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(2007年 7月 〜 2007年12月)


(2007年12月27日) 【友人の提案】[▲ 先頭へ]
先月、大学のクラス会に出席するため上京しました。クラス会の日程を決める時は私のスケジュールを最優先にしてくれるので、受験シーズンが始まる前で、中3生の統一テストが終わった頃を毎年指定しています。丁度日展の開催時期に当たりますので、私は毎年日展を鑑賞することができます。

ある友人が今の大学入試のシステムを尋ねてきました。経済団体幹部として活躍している親友です。大学入試センター試験と各大学の2次試験そして私立大学の入試の仕組みや受験科目について説明したところ、彼は、私立大学も全て大学入試センター試験、特に数学を受験すべきだと言いました。彼の部下には有名私立大学出身であっても論理的思考が甘い人が少なからずいるそうです。確かに、私立大学の一般受験であればセンター試験は不要で、しかも文系学部であればランキング上位校でも数学なしに受験することができます。

ところで、今月9日に実施された石川県総合模試の数学の平均点は46.7点でした。今年度4回行われた模試の中で最も難しい試験でした。1番は普通の計算問題で、2番の(1)で考えさせる問題が出題されました。参考までにその問題をご紹介致します。

「2.電車で駅に到着した乗客が、サッカースタジアムまで中型と小型の2種類のタクシーで移動する。乗客は、中型に5人まで、小型に4人までそれぞれ乗ることができる。(1) 乗客47人が、中型、小型の何台かで移動する。例えば、中型3台に5人ずつ、小型8台に4人ずつ乗ると、5x3+4x8=47となり、どのタクシーも空席なしで47人が移動できる。この他に、どのタクシーも空席なしで47人が移動できるのは、中型(ア)台、小型(イ)台の場合である。」

また、3番はあまり見かけない規則性の問題でした。2番、3番と筋道立てて考えなければならない問題が続いたので、あわててしまった受験者が多く、結果的に平均点が下がったと思われます。

私には、国公立、私立を問わず全ての大学受験生は数学のセンター試験を受けるべきだとの友人の提案と、数学の模試の低い平均点との間には何らかのつながりがあるように思えます。ご紹介したタクシーの問題を解くために要求される考え方は社会に出た時に必要なものです。

2007年はもうすぐ暮れようとしています。来年は、サミット・ゼミにとって10周年を迎えるという節目の年になります。今も中学クラスでは数学の授業がありますが、何らかの進化を考えたいと思っています。この一年間、ご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。どうぞ良い年をお迎え下さい。

(2007年12月20日) 【小論文練習スタート!】[▲ 先頭へ]
中3クラスでは今週から小論文練習を始めました。サミット・ゼミの小論文克服戦略は、作文練習を重ねてどのようなテーマでも200字程度を10分以内で書けるようにした上で、初冬の時期から本格的な小論文の練習に入ることです。3月中旬に授業を開始してから毎月2〜3回200字の作文練習を重ねてきました。目先の変わったテーマでも大体対応できるようになっています。

小論文練習を始める前に作文と小論文の書き方の違いに関する資料を説明しました。ポイントは、作文は自分が思った事を素直に書く、小論文は自分の考えを論理的に説明する点です。文章の書き方にも違いがあります。小論文では原則として断定的な表現を使います。

今週1回目の練習をして、3月12日の本番までに5回程度練習する予定です。幾つかのパターンで3回位練習するとうまく書けるようになるものです。以前ある生徒さんが立派な小論文を書き、それを子供部屋を掃除していたお母さんがたまたま読まれて感心されたこともありました。

ただし、小論文が書ける前提として、国語の入試で課される200字程度の作文が書けないといけません。200字程度の作文がうまく書けない人には日記をつけるように話しています。日記をつけることで、自分の気持ちや考えを文章にすることに慣れるからです。英語は習うより慣れろとよく言われます。作文や小論文でも同じです。

(2007年12月13日) 【高2・秋の全国模試】[▲ 先頭へ]
高2の皆さんは先週定期テストがあり、その後10月末に行われた全国模試の結果が返却されました。そこで、今週の高2クラスでは、模試結果に基づいて個別反省会をしました。英語を含めた各科目の勉強法のアドバイスや進路の相談がその内容です。

石川県のほとんどの高校1・2年生は進研模試を、7月、11月そして1月に受験します。高2の7月までは英数国の3教科だけでしたが、秋の模試からは理科・社会の科目が加わりました。大学受験に必要な科目が揃うので、志望校の判定も真実味が増しました。

英語・数学・国語の成績は大体今までの成績推移の延長線の範囲内でしたが、理科・社会の成績は結果が分かれました。学校の授業を真面目に聞き、定期テストの勉強を真面目にこなしていた人は然るべき成績でしたが、そうでなかった人には厳しい結果になっていました。

