■ 過去の『一言』(2001〜2023)
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(2022年 7月 〜 2022年12月)


(2022年12月29日) 【2次試験英語は読解力】 [▲ 先頭へ]

高3英語クラスでは2次試験過去問と共通テスト形式の問題を交互に練習してきました。今週が共通テスト前最後の過去問練習でした。新年に入ると授業時間を延長してリーディング80分とリスニング30分の実際と全く同じ形式の授業を2回続けて共通テストに備えます。

先々週の本欄で述べたように、毎回の授業でリスニング練習をしてきましたが、先々週の授業ではリスニング練習の時間を取れませんでした。2次試験過去問の解説に時間がかかったからです。過去問練習の時は、40分位の制限時間で生徒の皆さんが問題を解き、私が個別に丸付けをします。その後、英文を和訳しながら設問の解説をします。基本的には全英文を和訳しますが、時間の関係で一部だけの時もあります。

その日はある難関大学の過去問に挑戦しました。かなりの難問でした。リスニング練習の時間を確保するために英文の和訳を簡単にしようかとも考えましたが、難しい内容の英文をしっかり解説する方が生徒の皆さんのためになると思ってリスニング練習をあきらめました。英文の解説は国語の授業のようでした。和訳ができても、問題文全体の中でどのような意味を持つのか分かりにくい英文がいくつもありました。「この文によって筆者はこういうことを意図している」と解説するのは国語の現代文の授業と同じです。

模試の長文問題がよく出来た生徒さんは「何が書いてあるかよく分かった」と言います。読解力の重要性を端的に言い表した言葉だと思います。語学の勉強の基本は単語と文法で、英語の場合もそれらは非常に重要です。しかし、それだけでは足りません。2次試験を突破し、将来的にビジネスや研究開発で使える英語力を身に付けるには基礎的能力として読解力が必要だと思います。

2022年も間もなく暮れようとしています。コロナの第八波が襲来しています。コロナ禍がいつまで続くのか気が重くなりますが、終焉の日は遠くないと信じたいです。来年10月にサミット・ゼミ25周年を迎えます。社会人経験とこれまでのゼミの経験を踏まえて生徒の皆さんやご父兄の皆さんの信頼に応えられるよう努力するつもりです。来年もどうぞよろしくお願い致します。皆様、どうぞ良い年をお迎え下さい。


(2022年12月22日) 【12月の中2クラス】 [▲ 先頭へ]

中2クラスの授業が順調に進んでいます。各中学で2学期期末テストが11月末に行われ、今月に入ってからは冬休み明けの実力テストに備えて既習分野の総復習をしています。英語は未来形、助動詞、不定詞、動名詞、接続詞という重要分野が続いています。数学も重要分野である連立方程式、1次関数、三角形の合同が続きます。

中学全体の勉強において中2で学ぶ範囲は骨格を構成する大切な部分と言えます。例えば、中3生が夏から秋に受ける数学の模試では連立方程式(時々、中1範囲の方程式)、1次関数、三角形の合同の問題が必ず出題されます。因みに、サミット・ゼミの中3生夏期講習の数学ではこれらの3分野に特化して徹底的に問題練習をします。

今年度は授業の進行が順調なので、冬休みに入る前に総復習をほぼ終えることができます。冬休みに入ってからは3年生が受ける模試の過去問に挑戦する予定です。(7月の模試は中1・中2範囲です。) 50分の総合問題ですから冬休み明けの実力テスト対策です。また、高校入試形式の問題の経験にもなります。模試過去問は約20年分が手元にあります。英語・数学とも平均点を考慮しながら、どの過去問を採用するか検討しています。

一般的に中2生は、高校入試はまだまだ先のことだと考えて、勉強が甘くなる傾向があります。しかし、3年生が受ける模試の問題を解き、科目別偏差値が出れば高校入試を意識することになるでしょう。高校ごとに合格基準偏差値が出されているからです。勉強に対する良い意味の緊張感を持ってもらうために模試過去問に挑戦することは有意義であると考えています。


(2022年12月15日) 【リスニング対策プリントの改訂】 [▲ 先頭へ]

本年10月27日付け本欄「英単語チェック終了時期」で述べたように、今年度の高3英語クラスでは宿題形式の英単語チェックを10/10に終了しました。翌週からは、英単語チェックに替わってリスニング練習を行っています。それまでの授業ではリスニング練習の時間をなかなか確保できませんでしたが、10/17からは毎回必ず行っています。

授業の準備で共通テスト形式のリスニング問題を予習する度に、難しいと感じます。私はイギリス人の知人と円滑に会話するために、日常的に英語を聴く機会を作っています。それでも講義形式の第5問や長文会話の第6問は易しくはありません。受験生は英語を聞く機会が多くはないでしょうからリスニングは大きな関門だと思います。

2年前の初めての共通テストに向けて対策プリントを作りました。先月末、そのプリントを見直して、新たなアドバイスを加えました。新しいプリントでは、各問題における設問内容を確認する時間や解答の時間を体で覚えて決して焦らないこと(然るべき時間が与えられています。)、無理して高得点を狙わずに自分の目標点を目指すことなどがポイントになっています。設問内容確認や解答の時間は、今年1月の共通テストを基準にして、プリントに書き入れました。

先日産自動車の輸出部門に在籍していた時に、会長の通訳をしている先輩からリスニングを鍛える便利で簡単な方法を教えてもらいました。上記のプリントでは、その方法も紹介しました。共通テスト対策だけではなく、社会人になった時にも使えます。将来、生徒の皆さんが英語を使ってコミュニケーションするようになった時に思い出してくれれば嬉しいです。


