言葉が並ぶこと自体が複雑ですし、それら2つの違いをきっちり理解することは易しくありません。さらに、学年平均点が低かった中学の試験範囲にはUnit 2の一部も含まれていました。この単元ではwhenやifの接続詞を習います。接続詞も最初は理解し辛いので、平均点を下げた要因だと思います。

New Horizon 2の教科書には文法のまとめのページがあり、「5つの文構造」というタイトルで5文型を説明しています。初めてそのページを見た時にちょっと驚きました。主語、動詞、目的語、補語をそれぞれS, V, O, Cと表しています。文法の説明としては当然の用語ですが、中2生にとっては難しいと思います。果たして学校の先生方はSVOCという用語を使っているでしょうか。英語の授業が分かりづらくなるかもしれません。

因みに、サミット・ゼミでは、新しい教科書に替わったことを受けて中2からSVOCという用語を使っています。当然のことながら、最初は生徒の皆さんは戸惑います。それでも繰り返し使うことによりだんだん慣れていきます。中3の最初に5文型をしっかり説明した後は普通にSVOCを使っています。


(2023年 6月 8日) 【高校受験生の初夏】 [▲ 先頭へ]

中3クラスでは、先月末に行われた中間テストの結果が戻ってきました。答案用紙を見ながら、個別に面談しています。科目間のバランスや志望校について対話します。

高校受験生の彼らは、来週末に部活動の県大会予選があり、その後今月末から来月初めにかけて試練の時を過ごすことになります。期末テスト、模試、実力テストの3つの試験が続くからです。ほぼ一週間の間に3つのテストを受けるのは精神的にも結構辛いと思います。しかも、模試は今年度初めての受験ですからかなり緊張することでしょう。

中間テスト後の授業内容をいろいろ工夫しています。期末テスト対策としての教科書の復習、模試過去問練習、実力テスト対策としての1, 2年分野の復習を上手く組み合わせなければなりません。3つのテストの日程を踏まえて、今月の授業内容の予定を立てました。期末テストの試験範囲によっては修正する必要が出てくるかもしれません。臨機応変に対応します。

中3生は11月末から12月初旬にも期末テスト、実力テストと模試が続きます。高校受験を終えた受験生に聞くと、初冬の3連続テストの時期が一番辛かったという人がいます。ですから、今月末からの3連続テストも高校受験生にとって大きなプレッシャーです。効果的な授業を進めるだけではなく、気持ちが前向きになるような話をして彼らをサポートするつもりです。


(2023年 6月 1日) 【AI時代の勉強】 [▲ 先頭へ]

AIの時代にはどんな勉強が必要なのでしょか。チャットGPTのような生成AIが様々なことを教えてくれるので知識の暗記は不要になるのでしょうか。

チャットGPTに、人間が生成AIに勝る点を尋ねてみました。経験、感性、社会性などと共に創造性を挙げました。人間は新しいアイデアを考え出し問題を解決することができると回答しました。それに対して、AIは学習したデータに基づいて回答するので新しいアイデアを考え出すのが難しい場合があるとのこと。

大きなポイントの一つはこの創造性だと思います。それでは、人間が創造性を発揮するためにはどうすれば良いのでしょうか。この点については、2002年にノーベル物理学賞を受賞された東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊先生の指摘が適切な回答になります。すなわち、知識と考える力の掛け算で人間の能力が決まるということです。

アイデアは真っ白なキャンバスから突然湧き出るものではなく、様々な要素の新しい結びつきからもたらされます。創造力とは情報を組み合わせて問題を解決し、新しい価値を生み出す力です。知識と考える力の掛け算により創造性が発揮され、新たなアイデアが湧くのです。

AI時代にはプログラミングや情報処理のような新たな分野の勉強も必要ですが、勉強の基本は変わらないと思います。これまでと同様、様々な知識を蓄積し、しっかり考えることが必要です。様々な知識がなければ、前々回の本欄でご紹介したチャットGPTのミス(坂本龍馬が長州藩出身という間違い)を見抜くことはできません。AIをツールとして使いこなすために知識を蓄積し、思考力を磨かなければなりません。


(2023年 5月25日) 【大学新入生のTOEIC】 [▲ 先頭へ]

今春、サミット・ゼミからは4人の生徒さんが大学に進みました。その4人に、英語の資格試験について尋ねてみました。2人はTOEICを受け、1人はTOEFLを受けていました。近年は、入学前後にTOEICを強制受験させる大学が増えてきています。TOEFLは海外に留学する人たちが受けるテストです。TOEICは英語によるコミュニケーションだけではなくビジネス能力を検定する側面があるので、お茶の水女子大はTOEFLにしたのかもしれません。

厳しい大学受験を終えて入学して直ぐに、社会人の英語資格試験であるTOEICを受験するのは新入生にとって大変です。しかし、多くの企業がTOEICスコアを採用や昇進の基準にしているので、新入生がこの試験を受ける意義は小さくありません。英語の資格は就活における重要な条件の一つだからです。

企業が求めるTOEICスコアについて調べてみました。因みに、TOEICは990点満点で、860点以上がAレベル、730点以上がBレベルです。採用条件として、600点以上が大正製薬、大和ハウス工業、ニトリホールディングスなど、650点以上がアサヒビール、シチズンなど、700点以上がNTT東日本、ファーストリテイリング、三菱電機など、730点以上がソフトバンク、武田薬品などでした。昇格・昇進については、住友商事は730点以上が管理職、三菱商事は750点以上が課長クラスの条件になっています。ハイスコアを求める企業もありました。住友不動産や野村不動産は採用条件として800点以上、NTTコミュニケーションズの採用条件は860点以上です。