今の高2クラスが始まったのは昨年の夏休みです。その後何回も指摘していたのは、高1・高2ではまず英数国を固めること、理科・社会は家庭学習までの必要はないものの、学校の授業を大切にして定期テストの試験範囲はしっかり勉強しておくことでした。大学受験の勉強とは高1・高2で学んだことの復習です。その時々に学習する内容を疎かにすれば、その付けが将来に回ることになります。

もうすぐ冬休みです。高2の皆さんは、秋の模試結果をしっかり分析して、1年余り後の大学受験を目指した学習計画を立てると良いでしょう。そして、優先順位の高いものから実行です。

(2007年12月06日) 【OECD学習到達度調査 その2】[▲ 先頭へ]
昨日(12月5日)OECD学習到達度調査の結果が報道されました。この調査はOECD(経済協力開発機構)が2000年から15歳を対象に始めました。昨日報道されたのは昨年実施された3回目の調査結果で、OECD加盟国を中心に57の国・地域が参加しました。

化学的応用力は2位→2位→6位、数学的応用力は1位→6位→10位、読解力は8位→14位→15位と推移し、調査された全科目で順位が下がりました。学力低下傾向が顕著に表れてしまったという印象です。教科書の内容が3割削減された「ゆとり教育」が始まったのは2002年度で、昨年度(2006度)の教科書改訂で若干改善されたものの、「ゆとり教育」前の教科書レベルまでは戻っていません。従って、次の調査で日本の順位が上昇に転じる可能性は小さいと思われます。

成績ランキングを見ていて気になるのは、韓国、台湾、香港といった近隣のアジア諸国です。これらの国々は、調査された各分野で日本を上回っています。日本の学習到達度が相対的に低下していることは、将来の研究開発活動や経済活動での日本の国際競争力が下がることにつながります。また、本欄で何回も指摘している高校での理科・社会学習の偏りも気になるところです。

今回のOECD調査対象の15歳の生徒達が社会の第一線で活躍し始めるのは約20年後です。その頃、自動車や電化製品等が韓国製や台湾製になっていないでしょうか。製品が国内製でないとすれば、日本のメーカーが倒産するだけではなく、数多くの部品会社、物流会社等にも連鎖的な影響があります。経済大国と言われる日本の将来に黄信号が点滅しています。

(2007年11月29日) 【高校入試100日計画表】[▲ 先頭へ]
クリスマスのイルミネーションが話題に上る候になり、今年も中3の皆さんに高校入試100日計画表を配りました。来年度の公立高校入試は3月11日・12日で、次の日曜日が入試まで丁度100日になります。今年はプリンターを新しくしたので、今回の計画表は昨年までより少し大きめのA3版になり書き込み易くなりました。

100日計画表を配った時に計画の立て方について説明しました。後期・中間テスト前は試験範囲の勉強に集中し、その後は冬休み明けの統一テストが大きな目標になります。そこで、先ず統一テストまでの計画を立てるように話しました。統一テストが終われば私立高校の入試が目標になり、私立高校入試の次は3月11日が目標になります。

サミット・ゼミでは英語、数学、国語200字作文、小論文の勉強をしていますから、計画の立て方は主に理科・社会についてです。金沢地区の統一テストは1月9日(水)です。12月1日(土)から統一テストに向けた勉強を始めるとすれば1月8日までに、学校が休みの日は21日、学校に通う日は18日あります。

理科・社会の勉強に使う教材は学習参考書、いわゆる厚物です。学習参考書は中学3年間分が約30単元にまとめられています。学校が休みの21日間は理科・社会の両方を1単元ずつ、学校に通う18日間は両科目を交互に1単元ずつ復習すれば、21+9=30で両科目とも30単元分が勉強できます。統一テストまでにピッタリ3年間分が総復習できるのです。12月初旬に中間テストがある中学は総復習を11月中に始めるように言いました。

中学3年間分の理科・社会を一通り復習するのは今回が最後のチャンスです。夏休みと秋にそれぞれ一通り復習してあれば3回目の総復習になりますから、習得度がかなり大きくなるはずです。このような形で1月9日を迎えれば、統一テストは怖くありません。

(2007年11月22日) 【秋深し 相談メール いと辛し】[▲ 先頭へ]
街路樹が冷たい風に襲われて赤や黄に色づいた葉が舞っています。秋が深まるとともに、大学受験生や高校受験生の父兄の皆様、多くはお母さん方から時々メールが入ったり電話がかかったりしています。

生徒の皆さんは頑張っているのですが、夏頃からは高3生、中3生のほとんどが気合いを入れて勉強していますから、期待通りには成績は伸びません。受験生本人も辛いところですが、父兄の皆様の立場にはなかなか難しいものがあります。一般的に受験生は年代的に難しい年頃なので、お父さんやお母さんとのコミュニケーションが円滑にはいかないこともあります。

そのような時に相談の連絡を頂きます。先ずは、生徒さんの現状を説明します。テストや模試結果に基づいて個別に反省会をしていますから生徒さんの成績や課題は把握しています。また、教室での顔つきや様子で集中の度合いがわかります。現状説明の後は、進路の話や具体的な相談事項になります。