(2022年12月 8日) 【負けず嫌い】 [▲ 先頭へ]

サッカー・ワールドカップでは初のベストエイトには残れませんでしたが、日本チームは多くの感動を与えてくれました。強豪国ドイツ、スペイン戦の逆転勝利は見事でした。両試合で1点ビハインドの状況から同点ゴールを決めたのは堂安律選手でした。「俺が決めるっていう気持ちで入りました」というドイツ戦の後のコメントに堂安選手の気迫を感じました。彼は子どもの時から強気で負けず嫌いだったそうです。

インターネットのニュースにサッカー王国であるブラジルに関する面白い記事がありました。日本とブラジルの子どもを比べると、トラップやドリブルなどの技術レベルはほとんど差がないものの、メンタルの部分で明確な差があるとのことでした。ブラジルの子ども達には負けず嫌いな子が多く、仲が悪いわけではなく、ピッチ上ではチームメイト間で度々口喧嘩が起こるそうです。「負けたくない」という思いからです。

テニスの錦織圭選手も負けず嫌いだそうです。負けず嫌いはスポーツで活躍する選手に共通する性格のようです。負けると悔しい、悔しいから強くなるために厳しい練習を続ける。これがスポーツで実力を伸ばす条件でしょう。そして、このことは勉強でも言えると思います。あるテストで悪い点を取った自分が許せなくて、次のテストで自分にリベンジする。ライバルに負けないように勉強する。これらは負けず嫌いな性格が上手く作用しています。

2年前にも「負けず嫌い」という題名で本欄を書きました。(2020年7月23日) その時は、先日、「竜王」のタイトルを初防衛した藤井聡太5冠の負けず嫌いについて述べました。小学生の大会の決勝で負けて泣きじゃくる子供の頃の藤井5冠の姿は印象に強く残っています。将棋でもスポーツでも勉強でも「負けず嫌い」は実力を伸ばすための重要な条件のようです。

大学入学共通テストまで残り1ヶ月になりました。大学入試に対して、ワールドカップで見せた堂安律選手の気迫、覚悟で準備し、そして臨めば栄冠を勝ち取ることができるでしょう。


(2022年12月 1日) 【AI時代に英語を学ぶ価値】 [▲ 先頭へ]

日本経済新聞に「私見卓見」という投稿欄があります。読者の参考になる様々な意見が紹介されます。先週金曜日(11/25)の同欄は「AI時代に英語を学ぶ価値」というタイトルでした。言語学専門の大学教授の方の投稿でした。

翻訳機やスマホアプリでリアルタイムの通訳・翻訳が可能になったAI時代でも英語を勉強する必要があるだろうかという問題提起に対して、厳然として英語を学ぶ意義はあると論じています。その理由として、人はいつでもオンライン状態にいることはできないこと、AIにはまだ限界があること、単純な機械翻訳では意味が異なる場合があることの三つが挙げられています。

マンガ「天才バカボン」に登場するレレレのおじさんの決まり文句「お出かけですか」を機械翻訳すれば”Are you going out?” だが ”How are you?”が適切な翻訳であること、”subject”の意味は英文法においては「主語」であるが、心理学の実験では「被験者」を意味することを例として、人間の感情的な部分に機械が介在することができない限り、英語を学ぶ価値は色あせないと締めくくられていました。

その通りだと思います。観光で外国を訪問して買い物をしたり簡単な会話をしたりする時には翻訳アプリは便利です。しかし、ビジネス交渉をするような時は、意図した表現とは異なる翻訳は交渉当事者間の誤解を招きます。翻訳アプリがTPOをわきまえた表現をできるようになるまでには相当な時間がかかるでしょう。

私自身の経験からは、外国の空港やホテルでは翻訳アプリが使えるものの、ビジネスの場や人との交流においては翻訳アプリでは円滑なコミュニケーションができないと思います。外国の会社とのビジネスや外国の方々との交流のために英語をしっかり学ぶべきだと思います。


(2022年11月24日) 【コーヒーブレイク】 [▲ 先頭へ]

今回はちょっと一息です。2018年4月26日以来のコーヒーブレイクです。

高3クラスでは10月の記述式全国模試の結果が戻って個別面談をしています。3ヶ月後(2/25)の大学入試2次試験そして残り2ヶ月を切った共通テストに向けて、主に勉強の課題とその対策について話し合っています。気持ちの持ち方についても確認しています。

A君は中2の時から通ってくれています。30分程の真剣な面談の後に雑談しました。彼が中2の時、愛知県までトヨタ自動車の工場見学に行ったことがあります。自動車好きのA君ははっきりと覚えていて、忘れられない経験になったそうです。

彼は工場見学後のあることも覚えていました。工場を出てファミリーレストランでランチを取った時のことです。レストランの支払いを私がして、お母さまから預かった昼食代をお小遣いにするように言いました。お母さまへの若干の隠し事になりますが、喜んでくれるだろうと思ってしたことでした。当然忘れているだろうと思って聞いてみたのですが。彼は覚えてくれていました。

もう4年も経っているのに覚えてくれていて驚きました。ちょっとした気遣いの大切さを感じました。A君との面談はそのようなほっこりとした話で終了しました。


(2022年11月17日) 【中村天風先生の教え】 [▲ 先頭へ]