これまでの私の経験では、東京外国語大学合格レベルのTOEICスコアは700-730点です。ですから企業が求めるTOEICスコアはかなり厳しいと思います。しかし、グローバル化が進展している世の中ですから厳しいのも当然と言えます。

TOEICにはリスニングセクションとリーディングセクションがあり各495点満点です。リーディングセクションは短文穴埋め問題、長文穴埋め問題と文章問題から構成されています。穴埋め問題には文法・語法力が必要で、文章問題には情報処理力が必要です。高校生が大学入試を目指して勉強すれば、結果的にTOEICでかなりの得点が取れると思います。文章問題は共通テストの第1問、第2問によく似ています。

懸念されるのは穴埋め問題です。共通テストは全ての問題が読解問題になり、センター試験第2問で出題されていた文法・語法問題は出題されなくなりました。共通テストでは出題されないからと文法・語法の勉強が甘くなれば、TOEICの穴埋め問題が解けなくなります。文法・語法は語学の勉強の基本ですから、ゼミの授業では、TOEIC受験も念頭に入れて文法・語法をしっかり教えるつもりです。


(2023年 5月18日) 【生成AI】 [▲ 先頭へ]

金沢市と富山市で開催されていた主要7カ国(G7)教育相会合が今週月曜日(5/15)に閉幕しました。閣僚宣言では生成AIに対して「学習や指導に好機をもたらすと同時に、教育システムに課題を提示していることを認識する」と明記しました。イギリスのキーガン教育相は「生成AIを使いこなす力を伸ばすような教育と、ネガティブな面をコントロールすることの両方が大事だ」と語ったそうです。

先週の本欄を準備するに当たり、チャットGPTでいろいろ使ってみました。「どうしたら英語が話せるようになりますか」という問いに対しては、基礎的な文法や語彙を学ぶ、聴解力を鍛える、会話の練習をする、英語の環境を作る、自信を持って話すという5つのステップを答えました。完璧です! ゴルフスイングの悩みについての質問には納得できるポイントを助言してくれました。本当に便利だと思いました。

一方、ビックリしたこともありました。坂本龍馬に関する細かな質問をしたところ、龍馬を長州藩の志士と説明しました。龍馬は土佐藩出身ですから明らかな間違いです。チャットGPTを使い始めた日にこのミスを見つけました。チャットGPTは大量のデータを学習しているはずなので、このミスには驚きました。そこで、何故ミスをするのかを尋ねました。学習しているデータに、情報の正確性や完全性に欠けるものが含まれているとミスをする可能性があるという回答でした。

AIはツールとして凄まじい能力を持っています。しかし、完全無欠ではなく、上述のようにミスをすることもあります。そのようなミスに気づけるかどうかは人間にとって非常に重要です。ですから、人間は従来通り然るべき知識を持つ必要があります。最近の教育は知識の蓄積ではなく思考力、表現力を重視する傾向がありますが、AI時代においてはどのレベルの知識が必要とされるでしょうか。今後、私なりに考えてみるつもりです。


(2023年 5月11日) 【こどもの日の社説】 [▲ 先頭へ]

先週金曜日(5/5)はこどもの日でした。北國新聞の社説は「AI時代に備える教育を」というタイトルで、こどもの日に向けた内容でした。今年になりチャットGPTを始めとする生成AIが話題に上り、様々に議論されています。AIが社会に大きな影響を及ぼすようになっていますので、社説のタイトルは直ぐに目に留まりました。

この社説では、「生成AIが出したものをうのみにしないように。自分で考えることなしに答えのみを教えてもらう用途には利用すべきではない。」という人工知能学会の指摘が紹介されていました。そして、「生成AIの安易な利用が児童や学生の思考力と文章力の低下を招く懸念は拭えない。」と主張しました。

私自身もチャットGPTを実際に試してみました。AIが瞬時に様々な質問に答えてくれたり、相談に対するアドバイスをくれたりするのは本当に便利だと思いました。しかし、上述の北國新聞社説の懸念は当たっています。生成AIに依存してしまうと思考力や文章力が弱められるのは必然です。そして、これは児童、学生だけに限られず、私たち全員が注意しなければなりません。

チャットGPTに「人間に叶わないところ」を質問しました。直感的な理解力や洞察力は持たず、倫理的な判断や価値判断をすることはできないという回答でした。また、創造的な表現力は人間に及ばないとのことでした。そして、チャットGPTはあくまで自然言語処理に特化したツールであり、人間の能力を補完するものであると述べました。ところで、今の大学入試では思考力、表現力、判断力が問われています。これらの能力を自分のものとすれば、AIの時代を生きる若者は、生成AIを正にツールとして使いこなせるでしょう。

北國新聞の社説は、末尾で「誰もが人とつながる中で自分の役割を見いだし、個性と創造性を発揮できる社会をつくる」ことが「デジタル変革が進む時代の教育にも必要な視点である」と述べました。とても重要な指摘だと思います。


(2023年 5月 4日) 【高校入試結果 in 2023】 [▲ 先頭へ]