相談の連絡で一番答えに窮するのは、お母さん方からの「私はどのようにすれば良いですか」という質問です。お母さん方の気持ちは非常によくわかるのですが、残念ながら十分納得して頂ける答えはありません。「健康管理に気をつけて、普通にしていて下さい」が大体の答えです。見守り応援することが主な役割であるご父兄の皆さんは大変だと思います。

(2007年11月15日) 【中学数学の正念場】[▲ 先頭へ]
中3生の数学は「相似な図形」に入ろうとしています。この単元は「相似な図形」と「平行線と比」に分かれます。前者の中心は三角形の相似の証明で、後者では幾つかの定理を使いながら線分の長さの比を求めます。

以前、数学が苦手な高校生とした雑談の中で、いつ頃から数学が分かりづらくなったか聞いてみました。答えは、中3の丁度この時期でした。三角形の相似の証明はさほど難しくはありません。問題は「平行線の比」です。何本かの平行線、三角形、平行四辺形等に引かれた線分の比を求める問題は確かに易しくはありません。

平行四辺形に対角線や何本かの線分が引かれて線分の比や三角形の面積の比を問う問題は、一見すると頭が混乱してしまいそうになります。このような問題では、ある解法のテクニックを使えば対処できますが、その解答手法をマスターするためにはかなりの問題を解いて解き方に慣れる必要があります。

次に続く単元は「三平方の定理」です。中学数学の最重要定理とも言える三平方の定理(ピタゴラスの定理)自体は非常に簡単な定理ですが、平面図形、空間図形の様々な部分に応用されます。一昨年の石川県高校入試の雪つりの問題は、三平方の定理を使った良問でした。

第一回統一テストが今週実施され、中3の皆さんは受験モードが高まってきました。高校入試において数学の出来不出来は合否に直結する可能性が大です。その数学において、これから学ぶ二つの単元は非常に重要です。ここをうまく乗り切るか否かは、高校入試での数学の得点に影響するだけではなく、高校の数学の理解度にも関連します。

(2007年11月08日) 【英語の模試、ここに注意! その4】[▲ 先頭へ]
大学受験生が受ける記述式模試において設問の答え方はとても大切です。私が高校クラスの長文問題練習の解説をする時に繰り返す言葉は、「答えの素材となる英文または英文の一部を探し出して、その英文を忠実に和訳しながら、設問の指示に従った文末にすること」です。これは中3生の模試の場合も同じです。

答えの素材となる英文は問題になっている文章の直前にあることが多く、直前でなくても同じ段落から見つけることができる場合がほとんどです。該当の英文が違う段落にある問題はかなりの難問と言えます。

答え方により○ではなく△になることがよくあります。この場合、問題の復習をすることが非常に大切です。何故△になったのか、どのように答えれば○になったのかを反省することにより、徐々に正答率が高まります。△が重なるとかなりの減点になりますから、間違えた箇所の復習が持つ意味は小さくありません。

答え方の重要性は英語でも国語(現代文)でも同じです。因みに、私は、高校時代に現代文の試験で△が多く、何故自分の答えがダメなのかと先生によく質問しました。これは私が間違っていました。「何故ダメなのか」ではなく「どうすれば○になるのか」というように考えるべきでした。私の間違った考え方は浪人時代に矯正されたことは、既にこの欄でご紹介した通りです。私は筆者の言葉ではなく自分の言葉で答えていたのです。

別の言葉で言い換えたり、まとめたりせずに(要約の問題を除き)該当の英文を忠実に和訳しながら答えるのですから、英語の答え方においても素直さが大切だと言えます。素直さは勉強におけるキーワードの一つです。

(2007年11月01日) 【高校入試は数学で決まる!?】[▲ 先頭へ]
長年学習塾を運営されているある先生が、石川県の高校入試は数学で決まると話されています。もちろん数学を含む5教科全体のバランスが大切ですが、高校入試において数学は合否の鍵を握る科目と言えるかもしれません。

その最大の要因は、数学は大きな失敗が起きやすいことです。かなりの実力があっても、ちょっとした考え違いや計算ミスで大きく点数を落とすことがあります。テストの前半で出題される方程式の文章問題に手間取って時間が取られてパニックになり、本来できるはずの問題でもミスをするのが典型例です。

中3生の皆さんは、次の日曜日は県下最大の模試、そして再来週には統一テストがあります。サミット・ゼミでは、二つのテストに備えて先月中旬からは英語・数学の総合問題練習を繰り返しています。数学では、自分の目標点を確実に取ることが大きな課題です。

数学の平均点は大体55点位です。二水高校が志望校とすれば、自分の目標点は75点です。75点ということは、25点分はできなくても良いことになります。この余裕分を難問や自分の苦手な問題に振り当てることができれば目標点に到達できます。