大学入学共通テスト(1/14・15)まで2ヶ月を切りました。高3クラスの皆さんは重苦しいプレッシャーと戦いながら勉強しています。受験が近づいたこの時期はメンタルコントロールが非常に大切です。ストレスがかかると気持ちはどうしても消極的になります。マイナス思考に陥れば受験勉強に集中できなくなってしまいます。

先日、高3クラスで気持ちを消極的にしないように話しました。その時は、中村天風先生の教えを伝えました。中村天風先生は実業家であり自己啓発の講演家で、天風会を作って心身統一法を広めました。パナソニック創業者である松下幸之助さんが天風先生の教えを実践したという話を聞き、天風先生の本を読んだことがあります。ずい分前のことです。改めて調べてみると、京セラの稲盛和夫さんや野球の広岡達郎さんも影響を受けたそうです。近年では松岡修造さんや大谷翔平選手も天風先生の教えを参考にしていると知り驚きました。

天風先生の本に「日常心得集」という付録がついていて、高3クラスではそれを参考にしました。困った、弱った、助けてくれ、というような消極的な言葉は絶対に口にしない。心が積極的か消極的かを常に検討して消極的なものは追い出す。未来のことを心配する取越苦労は厳禁。以上のようなことを話しました。メンタルコントロールの実践的な方法です。

松岡修造さんの本に、マイナス思考に陥りそうな時は、即座に自分自身に「ストップ」と言うと書いてありました。簡単に実践できるので、高3や中3の受験生のクラスでこの方法をよく紹介しています。元気一杯のあの修造さんは天風先生の教えを基にして「ストップ」と言っているのかもしれません。


(2022年11月10日) 【練習の成果】 [▲ 先頭へ]

先日、ある高3の生徒さんがにっこり笑って報告してくれました。学校で書いた自由英作文が英語の先生に褒められたとのことでした。こういう報告はとても嬉しいです。生徒の皆さんの実力が伸びることは大きな喜びです。

英語の自由英作文は近年の大学入試2次試験でよく出題されています。日本語を英語にする普通の英作文とは異なって、テーマに沿って自分の考えをまとめなければならないので難しいです。例えば、金沢大学では、今年、「日本の低い食料自給率に伴う問題点」という問題が出題されました。(設問の指示も英語) 日本語の小論文としても難しく、それを英語にしなければなりません。難問です!

金沢大学の英語2次試験は大問3問から構成されており、第1問、第2問はいわゆる長文問題で、第3問が自由英作文の問題です。試験時間は90分なので30分程度で書き上げなければなりません。長文2問の問題文はかなり長く、英語で答えなければならないので時間を要するかもしれません。そうすると自由英作文の時間が短くなりバニックに陥る可能性があります。金沢大学の英語の得点は第3問の自由英作文の出来具合に大きく影響されると思います。

高3クラスの自由英作文練習は、大学入試に出題されるようになって直ぐに始めました。最初は秋に入ってから始めましたが、なかなか書けるようにはならず、練習開始を8月位に早めました。それでも満足できる出来にはなりませんでした。テーマに合致していること、考えがまとまっていること、文法・スペルミスがないことというような条件はとても厳しいです。

最近は高3の春から練習を始めています。英作練習は毎回(週1回)で、和文英訳と自由英作文練習を交互に行います。この頻度でもまとまった英作文に至るまで時間がかかります。今年度の高3クラスでは練習時期をさらに早めて、昨年12月から英作練習3回に1回のペースで練習し、高3になってからは原則通り毎週交互に練習してきました。冒頭の生徒さんは約1年間の練習の成果が出ました。2月25日の2次試験まで3ヶ月半になりました。練習を続けて、彼らのレベルアップに努めます。


(2022年11月 3日) 【大学入試4ヶ月計画表】 [▲ 先頭へ]

先月末、高3クラスで一つのプリントを配りました。大学入試4ヶ月計画表です。11月1日から国公立大学・後期日程試験の来年3月12日までの毎日の予定が書き込める計画表です。かなり以前から中3生向けに11月の統一テストから3月初旬の入試までの予定を書き込める高校入試計画表を作っていましたが、10年ほど前から大学入試用にも作成しています。

模試日程や私立大学入試日程だけではなく自分自身の勉強計画も書き込めます。A3用紙1枚で、学校が休みの土日、冬休み、祝日には適度な網掛けをしてありますので、4ヶ月の計画を分かり易く一覧できます。私自身が浪人時代に同じような表を作って便利だった経験を生かしました。自宅の机の前に貼って活用してくれた生徒さんもいました。

暗くなる時間が早くなり街路樹も色づいて秋が深まり、共通テストが近づいてきたことを感じさせます。生徒の皆さんがそれぞれの目標を目指して効率的に勉強を進める手助けとして計画表を活用してくれればと思っています。


(2022年10月27日) 【英単語チェック終了時期】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミの高校英語クラスは宿題形式の英単語チェックから始まります。ある単語集には、英語の成績はほぼ正確に単語の力に比例する、と書かれています。それほど単語力は重要です。ゼミの授業でチェックしなくても、生徒の皆さんが自分で覚えれば良いのですが、それではなかなか覚えられません。強制力を伴えば覚えなければならなくなります。私は、単語チェックの時は厳しくなります。

大学入試が終わり合格の栄冠を勝ち取った人たちにアンケート調査をしています。「サミット・ゼミで良かった点」という質問項目があります。この質問に対して、単語を覚えられて良かった、という答えが結構あります。私としては非常に複雑な気持ちになります。単語は自主的に覚えて欲しいからです。しかし、結果的に生徒の皆さんに役立ったので良かったと自分に言い聞かせています。