先月18日の石川県教育委員会会議で3/7, 8に実施された公立高校入試の平均点が報告されました。英語50.2点、数学44.4点、国語59.3点、理科50.8点、社会41.9点で5教科合計の平均点は247点でした。過去5年間で3回目の250点割れでした。石川県の公立高校入試は難しいと言われています。調べてみると、過去10年間の平均点の平均は249.0点でした。今年の公立高校入試は例年並みの難しさだったと言えます。

英語は50点割れが4年続いていました。50点を回復したとは言え、難しさは続いています。その原因は会話文、長文とも英文資料やグラフに関する問題で、問題文が長いことです。かなりの英語力がなければ50分で解き終えることはできません。今年は第2問の形式が英単語の並び替え問題に変わりました。文法が得意な生徒にとっては時間の節約になったでしょう。

問題は数学です。過去10年間の平均点は、5年前の51.7点を除いて50点割れが続いていました。そして今年も44.4点でした。今年3/16付け本欄で述べた通り、関数や図形の問題が難しくて受験生は苦戦したようです。対策としては、基礎力を万全にした上で、難しい問題に対する思考力を鍛える必要があります。また、50分総合問題での得点の仕方に慣れることが非常に大切だと思います。

今年驚いたのは社会です。社会は過去3年間50点割れが続いていました。今年の41.9点は去年の39.9点に続く低さでした。改めて問題を見ると、記述式が難しいです。中3生にここまで考えさせるかというような問題が幾つかありました。社会の得点分布がどうなっているか気になります。恐らく正規分布の形ではなく二瘤ラクダのような分布になっているでしょう。社会嫌いな生徒が増えるのではないか心配です。

サミット・ゼミの通常授業は英語、数学と国語200字作文です。今年の入試結果を踏まえて授業を進めます。お任せ下さい!

参考
先々週の本欄で述べました中3生の京都での英会話練習ですが、4名の内1名が実行しました。知らない土地で知らない外国人に話しかけるのはとても勇気が要るので、英会話練習は強制ではありませんでした。実行した彼は、準備していた想定問答集のプリントを忘れていったのに、勇気をだしてイギリス人に話しかけたそうです。素晴らしいと思います。一生忘れられない経験になったかもしれません。


(2023年 4月27日) 【あまちゃん】 [▲ 先頭へ]

「じぇじぇじぇ」 NHKの朝ドラ「あまちゃん」が今月から再放送されています。BSプレミアムで朝7:15からです。私は朝ドラファンで各シリーズを毎朝見ています。学習塾の授業は夕方からなので、朝から日中の時間は自由に使えます。ありがたいことです!?

10年前の2013年に放送された「あまちゃん」には楽しい印象がたくさん残っています。その人気の原因はいろいろあると思いますが、私はテーマ曲が大好きです。コミカルな要素が入っているところがとても面白いです。朝からあの曲を聞くと楽しい気分になり元気が出てきます。

英語や数学を楽しく教えることはなかなか難しいですが、教室の雰囲気を明るくすることは可能です。生徒の皆さんは教室のドアを開けると、4-5メートル先に座っている私と顔を合わせます。その時に明るく大きな声で「こんにちは」や「こんばんは」と声を掛けるようにしています。この声掛けが、あまちゃんの曲のように、生徒の皆さんの元気や前向きな気持ちにつながれば良いなと思っています。


(2023年 4月20日) 【修学旅行・英会話練習】 [▲ 先頭へ]

中3クラスの皆さんは来週、修学旅行で関西方面へ向かいます。サミット・ゼミでは修学旅行中の英会話練習を企画しています。京都での自由行動中に訪日外国人と英語で話すプランです。

全く知らない外国人に英語で話しかけることは彼らにとって異次元の世界での経験ですから、周到に準備します。”May I talk with you for a while?”(少しお話ししても良いですか。)から始まる想定問答集のプリントを作成して先月末に配布しました。質問はできるだけ暗記するように指示しました。今月に入り個別に英会話練習をしています。私が外国人役で各生徒さんの前に座って会話を進めます。

既に2回練習を行いました。4名の生徒さん達は結構しっかり質問を覚え、想定問答集のプリントを見ないで私と会話しました。私は、そのプリントには書いていない、彼らにとって想定外の質問もしました。外国の人達が様々な質問をすることが考えられるからです。それらの質問とは、”Where is Kanazawa?”、”What grade are you in? (何年生ですか。)”や”Why do you wear school uniforms? (何故、制服を着ているのですか。)等です。

英会話練習は強制ではありませんが、今まで楽しい経験をした中3生がたくさんいます。昼食のために入ったお蕎麦屋さんで、隣のテーブルにいた若いアメリカ人4人とテーブルをくっつけて話をし、昼食をご馳走してもらった人がいます。彼女に見せてもらった写真からは実に楽しそうな雰囲気を感じました。制服が珍しいので写真を撮らせて欲しいと言われた人もいました。長く記憶に残る経験をした人もいるようです。

今日は木曜日で中3クラスがあります。来週の修学旅行を前にして3回目の英会話練習をする予定です。英語を話す時は間違えてはいけないと思いがちですが、話す時のミスは全然構いません。意図が伝われば良いのです。中3の皆さんには、ミスは全く問題ないと話しています。この機会に英語で話すことの楽しさを味わって欲しいと思っています。今年は4名中、何人の生徒さんが実行するでしょうか。