授業では難問はパスしようと話しています。時間が取られる難問や、途中でパニックに陥りそうになった問題をパスすれば、時間的には比較的ゆとりを持って自分の目標点を取れるはずです。しかし、ある問題をパスして次の問題に進むことはなかなかできません。どうしても1番から順番に解いて、途中に難問があっても、そのまま解こうとしてしまいます。問題をパスすることには心理的な抵抗感がとても大きいようです。

数学で失敗しないためには、自分の目標点を意識すること、得点すべき問題では確実に得点すること、難問はパスする勇気を持つことが大切なポイントです。このように戦略的に数学のテストに臨むためには、50分の総合問題で練習を重ねるしかないでしょう。

(2007年10月25日) 【猿と馬】[▲ 先頭へ]
前回の塾長からの一言で触れた青木昌彦教授の「私の履歴書」では次のような話も紹介されていました。青木教授の指導教授だったレオニード・ハーウィッツ教授は「馬にでもわかる講義」を目指していたそうです。チョークを何色も使って、黒板に図を描きながら難しい定理を説明したとのことです。青木教授は「難しいことを難しく説明するのは学者なら誰でもできるが、難しいことを易しく説明するのは難しい」と述べています。

猿にでもわかる○○という本が新聞で時々紹介されています。アメリカでは猿ではなく馬なのかと興味を引かれました。「馬にでもわかる」はイマイチよくわかりませんが、アメリカ人にはピンとくるのでしょうか… 猿でも馬でも、難しいことを誰にでもわかるように易しく説明することはとても大切です。

金沢の中3の皆さんは、英語教育特区の影響で教科書の進行が速く、3年教科書の最終単元であるUnit 6 に入りました。この単元では関係代名詞を学びます。関係代名詞の文は二つの文が融合された複雑な構文で、中学英語最大の関門と言えます。高校からの英語がわかるか否かの大きなポイントです。

学校で学ぶ英語が新しい単元に入る時はその単元の基本文を説明していますが、中3クラスでは近々関係代名詞の基本文を説明するつもりです。サミット・ゼミ9年間で、私の関係代名詞の説明も少しずつ進化してきました。生徒の皆さんの理解の具合をチェックしながら、誰よりもわかり易い説明を目指します。

(2007年10月18日) 【数学の重要性と現実】[▲ 先頭へ]
日本経済新聞最終面「私の履歴書」は今月、スタンフォード大学名誉教授、青木昌彦さんの履歴書です。青木教授は比較制度分析で国際的に知られる経済学者です。教授は26歳の時にミネソタ大学大学院で学ぶために渡米しました。ミネソタ大学ではレオニード・ハーウィッツ教授の指導を受けたそうです。ハーウィッツ教授は、今年のノーベル経済学賞受賞者です。

若き青木さんは、ハーウィッツ教授から「最初の1年間は数学をきちんとやるように」と言われ、一生懸命数学を勉強しました。後日、ハーウィッツ教授の意図は、数学的技術の習得というより論理的な思考方法の訓練にあったと気づいたそうです。

論理的な思考とは、経済学の研究に必要なだけではなく、世の中の様々な局面で必要になります。複雑な事象の解明、物事の説明、顧客へのプレゼンテーション等では論理性が基本です。文系学部の大学入試2次試験でも多くの法学部や経済学部は数学を受験科目にしています。

それほど大切な数学ですが、最近は数学嫌いな子が増えているような気がします。サミット・ゼミ中2クラスはとても活気のある良いクラスですが、数学の時間になるとお通夜のような雰囲気になってしまいます。計算力で問題があったり、しっかり考えなければならない問題に対して気持ちの面で逃げてしまったりと幾つかの課題があります。

先ずは問題が解けた時の喜びを感じて欲しいと思います。その喜びを積み重ねれば数学に対する抵抗感が薄れていくと期待できます。そして、結果的には論理的な思考ができるようになるはずです。

(2007年10月11日) 【英語の模試、ここに注意! その3】[▲ 先頭へ]
今月は高校全学年とも記述式全国模試が予定されています。高3クラスではマーク問題練習と2次試験過去問練習を交互にしていますが、記述式模試の前なので2次試験過去問練習を増やしています。

春から夏にかけての過去問はセンター試験レベルが中心でした。(センター試験は、英文の難度の点からは難しくはありません。80分という限られた時間で大量の英文を読まなければならない点がセンター試験の難しさです。)レベルの高い単語の暗記を始めた夏からは難しい過去問にも挑戦しています。数多くの難問に当たり、問題文の読み方と設問の答え方の練習を重ねます。こうすることで、2次試験に難しい問題が出題されても十分対応できるようになります。

難問を解く際に一番注意しなければならない点は、変な表現ですが、問題文に負けないことです。難しい単語があり、一つの文が長くなり、しかも内容が難しいとなると、がっしりと防御を固めた英文に弾き飛ばされそうになります。気持ちの面で英文に負けてしまっては設問に答えられるはずがありません。