ゼミでは基礎単語集と受験生用単語集の2種類の単語集を使っています。基礎単語集で高校初級の単語を固めた上で、高1の12月位に受験生用単語集に移ります。この受験生用単語集による単語チェックをいつ終了するかは一つのポイントです。できるだけ長く続けたいのですが、高3英語クラスでは長文読解練習や英作練習に時間がかかるため、リスニング練習の時間がなくなります。

今年度の高3クラスでは、生徒の皆さんの要望があり、例年より遅い今月初めまで単語チェックを続けてきました。共通テストから中堅大学レベルまでの単語を4回覚えてきました。(単語の暗記は繰り返しが重要です。) 高3の10月まで、毎回真面目に覚えてきた生徒さんはかなりの単語レベルになっています。

センター試験から共通テストに移って、英単語の重要度はかなり高くなったと思います。共通テスト第5問の伝記、第6問の論説2問は難しいです。単語力を上げれば、問題の難度が下がります。問題の難度が下がるだけではなく、英文を読むスピードが上がる効果もあります。高3クラスでは、単語チェックに替わってリスニング練習をしていますが、単語を覚えることについては指摘し続けるつもりです。


(2022年10月20日) 【高校への中学別進学者数】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日(10/17)の北國新聞1面トップ記事は衝撃的でした。今年春の泉丘高校への中学別進学者数の表が掲載されていたからです。高校への中学別進学者数を新聞で見た記憶がないので、このような情報が公開されるのかと驚きました。(私の記憶違いかもしれません。)

月曜日の新聞報道に続き、本日(10/20)発売の月刊北國アクタスには泉丘だけではなく二水、桜丘、小松、七尾高校の過去5年間の中学別進学者数が掲載されています。今までは推測の情報を伝え聞くことしかできませんでしたが、今回の公開により確定情報を得ることができました。進学者数は年度によって変動することがありますが、過去5年間の情報があれば大体の人数を知ることができます。

学習塾を運営している者として興味深く参考になる情報です。ゼミに通ってくれている皆さんの中学のデータを先ずチェックしました。彼らの学年順位により進学先候補がかなり明確になります。従来は模試データを中心に、統一テストや各中学での試験結果を加えて受験校を判断していました。県内の高校受験生の半分位が受ける模試データの信頼度は大きいので、それが中心であることは変わりません。しかし、今回の情報は有力なサポート材料になります。

進学校を志望している中学生の皆さんに与える影響は大きいと思います。ボーダーラインに位置していれば、焦る人もいれば良い刺激になって頑張る人もいるでしょう。彼らが現実を知ることにより前向きに勉強に取り組むことになれば、今回の情報公開の意義は大きいことになります。


(2022年10月 13日) 【星稜高校の入試問題】 [▲ 先頭へ]

先週ご紹介しました金沢高校と星稜高校の入試説明会で、今年2月に実施された入学試験の問題が配布されました。早速、両校の英語と数学の問題を解いてみました。それぞれよく吟味された良い問題でした。

特に、私の興味を引いたのは星稜高校の英語の問題でした。大学入学共通テストの問題を意識しているような問題が出題されていました。第2問、第3問が、それぞれ共通テストの第4問、第1問Bを思い起こさせる問題でした。星稜高校の入試問題作成を担当されている先生方は共通テストへのつながりを考慮されているのかもしれません。

さすが星稜高校、と思ったのは第1問でした。従来通り、発音とアクセントが出題されていました。(発音3問・アクセント2問) 大学入試センター試験で出題されていた発音・アクセントは共通テストでは出題されなくなりました。そういう状況変化にも拘らず、同校は出題を続けています。英語の勉強において発音・アクセントは基本の一つと判断されていることが分かります。

本欄で何回か述べた通り、私は、共通テストで発音・アクセント、文法・語法問題が出題されなくなったことは大問題だと考えています。英語でのコミュニケーションの大切さが指摘されているのに何故発音・アクセントが軽んじられるのでしょうか。英語文化への敬意が感じられません。その意味で、星稜高校が発音・アクセント問題の出題を継続していることは素晴らしいと思います。


(2021年10月 6日) 【私立高校入試説明会に参加して思ったこと 】 [▲ 先頭へ]

毎年9月、金沢の私立高校は学習塾を対象に入試説明会を開いてくれます。私は金沢高校と星稜高校の説明会に出席していて、先月も二つの説明会に参加して話を聞きました。両校の説明会には多数の学習塾が出席するので、ホテルの広い宴会場が会場になります。星稜高校の説明会の時は100人を大きく超える人が参加していました。

会場の後方に座ったので、参加者の多さに圧倒されました。金沢にも数多くの学習塾があることを改めて認識しました。学習塾がたくさんある中でサミット・ゼミを選んで下さったご父兄、生徒の皆さんのことを考えました。おかげさまで今月17日に24周年を迎えます。継続させて頂いていることに心より感謝申し上げます。

生徒の皆さん、ご父兄の皆さんのご期待にしっかり応えなければなりません。6名までの少人数を生かして、一人一人の生徒さんを丁寧にサポート致します。皆さんそれぞれの個性に合わせて柔軟に対応致します。英語や数学の授業の分かり易さを追求すると共に、生徒の皆さんの心にやる気の火を灯せるよう工夫し、努力するつもりです。


(2022年 9月29日) 【絶対的な計算力】 [▲ 先頭へ]