(2023年 4月13日) 【大学受験・合格者アンケート改訂】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミでは大学受験に合格した生徒さんたちにアンケート調査をして、その結果をプリントにまとめています。今春、合格した人たちにお願いしたアンケートの結果を加えて、「大学受験・合格者アンケート」のプリントを改訂し、今週の高3クラスで配布しました。

アンケートの質問項目は、志望校を決めた時期や方法、受験勉強で辛かった時期と克服法、受験勉強での心の支え、共通テスト(センター試験)対策、2次試験に対する心構え、受験勉強で得たもの等です。プリントには高3の皆さんにとって参考になる情報が並んでいます。特に、悔いが残るもの、後輩へのアドバイス、学校の授業の活用法の情報からは得るものが大きいと思います。

今春のアンケート結果を加えながら、プリント全体を読み直してみました。大学受験という人生の一大イベントを乗り越えた生徒の皆さんの声をまとめた資料なので読み応えがありました。「受験勉強で得たもの」には、「問題を『素直に』解こうと考え始めてから、人にも『素直に』向き合おうと考えるようになった。」という回答がありました。生徒さんの成長を感じることができます。また、同じ質問に対して「支えてくれた人に感謝すること。」という回答もありました。このように回答できるという人間性が素晴らしいと思います。

このプリントはA4用紙6枚で構成されています。大学受験の道は長くて平坦ではありません。精神的に追い込まれることもあります。そのような苦しい時に読み返せば勇気を与えてくれる言葉を見つけられると思います。なお、高2の皆さんには、この資料をコンパクトにした形のプリントを配布する予定です。勉強へのモチベーション・アップにつながると期待しています。


(2023年 4月 6日) 【小学生にとっての英語と国語】 [▲ 先頭へ]

日本経済新聞には「私見卓見」という読者投稿欄があります。先週金曜日(3/31)の「私見卓見」の題名は「小学生は英語より国語を学ぼう」で、ある公務員の方の投稿でした。

その方は、子どもが小学5年生の時、英語の授業を参観しました。授業で見た幼児レベルのやり取りからはコミュニケーションの育成や国際理解が進むはずがなく、小学校英語は、ずばり、やる必要はないと思ったそうです。小学生は国語をしっかりやり、論理的思考力を養い、情緒を豊かにすべきで、英語は中学から学んでも決して遅くはなく、まずは読み書き中心の「受験英語」に一生懸命に取り組み、読解力を鍛えるべきとのことでした。

全く同感です。私は、英語の前に「読み・書き・ソロバン」という学力の基礎を徹底するべきだと考えています。国語の読解力がなければ、アメリカの国語である英語は分かりません。英語の大学入試では英文の読解力が問われます。単語や文法を前提として、英文が何を意味しているのかを読み取ることが問題を解くカギになります。

国語の読解力である「読み」を小学校で鍛えた上で、英語は中学校から始めれば十分だと思います。中学3年間だけで英語の基礎は十分に固まります。そして高校でさらに3年間勉強すればかなりの英語力に達します。中学校から始めても、大学入試を目指してしっかり勉強すれば世界で通用する英語力を身に付けることができます。

英語は世界の人々とコミュニケーションを取ったり、ビジネスをしたりするためのツール(道具)に過ぎません。ツールとして使いこなすための英語の勉強はもちろん大切ですが、それよりも何を伝えるのか、どんなビジネスをするのかの方が重要です。英語力の向上がサミット・ゼミのセールスポイントですが、「読み・書き・ソロバン」の重要性を踏まえた上で、英語の授業をしています。


(2023年 3月30日) 【星稜の入試問題 in 2023】 [▲ 先頭へ]

今年の私立高校の入試は2月1日に実施されました。星稜高校は学習塾にとても配慮してくれる高校で、毎年、入試後直ぐに入試問題を送付してくれます。

大学入試が一段落して気持ちに余裕ができたので、英語と数学の問題を解いてみました。 英語は大問1の問題形式が大きく変わっていました。昨年までは発音・アクセントが出題されていましたが、今年はそれらの問題がなくなりました。昨年まで出題されていたのは、大学入試センター試験の第1問が発音・アクセントの問題だったからだと思います。大学入試を念頭に入れた良い問題でした。

2年前にセンター試験から共通テストに替わって、英語リーディングの問題は全て読解問題になり、発音・アクセントは出題されなくなりました。共通テストに替わった翌年の昨年2月の入試で同校が発音・アクセントを出題するかどうか非常に興味がありました。結果は、上述のように出題されました。「さすが、星稜!」と思いました。大学入試が変わろうとも英語の勉強において発音・アクセントは重要であるというメッセージのようでした。

そして今年、発音・アクセントは出題されなくなりました。この変化の裏には作問担当の先生方の間で議論があったと推察します。発音・アクセントの重要性よりも大学入試の流れを優先させるべきだという判断があったのでしょう。因みに、英語は大問1から大問5まで共通テストを意識した問題で、設問はよく工夫されていました。

数学は思考力を問う星稜らしい問題でした。数学でも大問3と大問5は共通テストの問題形式に沿ったものでした。数学の難度が気になりましたが、英語も数学も共通テストを意識した良問でした。


(2023年 3月23日) 【NHK英語ラジオ講座 in 2023】 [▲ 先頭へ]

中学クラスの皆さんにはNHKの英語ラジオ講座を聴いてもらっています。石川県の公立高校入試の英語大問1はリスニングで配点は30点です。ラジオ講座を聴き続ければ、入試や模試のリスニングでのミスはほぼなくなります。