対処法のポイントはただ一つ。筆者の言いたい内容をとにかく掴もうとすることです。その英文全体のテーマを考え、文の流れ即ち文脈を意識しながら読み進みます。そうすることで、「なるほど、こういうことが言いたいんだ」と分かってきます。段落毎に意味がまとまっていることが多いので、各段落の内容を考えることも有効な手法です。筆者の伝えたい内容を読み取ることは国語の場合と全く同じです。

(2007年10月04日) 【全国模試・偏差値予想】[▲ 先頭へ]
今週と来週は多くの高校で前期・期末テストまたは2学期・中間テストが行われます。そこで、高校クラスの授業は通常授業に代えて恒例のテスト対策になっています。各高校の英文読解の試験範囲を復習します。

高校クラスの皆さんと、高校別、学年別にテスト対策をすることで、全国模試での英語の成績(偏差値)をほぼ正確に予想することができます。真面目に教科書を予習しているか、授業をしっかり聞いているかが明確に分かるからです。ポイントは、英文構造の分析がきちっとできているか否かです。

今週既に何人かの人とテスト対策をしました。その中に、もっと偏差値が伸びても良いと感じていた高校生がいます。英語の成績は悪くはないのですが、国語の力があるので、あと5ポイント位は良い成績が取れるはずでした。今回のテスト対策で伸び悩みの原因が分かりました。少し複雑な英文になると文構造を正しく認識しないで、単語を適当に並べて感覚的に和訳していました。国語力があることの悪影響かもしれません。SVOCMを意識しなければ、和訳が甘くなるだけではなく、文法的に正しい英文が書けなくなってしまいます。

皆さんには試験範囲の全英文を1文ずつ読んで和訳してもらっています。和訳が甘くなると、「そんな風には書かれていない」という厳しいチェックが入るので、かなりプレッシャーがかかっているはずです。しかし、この定期テスト対策は英語が本当に分かるようになるための重要なステップだと信じています。定期テスト期間は個別の授業が増えて大変ですが、私も頑張ります。

(2007年09月27日) 【3学期制復活】[▲ 先頭へ]
毎年9月に私立高校各校は、学習塾を対象とした入試説明会を開きます。私は、金沢高校と星稜高校の説明会には毎年出席しています。入試制度は年によって大きく異なるものではありませんが、その年の入試問題を入手するという目的もあり、今年も2校の説明会に参加しました。

今年の説明会で「えっ」と思ったのは、金沢高校が来年度から3学期制に戻すことです。ゆとり教育の導入により多くの高校が2学期制にしました。金沢高校も同様でしたが、前期と後期の学期の切れ目が明確にならない点、夏休みと冬休みのために各学期がうまくつながらない点等を理由として3学期制に戻すそうです。因みに、星稜高校は、多くの高校が2学期制を導入しても3学期制を継続してきました。

もともとは定期テストの回数を減らして授業時間を確保するために2学期制を導入したはずですが、2学期制の県立高校の中には、中間・期末テストという名前を止めて第○回定期テストという名前にしてテスト回数を増やしたり、中間テストの前にプレ中間テストという珍妙な名前のテストをしたりする学校があります。

金沢高校の3学期制復活はゆとり教育の弊害を除去しようとする象徴的な決断です。本来、生徒の教育のためにはどういう制度が良いのかという視点が必要です。たとえ文部科学省がゆがんだ制度を推進しようとしても、現場の視点すなわち生徒のためには何が良いのかという考え方を堅持すべきだと思います。

(2007年09月20日) 【中3生・秋からの定期テスト】[▲ 先頭へ]
中学の夏休み明けのテストは学校により実力テストと前期・期末テストに分かれました。中3クラスでは、それぞれのテスト結果は先週チェックし、今週日曜日の模擬試験の結果が出たところで個別反省会をする予定です。

実力テストも大切ですが、中3生の夏休み以降の定期テストは特に重要です。それは、各教科の試験範囲の内容が重要ということもありますが、今後高校入試までに復習の機会がほとんどないからです。これからは11月の統一テストに向けて既習分野の総復習をしなければなりません。その後は後期・中間テストの勉強があります。冬休みは1月の統一テストや私立高校の入試に向けた3年分の復習が必要です。このように今後はやるべきことが山のようにあるので、前期・期末テストの試験範囲を丁寧に集中的に勉強することはなかなかできません。

そのため、夏休みの後半、期末テスト対策の勉強を始めた頃に、これからの定期テストの重要性を話しました。「来年3月の高校入試までに復習をしなくても良い位にしっかりと」や「高校入試の受験勉強のつもりで」がキーとなる言葉でした。

また、この時期からの定期テストは内申書にも大きく影響するという指摘もあります。中学の先生方が内申書を書くのは今年の冬になりますから、秋から冬の定期テストでの生徒諸君の頑張り具合は先生方に大いにアピールするでしょう。