高3数学クラスでは毎週交互に数TAと数UBの問題を解いています。共通テストかセンター試験形式の60分(共通テスト数TAは70分)の問題を使います。解き終わった後は、丸付けをして生徒さん個別にその日の課題を確認します。課題を一つずつ着実に克服していくことにより、少しずつ得点力が安定していきます。

授業で使う問題は必ず事前に自分で解きます。正直に言って、制限時間の60分(あるいは70分)は厳しいです。学生時代に数学が得意だったとはいえ、加齢により計算力は落ちていると思います。数学の問題を解くときはとにかく集中します。毎週、問題を解いていて思うことは、当然のことながら、速くて正確な計算力の必要性です。時間との戦いという側面のある共通テストにおいて、計算力は絶対条件です。

サミット・ゼミのクラス設定は中2からです。中2クラスや中3クラスの数学の時間には、この共通テストにつながる絶対的な計算力を意識しています。スピードも大切ですが、先ずは正確性に注意します。計算ミスを避けるため途中式を省かないこと、文字・数字を丁寧に書くことも重要な要素です。将来のことを見据えて、中学生の皆さんのプリントをチェックしています。


(2022年 9月22日) 【学習参考書の復刊】 [▲ 先頭へ]

今月10日(土)の日経新聞の読書面にちょっと変わった写真が載っていました。復刊された学習参考書が並べられた写真で、2019年9月26日付け本欄で紹介した現代文の参考書「新釈 現代文」も含まれていたので、すぐに目に留まりました。日経新聞で学習参考書の写真を見るのは、意外な組み合わせで不思議な感覚でした。

最近は、英語や国語など文系科目で、絶版となった学習参考書の復刊が相次いでいるそうです。古くても読解力や解釈力など基本を重視した重厚な内容が、学び直しをしたい大人のニーズに合致したと分析されていました。現代の高校生ではなく、かつて受験勉強に使った50〜60代が読者として想定されているようです。

学習参考書は入試傾向の変化や教科書の改訂のために絶版となる運命にあるものの、教養書として現代でも通用する本もあるという指摘がありました。ある現代文の参考書は、学び直しをする若い会社員に注目され、ビジネス書コーナーに並べる書店もあるとのこと。学習参考書がビジネス書コーナーに置かれるのは面白いマッチングです。

1970年代頃のベストセラーである「新釈 現代文」は、この参考書で勉強した受験生が親になり、自分たちの子供に読ませたいということで復刊が望まれて実現しました。優れた学習参考書に対してそのような要望が多いのは納得です。因みに、復刊された「新釈 現代文」は直ぐに購入して、内容を1枚のプリントにまとめました。サミット・ゼミには国語の授業はありませんが、高校クラスの生徒の皆さんにそのプリントを渡しています。


(2022年 9月15日) 【単語集探し】 [▲ 先頭へ]

先月末に東京へ行ってきました。目的の一つが単語集を探すことでした。高校英語クラスでは2種類の単語集を使っています。受験生用単語集と基礎単語集です。それぞれの単語集を長年使ってきましたが、基礎単語集が少し前に絶版になってしまいました。今年度の高1クラスは何とかなったものの、来年度以降の準備をしなくてはなりません。

上京する時はよく新宿にある紀伊國屋書店を訪ねます。高校クラス向けの教材をチェックするためです。1階から8階までのフロアがあり、学習参考書は7階にあります。問題集や参考書など品揃えは豊富です。今回もこの新宿本店へ行きました。今回は基礎単語集調査という明確な目的があり、単語集がまとめて置いてあるコーナーと大手予備校が出版している教材のコーナーを行ったり来たりしました。

単語集は何種類もあり、かなり迷いました。定員さんにも尋ねました。結局、受験生用以外の単語集を全てチェックしようと意を決し、多くの単語集を手に取りました。レベル、本の構成等の内容を調べた結果、2種類の候補に絞りました。1時間以上かかりましたがスッキリしました。どちらにするかは今後検討します。

基礎単語集は高1の12月位まで使い、その後は受験生用単語集に移ります。因みに、高校英語クラスは宿題形式の単語チェックから始まります。大学合格者に対するアンケート結果では、ゼミの授業で単語を覚えられて良かったという声が少なからずあります。効果的かつ使い易い単語集選びにはこだわります。


(2022年 9月 8日) 【ある高1生の焦り】 [▲ 先頭へ]

お世話になっている知人から高1の息子さんについての相談を受けました。進学校に通う生徒で、勉強に対して焦っているとのことでした。実際に会っていろいろと話してみました。焦りの原因は三つありました。勉強が難しくなったこと、学年順位、そして友人の情報でした。

中学に比べて勉強が難しくなるのは当然のことです。例えば、2次関数の文字を使った場合分けの問題は多くの高校生が苦手とします。解決策は思考力です。何故、そのように場合分けする必要があるのかを考えなければなりません。問題の解き方をただ覚えるのではなく、何故そのような解き方をするのかをしっかり理解できれば、同じような問題に対応することができるようになります。

上位校で学年順位を気にする生徒は少なくありません。中学の時にトップ層だったのが、ちょっと手を抜けば学年中位、下位になってしまいます。私が考える対策は全国レベルでの自分の成績を意識することです。志望する大学に合格できるレベルは全国模試での偏差値で分かります。自分がその大学に合格できるレベルを目指して頑張り、そのレベルに達すれば学年順位も上がっているものです。自分の成績と学年順位は同じようなものですが、ものの捉え方、考え方の違いで気持ちは変わります。