新年度の英語番組は今年度と同じです。中学生向けは「中学生の基礎英語 レベル1」と「中学生の基礎英語 レベル2」です。前者は中学1-2年レベルで、後者は中学2-3年レベルです。新中3クラスの皆さんには「レベル2」、新中2クラスの皆さんには「レベル1」を聴くように言いました。二つの番組の違いは文法です。「レベル1」は中学2年前半までに習う文法を扱い、「レベル2」はそれ以降に習う文法が対象です。英語が得意な新中2生にとっては「レベル1」より「レベル2」の方が良さそうですが、内容が難しいかもしれません。

以前の中学生向けラジオ番組の構成は「基礎英語1」「基礎英語2」「基礎英語3」でした。この構成は中学3学年にピッタリ合っていました。NHKが何故3番組構成を現行の2番組構成に変えたのか理解に苦しむところです。今年度の2番組構成が3番組構成に戻ることを期待していましたが叶いませんでした。

上述のようにラジオ講座で学ぶ文法が学年とミスマッチになる場合があることは残念ですが、継続的に英語を聴くことは非常に大切です。「英語は習うより慣れろ」と言われますから、月曜から金曜までの週5回ラジオを聴くことの効果はかなり大きいと思います。生徒の皆さんには、入試や定期テストのリスニング対策のためだけではなく、将来の英語でのコミュニケーションのために聞き続けるよう話しています。


(2023年 3月16日) 【公立高校入試 in 2023】 [▲ 先頭へ]

昨日(3/15)合格発表があった公立高校入試は先週火曜日・水曜日(3/7, 8)に実施されました。例年通り、直ぐに英語と数学の問題を解いてみました。

英語は、大問4問構成は変わりませんでしたが、大問2の問題形式が大きく変わりました。昨年までの穴埋め問題から英単語の並び替えと短い英作文に替わりました。並び替え問題は穴埋め問題の前に出題されていた形式です。大学入試センター試験から共通テストへの変更で並び替え問題がなくなったという流れに逆行する形式変更で意外な感じがしました。

大問3、大問4はそれぞれ英文資料に基づく会話文、二つのグラフに基づく長文で形式変更はありませんでした。従来通りかなりの英文量で速読ができなければ50分で解き終えることは難しいと思います。昨年の英語の平均点は39.9点で、その前は50点割れが3年続きました。大量の英文量からすると平均点は従来の流れが続きそうです。並び替えでは文法力が問われるので、文法力が得点に少なからず影響したと思われます。

数学は石川県の公立高校入試らしい難しい問題でした。関数、空間図形、平面図形の問題の小問(3)は手強い問題でした。連立方程式の応用問題もヒネリが加えられていました。高得点を狙った受験生は苦しんだことでしょう。得点できる問題で確実に得点を積み重ねることが要求されました。数学の平均点は50点割れが4年続いています。今年もおそらくこの流れが続くでしょう。

今年の入試を受けて中3クラスの授業を進めます。本年2/16付け本欄で述べた通り、英語は既に速読練習を開始しました。50分の制限時間でしっかり問題を解き終えることができるよう着実に練習を重ねる予定です。並び替え問題については、同様の問題が出題されていた模試過去問が使えるので全く心配していません。

数学は各分野の基本を固めた上で難問にも挑戦するつもりです。難問にじっくりと向き合うことは高校数学にもつながります。数学は失敗し易い科目なので、自分が目標とする点数を確実に取る総合問題練習を重ねる予定です。難しさに萎縮しないようなメンタルケアも必要だと考えています。


(2023年 3月 9日) 【分かったつもり】 [▲ 先頭へ]

「分かったつもりにさせない 本質を伝える指導」 これは駿台予備学校のインターネット広告のキャッチコピーです。見た瞬間、良いコピーだと思いました。「分かったつもり」は要注意です。該当のことの理解や記憶が微妙で、次に同じような問題が出されたときに解くことはできません。ましてや応用性もありません。教える立場の者として気をつけなければならない大切なポイントです。

授業をしていて生徒の皆さんが本当に分かっているのか、分かったつもりになっているだけなのかを見抜くのは非常に難しいです。彼らの表情だけでは判別できません。本当に分かっているのかどうかをチェックするにはテストで調べるしかないでしょう。これでは手間取ってしまいます。

分かったつもりのレベルに留めない授業をすることが大切です。その意味で、駿台予備学校は「本質を伝える指導」というコピーを付け加えたのでしょう。しかし、それでも足りていないと思います。さらに、本質の伝え方が重要です。生徒の皆さんが該当の事項を完璧に消化してくれるような工夫や配慮が必要になると思います。教師の力量が問われます。

駿台予備学校の広告コピーは良い刺激になりました。少人数制のメリットを生かして、生徒の皆さんの表情を観察しながら、授業の分かり易さを追求していくつもりです。


(2023年 3月 2日) 【自由英作文強化】 [▲ 先頭へ]

既に授業が終了している今年度の高3英語クラスでは自由英作文練習を強化しました。テーマにもよりますが、大学入試問題としてはかなりの難問です。そう簡単には書けるようにはならないので、今年度は例年よりも早く、高2後半から練習を始めました。通常の和文英訳と交互に練習して、全部で23回練習しました。

自由英作文が難しいのは幾つかの要因があります。先ずは、設問のテーマです。低い食料自給率の問題点二つ(金沢大2022年)、5Gによる生活の変化(名古屋工業大2021年)、文系と理系を分けることについて(九州大2020年)などは日本語の小論文としても難しい問題です。次に、テーマに答えるためのシナリオです。採点者にアピールできるように論理を構成するのは相当難しいです。そして、そのシナリオを英語にしなければなりません。やはり難しいです!