(2007年09月13日) 【ドッキング判定】[▲ 先頭へ]
夏休みのために遅れていましたが、高校生の皆さんは7月に実施された模試の結果が返却されました。特に高3生は、6月のマーク模試と7月の記述模試を併せて初めてのドッキング判定が出されました。マーク模試は1月のセンター試験を、記述模試は2月の2次試験を想定した模擬大学入試の形です。

先週から今週にかけて高3の皆さんと個別に反省会を行っています。志望校をどうするか、各受験科目の弱点分野はどこか、それをどのように勉強するか等を話し合います。通常の英語の授業に加えてこの反省会を行いますが、皆さんの進路に直接影響しますから、必要な情報を揃えた上で真剣に取り組みます。

6月の部活終了後は一斉に本格的な受験勉強がスタートしますから、その時期から成績を伸ばすことは容易ではありません。各自が勉強していても、受験生全体が勉強していますから、期待通りには成績は伸びません。また、得意科目だからとしばらく勉強しないとすぐに成績は下がってしまいます。

反省会では志望校を確認します。ドッキング判定が気になるところですが、D判定(合格可能性30%程度)でも気にする必要はありません。気合いを込めて勉強するのみです。ただし、E判定(合格可能性20%以下)の場合は要注意です。D判定に近いE判定であれば可能性は残りますが、そうでない場合は、志望校変更という現実的な判断が求められます。

センター試験までは4か月余り、2次試験までは5か月余りあります。限られた時間ですが、決して短い期間ではありません。漫然と勉強しても成績は伸びません。必要な受験科目全てを組み入れた勉強計画を再検討すべきです。それぞれの科目で何をどのようにどんな日程で勉強するかが明確になっていなければ、伸び悩む科目ができて、結局はセンター試験の合計点に悪影響を与えます。先ずは志望校に合格するぞという情熱、次に正しい勉強法が重要です。

(2007年09月06日) 【ロゼッタ・ストーン】[▲ 先頭へ]
4年前の今頃は、その年の春に大学に合格した諸君とヨーロッパへ出かけていました。初めての海外旅行の人もいましたから、世界を代表する大英博物館を見るべきだろうと思い、ロンドンに滞在しました。大英博物館は特に古代エジプト部門が有名で、ロゼッタ・ストーンは最高の展示物の一つです。あのナポレオンがエジプト遠征をした時に見つけられたこの石がきっかけで古代エジプト文字が解読されました。歴史のロマンを感じさせてくれる石です。

大英博物館は広いので、集合時間と場所を決めて各自自由に見回ることにしました。途中で出会った時に聞いたところ、なんと彼らはロゼッタ・ストーンの横を通りながらも見落としていました。ガラスケースに入れられた大きな石があるな〜という印象だったそうです。彼らは、地理歴史の必修科目であるはずの世界史を学んでおらず、ロゼッタ・ストーンに関する知識がなかったのです。

日本に戻ってから世界史を学んでいる高校生にロゼッタ・ストーンを見てみたいか尋ねると、ほとんどの生徒がYESでした。この石に刻まれた文字から古代エジプト文字を解読したフランス人学者のシャンポリオンの名前を覚えている生徒さんもいました。

前回の本欄でも指摘しましたが、現在、高校では理科・社会のうち一部の科目を習っているだけです。地理歴史分野では、世界史・日本史・地理のうち2科目学べばOKです。昨年末に必修科目の未履修が問題になりましたが、1科目しか学んでいない人もいるのです。大学ではない高校の段階で、これら3科目のうち学ばなくても良い科目があるということ自体が理解できません。どれかが欠ければ、知識が偏ってしまうからです。

今回のロゼッタ・ストーンの話は、様々な知識は旅行の楽しさや人生の豊かさにつながることを示しています。教科書で学んだ物を実際に見ることは素晴らしいことではないでしょうか。

(2007年08月30日) 【夏期講習をしながら思うこと】[▲ 先頭へ]
サミット・ゼミ中3クラスの夏期講習では英語・数学・国語・理科・社会の5教科全てを勉強します。毎年のことですが、理科・社会の1・2年分野の総復習をしながら感じるのは、中3の皆さんの知識の少なさです。

私たちの世代は小中学校の時に、日本の平野と川の組み合わせや山脈・山地を覚えたものでした。しかし、今、筑紫平野と筑後川、庄内平野と最上川や奥羽山脈、出羽山地、北上山地(北上高地)等がわかる中学生はほとんどいません。これほど細かくなくても、地理の基本である日本の47都道府県の名前・位置関係・都道府県庁所在地が正確に言える中学生は1割いるかいないか程度だと思います。世界の国々に関してはお寒い状況です。

何故この30年の間にこれだけ知識の絶対量が減らされたのかよくわかりません。ここ数年では「ゆとり教育」が原因ですが、それだけではないと思います。また、中学校レベルでの知識量は高校で是正されないという問題点もあります。高校では理科・社会の全科目を習うわけではないからです。