知人の息子さんを一番焦らせていたのは友人の情報でした。大手の予備校で先取り学習をしていて、そのことを彼に話しているそうです。高校でまだ習っていない分野(特に数学)のことを友人から得意げに話されれば誰でも焦ってしまうでしょう。学校自体が先取り学習をしているのなら特に問題はありませんが、予備校や学習塾で先取り学習をすることには私は反対です。学校のカリキュラムが信頼できるのであれば先取り学習の必要はありません。むしろ、学校の勉強と予備校の勉強の両方とも消化不良になる危険性があります。

話を聞いた上で、彼には次のように話しました。先ずは普段の学校の授業を大切にすることです。これには必要な予習や復習も含まれます。そして、毎回の定期テストに真剣に取り組むことです。これら二つのことを実行できれば、全国模試での成績は確実に上がるはずです。当然学年順位も上がるでしょう。


(2022年 9月 1日) 【夏休み明け実力テスト】 [▲ 先頭へ]

夏休みが終わり、今週、各中学で実力テストが行われています。中2クラスでは、英語、数学とも既習分野を復習してきました。

英語は、be動詞・一般動詞の過去形、過去進行形、未来形、接続詞、不定詞、5文型という大切な分野を丁寧に復習しました。先週はまとめの問題練習をしましたが、ちょっとしたミスが散見されました。基礎知識の反復練習の重要性を改めて感じました。生徒の皆さんに「しつこい」と思われる位反復すれば基礎がガッチリ固まるのでしょう。

数学は、基本計算、説明(奇数と奇数を足せば偶数になるような説明)と連立方程式が三つの柱でした。説明問題がポイントで、多くの中2生が苦手にします。しかし、生徒の皆さんは説明問題の書き方をしっかりマスターしてくれていました。連立方程式の応用問題にも力を入れ、様々な問題を解きました。

私的にはやり切った感があります。これが自分の思い込みかどうかが実力テストの結果で判定されます。自分の感覚の精度はどうでしょうか。厳粛な気持ちで結果を待ちます。


(2022年 8月25日) 【TOEICを視野に入れて】 [▲ 先頭へ]

2週連続で高3英語クラスの2次試験過去問練習について述べました。授業ではこの記述式問題練習とマーク式問題練習を繰り返します。マーク式問題練習では共通テスト形式の問題を使います。速読を磨くこと、問題形式に慣れること、各大問の配分時間を体得することがテーマです。このマーク式問題練習の後は、文法語法の問題練習です。

文法語法問題練習ではセンター試験形式の問題を使っています。センター試験は2020年1月まで実施され、昨年1月から共通テストに替わりました。両方とも80分で大問が6つあります。センター試験の第1問は発音・アクセント問題、第2問は文法・語法・語句整序問題で、第3問以降が読解問題でした。共通テストは全てが読解問題で発音・アクセント、文法・語法・語句整序は出題されません。

国公立大学の入試では、一部で語句整序問題が出題されますが、一般的に文法語法問題は出題されません。しかし、センター試験形式の第1問・第2問練習を継続しています。発音・アクセント練習は、高3の皆さんが将来英語でコミュニケーションを取る時に役立つと考えています。また、文法語法問題は、英文を読んだり書いたりする時の基礎知識を確認するだけではなく、大切な目的があります。

それは、生徒の皆さんが近い将来に受けるTOEICです。最近は、入学後にTOEICを受験させる大学が少なからずあります。社会における英語の資格としてのTOEICの重要性は言うまでもありません。TOEICのリーディングセクションはPart 5からPart 7です。Part 5は文法問題、Part 6は語法問題で、Part 7は様々な読解問題で構成されています。センター試験第2問練習は、TOEIC Part 5とPart 6につながっているのです。

私自身がTOEICを受けている時、リーディングセクションが伸び悩んだことがありました。教本を買って勉強し直したところ、文法語法で甘い点があることを発見しました。TOEICの問題構成と私自身の経験を踏まえて、文法語法問題練習を継続しています。センター試験形式第1問・第2問練習が生徒の皆さんの役に立つ時は必ずくるはずです。


(2022年 8月18日) 【英語2次試験過去問練習 その2】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄でお伝えした通り、今週の高3英語クラスでは難問に挑戦しました。今年の名古屋大学の問題でした。単語が難しいだけではなく設問が難しかったです。文の流れに沿った英単語を選ぶ問題、5つの英文を並び替える問題、14個の英単語を並べ替える問題が特に難しく、2つの和訳も易しいものではありませんでした。

2次試験過去問練習をする時、生徒の皆さんが問題を解いた後は個別に解答をチェックします。その後、全英文を和訳しながら答えの解説をします。難問の場合、英文に書かれている内容から筆者の意図を説明することもあります。その時は国語の現代文の授業のようです。英文構造が複雑な場合は、ホワイトボードに英文を書いて説明することもあります。英文構造を把握する力、内容を読解する力、設問に答える力を育てる大切な授業です。

今週の名古屋大学の問題は設問が難しかったので、いつも以上に丁寧に解説しました。2月25日の2次試験前期日程まで半年余りになりました。英単語をしっかり覚えて欲しい。読解力を上げて欲しい。そういう意図を込めて、今週は難問に挑戦しました。生徒の皆さんは私の意図を受け止めてくれたでしょうか。

高3英語クラスの授業時間は2時間で、原則として2次試験過去問を使った記述式問題練習とマーク式問題練習を交互に繰り返します。授業最初は毎回、宿題形式の英単語チェックで、10分ほどかかります。その後、記述式問題練習をする場合、今週のような難問で、解説を丁寧にすると時間が苦しくなります。今週は20分程しか残らず、英作文練習をする余裕はなかったので、リスニング練習に切り替えました。本当は英作文練習もリスニング練習もしたいのですが、大体は英作文練習だけで終わってしまいます。この時間のやり繰りが最近の課題です。