練習開始を早めたので、生徒の皆さんはだんだん慣れてきました。しかし、昨年の初冬の頃、出来具合が悪くなりました。テーマを難しくしていったからです。制限字数(80語から120語程度)で英文は出来上がるものの、設問のテーマに答えていない答案が増えてきました。英語が出来る人たちが陥りやすいポイントです。英文としてはまとまっていても設問のテーマに答えていなければ得点できません。共通テストの後は、自由英作文の練習の比重を大きくしました。設問のテーマをしっかり見据えることを徹底しました。

大学入試の問題として自由英作文はとても優れていると思います。受験生の思考力と表現力を測ることができます。受験生にとっては大変ですが、テーマに対して深く考えて、それを自分の言葉で表現することは社会人としての活躍につながります。


(2023年 2月23日) 【高3、最後の授業】 [▲ 先頭へ]

明後日(2/25)の大学入試2次試験を前にして、今週月曜日に高3クラスの最後の授業を行いました。高3クラス5人の中には中2の開講の時から通ってくれた生徒さんが3人います。彼らとは5年間も一緒に勉強したことになります。非常に感慨深いです。

5年間を振り返ると、人間の成長の逞しさを感じます。高校入試を乗り越え、大学入試を目指す中で英語や数学の実力を伸ばす姿を身近で見守ってきました。難関大学の入試問題にも十分対応できるまでに伸びてきた過程は中高生の力強い成長を感じさせてくれました。コツコツと努力を積み重ねることの重要さだけではなく、物事に取り組む際の素直さの重要性についても感じました。

彼らの成長を喜ぶと同時に、自分自身の責任も感じます。生徒の皆さんがしっかり実力を伸ばせるよう導かなければなりません。入試を大きな目標にして勉強していますが、社会に出る準備をしているという側面もあります。一人一人は異なるので、個性に合わせてコミュニケーションを取る必要があります。特に、何か課題がある場合にどのように話すかは非常に難しい問題です。

今月2日の本欄で述べた通り、2次試験に向けての心構えについては新たにプリントにまとめて配布しました。月曜日の授業では本番会場での注意点について述べました。授業の締めくくりには、人生を生きる上でのアドバイスもしました。明日の夕刻には激励のLINEをするつもりです。今は生徒の皆さんの健闘を祈るばかりです。


(2023年 2月16日) 【新たな試み】 [▲ 先頭へ]

金沢市立の各中学では今週から来週にかけて期末テストが行われています。中2クラスでは、冬休み明けの実力テストの後から準備してきました。この期末テストが終わった後にある試みを計画しています。それは英語の速読練習です。速読練習は、従来、中3の夏期講習から始めていました。11月の地域統一テストが最初の目標で、3月の公立高校入試の時点で然るべきレベルに達していることを狙っていました。

中2クラスでの試みには過去にも例があります。現在社会人4年目になっている教え子達が中2の時でした。上手く導けば中学生は十分に対応してくれることを感じた事例です。この時は、英語の5文型でした。主語、動詞、目的語、補語をS, V, O, Cとして、第1文型SVから第5文型SVOCまでを教えました。中2の11月頃でした。もちろん最初は難しそうでしたが、彼らは直ぐに慣れました。英語が得意になっていったことは言うまでもありません。

今回の挑戦には伏線があります。冬休み明けの実力テストに備えて、英数とも中3生が受ける模試の過去問を解きました。試験範囲が中1、2分野である7月の過去問を使いました。英語の成績がかなり良い中2の皆さんですが、模試過去問には苦戦しました。その原因を尋ねると、問題文が長くて時間が足りなかったとのことでした。

石川県の公立高校入試の英語は難しいです。昨年の平均点は39.9点でした。その前は40点代が3年続きました。第3問の会話文、第4問の長文とも問題文が長いです。しかも、それぞれ英文資料、英語の説明がついたグラフに関する英文です。因みに、昨年の第4問は36行の英文で、10年前の2012年の長文問題(グラフ無)は27行でした。(2011年は25行、2010年は23行) 資料やグラフに関する大量の英文を読まなければならないので平均点は下がるはずです。

中2クラスの英文速読練習は来週後半から始めます。彼らが受ける最初の模試は7月初旬ですから、それまでにかなり練習を重ねることができます。7月の模試でどのような成果が見られるのか楽しみです。速読練習は彼らが受験する来年の公立高校入試が大きな目標です。そして、この速読の技術は4年後の大学入学共通テストにつながります。共通テストの英語リーディングは速読できなければ時間内に解けないからです。来週水曜日(2/22)発行の「金沢情報」に掲載する広告の中に「中学英語を完璧にして高校へ。」との記述があります。この速読練習はその要素の一つです。


(2023年 2月 9日) 【英語の授業をアピール】 [▲ 先頭へ]

タウン情報誌「金沢情報」今月22日号が学習塾特集を組みます。今回も広告を掲載する予定で、今週火曜日に原稿が完成しました。「ココにも注目!」欄で、英語の授業をアピールしました。「中学英語を完璧にして高校へ。大手予備校に負けないシステムで大学入試へ導く。」が原稿の一部です。