私が懸念するのは、知識が乏しく、偏った彼らが社会に出た時に十分に活躍できるのかどうかということです。昔の教育で鍛えられた団塊の世代から私たちの世代、即ち高校で理科・社会の全科目を学んだ世代がしてきたような経済活動を、今後世界の国々を相手にできるかどうかが非常に心配です。

2003年3月27日付け本欄「小柴先生のお言葉」でご紹介した小柴昌俊先生のご指摘「受動的認識能力(小・中学校で覚える知識)と能動的認識能力(自分で考える力)の掛け算で、人間の総合的な能力が決まるように思う」は社会での活躍の本質を突いていると思います。中学生諸君の知識量が少ないのは彼らが悪いのではありません。そのような状況にしている教育制度の問題です。

(2007年08月23日) 【発信型英語力と受信型英語力】[▲ 先頭へ]
ビジネスマン、OLの80%近くは、話したり書いたりする英語能力(発信型英語力)が重要と考えながらも対策は何もしていないそうです。これは英語能力試験TOEICを主催する国際ビジネスコミュニケーション協会のインターネットによるアンケート結果です。今週月曜日(20日)の日経新聞に掲載されていました。

アンケートによれば、自分の意思を相手に伝える発信型英語力が重要と思う人は65.8%で、聞いたり読んだりして理解する受信型英語力の34.2%を大きく上回っています。ビジネス社会では伝えることが重要だと思いつつも、上達するための努力はなかなかできないというジレンマがあるようです。

現状の学校教育では読むことが主であり、従として書くことが教えられます。(後者はかなり甘いのですが…)受信型・発信型双方の半分ずつを勉強しています。英語を母国語としない我々にとって、これはやむを得ない限界かもしれません。ただし、不足している話す・聞くというコミュニケーションの要素をどうしていくかは大きな課題です。昨年1月の大学入試センター試験からリスニングが導入されましたが、これは日本の英語教育にとってとても良いインパクトになりました。

学校で話す・聞くの学習ができれば良いのですが、現段階では期待できません。そうすると、英語が自由に使えるようになるためには、学校での読む・書くをしっかり勉強した上で、不足している話す・、聞くの要素をALTの活用やテレビ・ラジオ講座等で補っていくことが王道になります。基本は学校での勉強です。この意味で中学で勉強する英語のマスターがとても大切になります。中学生の皆さんは、高校・大学での英語、そして社会に出てからの英語の基礎として中学の英語をしっかり勉強して欲しいです。

(2007年08月16日) 【英語の模試、ここに注意! その2】[▲ 先頭へ]
今週末は石川県統一模試であるマーク模試が予定されています。高3の皆さんにとって今年度2回目(あるいは3回目)のマーク模試です。サミット・ゼミ高3クラスでは、このマーク模試に備えて筆記80分練習を2回、リスニング30分練習を1回行いました。

英語のマーク模試で最も大切な点は80分の時間をどのように使うかです。第1問から第6問のそれぞれに許容時間をあらかじめ想定しておかなければ、発音・アクセントの第1問、文法・語法の第2問、特に第2問最後の並び替え問題での考え過ぎによる時間経過が、後半の読解問題の解答時間に大きく影響してしまいます。

今年1月、英語のセンター試験は形式が変わりました。発音問題が復活したり、第3問の問題形式が大きく変わったり、英文広告の問題が新規に加わったりと問題内容がかなり変わりました。この変更に伴い、英語のテストへの臨み方をまとめた資料も必要な修正を加え、今月高3の皆さんに配布・説明しました。

私が重要だと考えるポイントは二つです。第一は上述の時間の使い方です。特に第1問・第2問の時間を考慮して、80分を戦略的に使う必要があります。第二は200点満点のセンター試験やマーク模試で高得点を取るために、第3問以降の読解問題で着実に得点することです。特に配点の大きい第6問では確実な得点が望まれます。

第1問・第2問で高得点を取るためには広範な文法・語法の知識が必要であり、なかなか点数が安定しません。一方、第3問から第6問の読解問題では、問題形式に対する慣れも必要ですが、各英文のストーリーの展開がわかると得点できるようになります。この夏休みは文法・語法の総復習と共に単語力の増強が必要です。英文の内容が比較的易しいマーク模試の読解問題では、高得点の鍵は単語力だと思います。

(2007年08月09日) 【読解力 その2】[▲ 先頭へ]
「大学に入ってから数学をやらなくていいので夢みたいです。」これは今年ある難関大学文系学部に合格した生徒さんの一文です。五月病を心配する私のメールに対する返信メールに書いてありました。高校時代に数学で苦しんでいた彼女の気持ちが非常によく伝わってきて印象に残っています。