(2022年 8月 11日) 【英語2次試験過去問練習】 [▲ 先頭へ]

昨年度は高3クラスが未設定で力を温存?したこともあり今年度は気合が入っています。6月末の発売直後に購入した今年の国公立大学2次試験の問題集(英語)を早速活用しています。分野、長さ、難度、 設問形式をチェックして授業で使えそうな問題を調べる作業を直ぐに終え、既に7問を解いてみました。毎年、その年の2次試験問題を解くのは9月から11月にかけてなので、かなり早いペースです。

実際に解いて授業で使えると思った問題は、問題文の全英文をチェックします。英単語を調べ、英文構造を確認し、筆者の伝えたい内容をしっかり把握するので、難問の場合はかなり時間がかかります。この作業は授業の分かり易さに直結しますから手を抜くことはできません。7問の内、4問のチェックが終わりました。単語が難しく、ストーリー展開がわかりにくい問題もありました。

どの過去問を何月頃に解くかという授業スケジュールの基本形は既に出来上がっています。今後は、今年の問題をどのタイミングに組み込むかを検討します。毎年新しい問題を加えることで授業をより効果的にすることができます。因みに、来週の高3英語クラスでは、ある難関大学の今年の問題に挑戦する予定です。今の段階としてはかなりの難問ですが、半年後にはこのレベルの問題を解くことになることを認識してもらうことを狙っています。

難問ばかりを選ぶわけではありません。標準レベル(センター試験・共通テストレベル)の問題も解きます。先日解いた問題は秋の全国模試前の高2クラスでの練習に相応しいものでした。最近は2次試験過去問練習を高2の初期から始めています。毎年の2次試験問題を加えることにより、自動運転やAIなどの時代のキーワードに関する問題を取り入れることができます。2年間の授業スケジュールは少しずつ進化しています。


(2022年 8月 4日) 【positive attitude】 [▲ 先頭へ]

中2クラスの皆さんの英語の勉強を支えるために教科書(New Horizon 2、New Crown 2)の基本文や大切な表現をまとめたオリジナル資料を6月末までに作成しました。その後、彼らの復習用にNew Horizon 1とNew Crown 1の資料も作りました。従来は1年生用の資料は準備しませんでしたが、昨年の教科書改訂で1年生範囲が難しくなったので作成することにしました。

New Crown 1の資料作りの際、ある言葉が印象に残りました。車いすバスケットボール女子日本代表キャプテンの網本麻里さんの”Have a positive attitude. Then you can enjoy your life.” (態度を前向きにしなさい。そうすれば人生を楽しむことができます。)という言葉です。バスケットボールをしていた網本さんは足のケガで車いすバスケットボールに転向しました。最初は面白く感じなかったそうですが、外国のチームの情熱に触発されて車いすバスケットボールに打ち込んだそうです。

人生はなかなか思い通りにはいきません。そうすると気持ちが暗くなってしまいます。気持ちが暗くなると人生は楽しくありません。そのような場合には網本さんの言葉を思い出せば良いと思います。どのような状況になろうとも気持ちの持ち方が大切で、それ次第で人生が豊かになることを教えてくれています。日常生活を充実させてくれる素晴らしい言葉だと思います。

早速、高3クラスで網本さんの言葉を紹介しました。大学受験勉強は大変です。やらされている、仕方なくやっているというような後ろ向きな気持ちでは、勉強が苦しいだけで効果があまり上がらないでしょう。自分の目標達成のためにやるのだ、というように積極的、前向きに取り組むことができれば、充実感が出てきて学力は確実に上がるはずです。


(2022年 7月28日) 【圧倒的に行動する】 [▲ 先頭へ]

先週の本欄で、教え子から届いた就活に関する報告について述べました。気持ちが籠められた長い報告でした。感心させられる言葉が幾つか書かれていましたので、今回はその一つについてご紹介致します。

「自分の頭で考える」と「圧倒的に行動する」の2点があれば、自分の叶えたいことは叶えられる、という言葉です。私は「圧倒的に」という表現にハッとさせられました。小説家を志す一面のある彼の表現力に圧倒されました。物凄い熱量を感じさせるこの言葉は、彼の2ヶ月間の凄まじい就活を的確に表していると感じました。

最近は人手不足が叫ばれています。経済全体では、大学生側の立場が強い売り手市場になっているでしょうが、人気企業では企業側の立場が強い買い手市場です。そのような状況の中で7社からの内定を得た彼の就活は見事なものです。それを可能にしたのは上述の2点とのことです。「自分の頭で考える」は、就職という現実を正面から捉えて、自分の適性や希望を冷静に分析したということです。「圧倒的に行動する」は、悔いを残さないようにできる限りのことをするということです。当たり前のように見えることですが、それを実際に行うのは容易なことではないと思います。

高3クラスで彼の言葉を紹介しました。特に「圧倒的に行動する」という言葉です。ほとんどの高3生は先月初めに部活が終了して本格的な受験勉強が始まり2ヶ月になろうとしています。受験生全体が勉強していますから偏差値を上げることは大変です。志望校のレベルに達していなければ他の受験生よりも努力しなければなりません。何となく勉強するのではなく、やるべき課題を整理して一つ一つ着実にこなしていければ成績は上がります。この夏休みはチャンスです。夏に「圧倒的に」勉強できれば自分のレベルは確実に上がります。