本欄で何回か述べている通り、私自身の中高生時代、英語は得意科目ではありませんでした。分かっているのか、分かっていないのか「微妙」な状態でした。英語に対する曖昧さが端的に出たのが現役で受けた早稲田大学の入試でした。100点満点の46点位だったと思います。数学と国語はきっちり得点できていましたが、英語が足を引っ張り不合格でした。

当時は名古屋に住んでいましたので河合塾に一年間通いました。河合塾でしっかり勉強して英語が出来るようになりました。得意だった数学の偏差値を超える得意科目になりました。浪人して英語が分かるようにならなければ、日産自動車の国際法務や輸出の仕事をこなすことはできませんでした。また、英語が得意になったことが学習塾を始めることにもつながりました。

学習塾を始めて試行錯誤で授業内容を工夫してきました。英語の授業、特に高校クラスの授業に自信が持てたのは、毎年の2次試験問題を掲載した問題集に書かれていた監修者の一節を読んだ時でした。河合塾の講師の方による受験生に対する英語の勉強法についてのアドバイスでした。さらに、名古屋の河合塾で浪人した教え子が、参考にして下さいと、浪人後に教材を渡してくれました。私の授業方針と一致していました。自分の浪人時代を思い出して高校クラスの授業を進めていたわけではありませんが、自然に河合塾と同じような授業内容になっていました。

高校入試や大学入試に英語があるから英語を勉強しているのではありません。グローバル化された今の社会では国際交流の場でも海外ビジネスの場でも英語が出来ないと活躍することはできません。社会に出て通用する英語力を身に付けるために大学入試を目標にして英語力をつけることが非常に重要です。自分自身が英語を克服した経験と24年間の授業の経験を基に、これからも中高生の皆さんを導いていくつもりです。one of the best in Japan を目指します!


(2023年 2月 2日) 【2次試験に向けて】 [▲ 先頭へ]

高3クラスの皆さんは、共通テストの結果を受けて2次試験の出願を終えました。共通テストの英語、数学、国語は時間との戦いという側面があり、思い通りに得点することはなかなかできません。今までの経験から言えば、期待通りに得点できる人は20-30%ではないかと思います。今年も人それぞれでした。2週間前(1/19)の本欄で述べた通り、1/20に一人一人と出願について相談しました。彼らの人生に影響する重要な相談でした。

新しいプリントを作りました。2次試験に関するアドバイスをまとめたプリントです。大学に進んだ先輩の生徒さん達には受験が終わった後、受験勉強の様々な点についてアンケートに答えてもらっています。その項目の中に「2次試験に対する心構え」があります。1/20の出願相談の後、今までのアンケート結果を読み返し、参考になるコメントをまとめました。

2次試験本番に向けての気持ちの持ち方、当日の気持ちの持ち方、当日の問題への取組み方について貴重なコメントが並んでいます。「C、D、E判定の人は特攻隊のような気合で挑んでくるので、A、B判定でも油断しないこと。」はD判定からの逆転合格を果たし、涙の合格報告をしてくれた生徒さんのコメントです。今の時期の生徒の皆さんにとって非常に参考になります。

上述のアンケート全体をまとめた資料は昨年春に渡してあります。今回のプリントは「2次試験に対する心構え」の内容を詳しくしたもので、私からのアドバイスも加えました。ラストスパートをする彼らに対する私からの激励を込めたプリントになりました。このプリントは今週月曜日(1/30)に配布しました。2/25の2次試験までは3週間です!


(2023年 1月19日) 【共通テスト in 2023】 [▲ 先頭へ]

1/14、15に実施された共通テストの英語と数学の問題を直ぐに解いてみました。私にとって年中行事の一つです。毎年、今年はちゃんと解けるかなと若干心配しながら取り組みます。結果は特に問題はありませんでした。これからも頑張れそうです。

英語リーディングは相変わらずの英文量です。80分で6,000語を超える英語を読まなければならないので受験生は大変です。共通テストになり2年続いて伝記が出題されていた第5問が物語文に替わりました。第6問Bの論説文はある生物に関する細かな描写が続いて難しかったです。平均点は昨年の61.80点が55.07点(1/18中間集計)に下がりました。第5問は解き易かったと思いますが、第6問Bで苦戦した受験生が多かったのでしょう。

数学は難度に注目していました。昨年の数TA、数UBの平均点はそれぞれ37.96点、43.06と異常と言える位の低さでした。その反動なのか、今年はそれぞれ58.08点、64.86点と過去の平均点より少し高くなりました。TAは設問の文章量が増えて共通テストらしいと思いました。UBは高い平均点の通り、ベクトルの後半を除いて、それほど難しくはありませんでした。数列の問題は複利の銀行預金に関する問題でした。共通テスト直前の高3数学クラスで同様の問題を解いていたので、生徒の皆さんにとってはラッキーでした。

今年の共通テストを解いて、今後の高校クラスの授業内容について考えました。基本的には従来通りで良いと思っております。英語はやはり速読です。ただ速く読むだけではなく、読みながら書かれている情報を頭に残すことを意識するつもりです。また、問題形式に慣れる練習も繰り返そうと考えています。数学は各分野の基本を押さえた上で練習を積み重ねるつもりです。センター試験から続いている問題を解く際の「誘導」に慣れることが1つのポイントです。誘導を意識すると問題を解き易くなるはずです。

