先月、大学のクラス会に出席するため上京しました。クラス会の日程を決める時は私のスケジュールを最優先にしてくれるので、受験シーズンが始まる前で、中3生の統一テストが終わった頃を毎年指定しています。丁度日展の開催時期に当たりますので、私は毎年日展を鑑賞することができます。 ある友人が今の大学入試のシステムを尋ねてきました。経済団体幹部として活躍している親友です。大学入試センター試験と各大学の2次試験そして私立大学の入試の仕組みや受験科目について説明したところ、彼は、私立大学も全て大学入試センター試験、特に数学を受験すべきだと言いました。彼の部下には有名私立大学出身であっても論理的思考が甘い人が少なからずいるそうです。確かに、私立大学の一般受験であればセンター試験は不要で、しかも文系学部であればランキング上位校でも数学なしに受験することができます。 ところで、今月9日に実施された石川県総合模試の数学の平均点は46.7点でした。今年度4回行われた模試の中で最も難しい試験でした。1番は普通の計算問題で、2番の(1)で考えさせる問題が出題されました。参考までにその問題をご紹介致します。 「2.電車で駅に到着した乗客が、サッカースタジアムまで中型と小型の2種類のタクシーで移動する。乗客は、中型に5人まで、小型に4人までそれぞれ乗ることができる。(1) 乗客47人が、中型、小型の何台かで移動する。例えば、中型3台に5人ずつ、小型8台に4人ずつ乗ると、5x3+4x8=47となり、どのタクシーも空席なしで47人が移動できる。この他に、どのタクシーも空席なしで47人が移動できるのは、中型(ア)台、小型(イ)台の場合である。」 また、3番はあまり見かけない規則性の問題でした。2番、3番と筋道立てて考えなければならない問題が続いたので、あわててしまった受験者が多く、結果的に平均点が下がったと思われます。 私には、国公立、私立を問わず全ての大学受験生は数学のセンター試験を受けるべきだとの友人の提案と、数学の模試の低い平均点との間には何らかのつながりがあるように思えます。ご紹介したタクシーの問題を解くために要求される考え方は社会に出た時に必要なものです。 2007年はもうすぐ暮れようとしています。来年は、サミット・ゼミにとって10周年を迎えるという節目の年になります。今も中学クラスでは数学の授業がありますが、何らかの進化を考えたいと思っています。この一年間、ご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。どうぞ良い年をお迎え下さい。
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