(2022年 7月21日) 【就活の報告】 [▲ 先頭へ]

先週土曜日(7/16)、東京の著名なIT企業に就職が決まった大学4年の教え子からメールが入りました。LINEではなくメールにするということでした。「就職活動、総記」というタイトルのメールは400字詰め原稿用紙にすると10枚ほどの長いもので、就職活動の流れと就活で得た所感を詳しく伝えてくれました。

昨年末から少しずつインターンに行きだしたものの、今春は、将来のことを真剣に考えることから逃げていたそうです。しかし、5月に入ってからは就活に正面から向かい合い、2ヶ月間かなり精力的に取り組みました。凄まじいと言えるほどの活動が書かれていました。その結果7社から内定を得ました。

凄まじい就職活動を支えたのは彼の高校受験の成功体験だったそうです。中3の夏休みから合格したい一心で勉強に取り組んだ時の熱中感が、就活の2ヶ月間の熱中感に似ていたそうです。私自身は浪人時代の勉強への集中が自信につながりました。ある期間しっかり努力すれば然るべき成果につながると思いました。彼のメールを読んでいて、高校受験や大学受験の時の頑張りは将来の頑張りにつながるものだと改めて思いました。

彼が感謝してくれたことは「自分の頭で考える」ということです。ゼミの授業を行う際の基本方針の一つです。中学時代から何度も何度も叩き込まれたことで大きな武器になったと書いてくれました。私は自分の社会人経験を踏まえて、どんな場合にも自分で判断できる人間になって欲しいと思って生徒の皆さんに接しています。彼の就活の支えになったことは大きな喜びです。

メールの最後には、ゼミで学んだこと、そしてその精神を大切にして社会で活躍したいと記されていました。時には刺激を与えながら、今後の彼の活躍を見守るつもりです。小説家を志す面も持っている彼の長いメールの中にはハッとさせられる言葉が幾つも出てきました。次に上京する時に一緒に飲む約束ができたので、その時に熱い会話を交わそうと楽しみにしています。


(2022年 7月14日) 【フェイク情報にご用心】 [▲ 先頭へ]

中高生の頃は本をほとんど読んでいなかったと先週告白しましたが、今はまあまあ読んでいます。職業柄、学習参考書を購入したりチェックしたりもしますから、香林坊東急スクエアにあるうつのみや書店にはよく行きます。馴染みになった定員さんもいます。

先週、学習参考書のコーナーでその定員さんから妙なことを聞きました。共通テスト対策の実戦問題集は大手予備校などが出していますが、例年と比べて昨年はある会社のものの売れ行きが芳しくなかったそうです。変だなぁ〜と思いました。その会社の問題集は、解答の解説が丁寧なので、私は良い印象を持っています。

数年前、金沢の進学校で、高3生の間に歪んだ情報が広がったことがありました。秋から冬にかけて私立大学の受験校を検討する頃、同志社大学は良いが立命館大学は良くないというフェイク情報が広がりました。私の生徒さんがその情報に惑わされて、立命館大学を受験候補の大学から外そうとしていました。根も葉もない噂でした。

大学受験生は相当なプレッシャーの中で勉強していますから、ちょっとした噂に敏感に反応してしまい、それが拡散するのではないかと思います。上記の私立大学の話は全く根拠のないものであり、うつのみや書店での実戦問題集の売れ行きの話も同様です。今週の高3クラスでは、根拠のないフェイク情報に気をつけるよう話しました。

そういえば、中高生のお母さま方の間で流れる情報にも首を傾げるものが少なくないようです。煽り立てるような情報はフェイクの可能性が大きいです。どうぞご注意下さい。


(2022年 7月 7日) 【変なカミングアウト】 [▲ 先頭へ]

高校英語クラスでちょっと変わったカミングアウトをしました。私は大学入試で出題されるような文章を読むことが本当は好きではないということです。共通テスト第5問や第6問のような問題では、その長さに頭が痛くなります。授業の準備のために2次試験の難しい問題や共通テスト形式の長文問題を解く時は、嫌だという感情を抑えます。

高校は理数科に入学し、本を読むより数学の問題を解く方がはるかに好きでした。理数科時代、夏休みの計画表を提出する時、読書計画欄を空白にしたことがあります。先生に叱られて、読む本を指示されました。中高生時代、学習参考書を別として、図書館で借りたり本屋さんで買ったりして本を読んだという記憶はほとんどありません。

私が本を読み始めたのは東京に住み始めてからです。通学や通勤の電車内での時間つぶしのために本を読みました。結果として、「徳川家康」や「宮本武蔵」のような歴史小説、高杉良や清水一行の経済小説を結構読みました。今は、就寝前の少しの時間、気になる本を読んでいます。

生徒の皆さんは、私には国語や英語の才能があって、英語の難しい問題でもスラスラ解けると思っているかもしれないと感じました。決してそうではなく、文章を読むことが好きではない私は、問題文の長さや難しさと戦いつつ、正しい読み方をすることによって問題を解いていることを伝えました。正しい読み方とはテクニックであり、生まれつきの才能ではありません。

私のカミングアウトは生徒の皆さんへの激励のつもりでした。先生も頑張って読んでいるのだから、自分も頑張ろうと思って欲しかったのです。カミングアウトは昨年末のことで、英語長文問題を解説する時は、今でもその話をすることがあります。ちょっとした恥ずかしさを伴うカミングアウトが彼らの読解力向上につながることを祈っています。