センター試験から替わって3回目の共通テストでした。英語リーディングは今年も読解問題だけで構成されていました。センター試験で出題されていた発音・アクセント、文法・語法、語句整序文は出題されませんでした。国公立大学の2次試験では一般的にこれらの問題は出題されません。共通テストと各大学2次試験から成る大学入試において、英語でのコミュニケーションが重要視されている時代に発音・アクセントが、そして英語の基礎である文法・語法が出題されないのは非常に残念な状態です。


(2023年 1月19日) 【共通テスト後の水曜日】 [▲ 先頭へ]

大学入学共通テストが先週末(1/14、1/15)に実施されました。受験生は翌月曜日(1/16)に自己採点して、その結果と出願希望大学の情報を大手予備校に送ります。大手予備校は全国から寄せられた大量の情報を処理してAからEまでの合格可能性判定を出します。そのシステムが稼働するのが水曜日です。私にとって一年で一番気持ちが引き締まる日です。生徒の皆さんは人生に大きく影響する判断をしなければなりません。全力で彼らをサポートします。

昨日(1/18)の水曜日、私が毎年利用するシステムが昼頃稼働し始めました。早速、生徒の皆さんの自己採点結果を入力して、彼らが希望する大学についての合格可能性を調べました。共通テストは時間との戦いという側面があり、思い通りに得点することは難しいです。従って、生徒の皆さんは出願する大学について心が揺れます。彼らが考えている大学だけではなく、私が提案する大学についても判定を確認しました。

生徒さん毎にA4一枚のプリントを作成します。複数の予備校の判定、ボーダーラインだけではなく他の情報も盛り込みます。昨年倍率や過去の合格最低点です。過去の合格最低点は大切な情報です。2次試験でどれ位得点すれば良いのかの目安になるからです。ただし、共通テストの難易度は年によって変動しますから、合格最低点の扱い方には注意が必要になります。

合格判定プログラムをチェックしながら、合格最低点を調べるサイト、必要によっては各大学のサイトを同時並行で見ますからかなりの集中力で作業を進めました。時間があっという間に経ちました。合格判定プログラムに生徒の皆さんの自己採点結果を入力する時には様々な思いが頭に浮かびました。特に、苦手としていた科目で然るべき得点を入力する際は、その生徒さんのこれまでの頑張りを想像してジーンときました。

生徒の皆さん一人一人とは、明日金曜日に出願大学について相談します。出願期間は来週月曜日(1/23)から2/3(金)までです。彼らは共通テストから出願まで濃密な一週間余りの間に大切な決断を下します。


(2023年 1月12日) 【永瀬王座の言葉】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日(1/9)、将棋の王将戦第1局で、藤井聡太5冠(20歳)が挑戦者の羽生善治九段(52歳)に勝ちました。人気棋士同士の対局で大きく報道されました。高校生、大学生の時によく将棋を指していた私は藤井さんや羽生さんの成績が気になります。その藤井王将の研究仲間に永瀬拓矢王座(30歳)がいます。その永瀬王座に関する記事をヤフーニュースで見ました。その記事に載っていた永瀬さんの言葉です。

「自分は子供の頃、何をやってもうまくいかない子供でした。でも将棋と出会えた。出会えて頑張ることができた。才能はないとすぐに分かりましたけど、努力することはできたんです。大切なのは好きなことを見つけて、努力を続けることだと思っています。自分は自分の棋士人生を通して、才能よりも努力の方が大切なんだということを証明したい。」

将棋のタイトルホルダーですから才能がないというのは謙遜でしょうが、永瀬さんの姿勢には学ぶべきものがあります。努力することの大切さを教えてくれます。そして、素晴らしい成績を残し続けることでそのことを証明しています。自分も頑張ろうと思わせてくれる言葉です。そう言えば、羽生さんも、才能とは努力を継続することと述べています。

勉強ではどうでしょうか。やはり努力が重要な要素だと思います。コツコツと努力を積み重ねればかなりのレベルにまで到達することができます。数学では才能的要素が必要かもしれませんが、それは数学者のような高度なレベルにおいてです。今週末の大学入学共通テストの数学では努力で然るべき点数が取れます。英語は単語を覚えたり文法を理解したりして努力すれば高いレベルに到達できます。ゲームやSNSのような様々な誘惑に打ち勝って机に向かえることが才能であると言えるかもしれません。


(2023年 1月 5日) 【自己の人生に対する責務】 [▲ 先頭へ]

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。10月に開校25周年を迎えます。頑張ります!

昨年11月17日付け本欄「中村天風先生の教え」でご紹介しました「日常心得集」には誓いの言葉が掲載されています。ある本によると、松岡修造さんはその言葉を毎日朝晩2回口にしているそうです。

誓いの言葉の中に「自己の人生に対する責務を果たし」という一節があります。この心得集は、天風先生の本の付録になっていたもので、クリアケースに入れて机の引き出しの奥にしまっていました。昨秋、たまたま引き出しの中を整理した時に久しぶりに目にしました。そしてその一節にハッとしました。中高生の皆さんを育てることが自分の人生に対する責務であると改めて自覚しました。

クリアケースに入った日常心得集を確認した頃、高3英語クラスで読んだ共通テスト形式の問題文の中に”calling”という言葉が出てきました。「天職」という意味で、神様の思し召しというニュアンスがあります。直ぐに”calling”という単語が上述の誓いの言葉の一節とつながりました。頑張って中高生の皆さんを導こうと思いました。