高校時代の彼女は苦手の数学で苦労していた反面、国語、特に現代文は見事な成績を続けていました。ある受験参考書には、現代文は才能が必要で、勉強しても伸びる保証はないと書いてあります。高校時代の彼女を見ていると、確かに才能の占める比重は大きいように思えました。また、英語の何かを説明するような記述問題でも素晴らしい答え方をしていました。上手い答えだと何回も感心したものです。

しかし、前回の塾長からの一言で述べたように、「何でも切れるナイフ」を使えばどんな現代文でも対処できるはずです。切れ味鋭いそのナイフは難解な現代文も見事に読み解いてくれます。ただし、そのナイフを自由に使うためには二つの条件があります。「素直さ」と「考える力」です。素直さがなければ、筆者の言いたいことを読み取ることはできません。考える力がなければ、筆者の意見は右の耳から左の耳へ流れていくだけです。

特に苦労しなくても現代文がわかるのであれば自分の才能に素直に感謝し、そうでなければ「何でも切れるナイフ」を身につけて欲しいです。このナイフを身につけて磨きをかけるには、実力テストや模試の復習が有効です。「何故間違えたのか」「何故○ではなく△なのか」を反省することで正答率が上がってくるはずです。

(2007年08月02日) 【読解力】[▲ 先頭へ]
中3クラスでは通常、英語、数学、国語作文・小論文の授業をしていますが、夏期講習では理科・社会そして国語の読解の授業もあります。夏休みに入り約2週間が経過し、国語読解練習も2回行いました。

中学、高校と国語(現代文)がイマイチ苦手だった私が開眼したのは、「新釈現代文」(高田瑞穂著)という一冊の薄い参考書のおかげです。本欄2005年5月19日付け「In my case その3」でご紹介したことがあります。ポイントは二つだけです。文章を読む時は筆者の言いたいことを素直に読み取ることと設問に答える時は自分の言葉ではなく筆者の言葉で答えることの2点です。

中3生の国語読解の授業では上記の二つのポイントを具体的に説明しました。筆者の言いたい事を素直に読み取ろうとすれば、重要な文章が浮き上がって見えてきます。自然と線が引けます。そして、問題文を読み終わると、何箇所かに線が引かれています。漢字の読み書きや文法の問題以外の設問は、筆者の伝えたい内容に関するものが多いので、線を引いた箇所が設問の答えの素材になることがほとんどです。

高田教授は「新釈現代文」の中で、二つのポイントを「何でも切れるナイフ」と表現されました。二つのポイントに従えば、どんな問題でも正解できるということです。夏期講習では国語の読解練習を6回行う予定です。夏休み明けの実力テストや模試での生徒さんの成績が楽しみです。

(2007年07月26日) 【高3夏のスケジューリング術】[▲ 先頭へ]
仕事柄よく本屋さんへ行きます。先日ある本屋さんへ行った時、学習参考書コーナーの一角に「ご自由にお持ちください」という冊子が置いてありました。ざっと見たところ参考になりそうだったので、店員さんに断った上で、高校クラス全員分を頂きました。

それは、Z会の「高校生の夏の勉強法」という冊子で、高校によっては全員に配布されています。高1生、高2生、高3生それぞれに学習ポイントが書かれており、特に、「効果的・高3夏のスケジューリング術」はとても良くまとめられていますので、以下にご紹介致します。
1.[入試で必要な全科目]自分の実力を把握する
2.[入試で必要な全科目]合格に必要な学力を確認する
3.1から2に到達するために、夏に仕上げるべきことを書き出す
4.各教科についてどんな方法で学習するかを決める
5.欲ばった計画、細か過ぎる計画は立てない
6.スケジュールの見直しをする
7.量よりも質。そしてあきらめないことが大切

センター試験(2008年1月19日・20日)までは半年を切っています。大学受験生にとってこの夏休みは正に勝負の夏です。夏休みの勉強を有意義なものにするには、上述のポイントは非常に的を射たものです。高3クラスでは、早速この「スケジューリング術」のページを参考にするよう指示しました。そして、夏休みの勉強がうまくいけば、その延長で秋以降の勉強が効果的になるはずです。

因みに、Z会(旧社名:増進会)は昔は通信添削の会社というイメージでしたが、今は学習参考書の有力出版会社という側面も持ち、同社の本は学習参考書コーナーの主要な一角を占めています。大都市ではなく静岡県長泉町に本社を持つ同社は「地方の時代」をリードしているようにも感じます。

(2007年07月19日) 【計算力のチェックポイント】[▲ 先頭へ]
各中学では2年生の数学は第2章「連立方程式」が終わり、第3章「1次関数」に入ったようです。サミット・ゼミ中2クラスでは、先月から、1年生で学んだ方程式の問題練習をした上で連立方程式の問題練習を重ねています。

数学を苦手とする中学生に共通する計算ミスがあります。2x=4 では x=2 と解けるのに、4x=2 でも x=2 としてしまうミスです。ax=b では x=b/a になることは分かっていますが、実際の計算問題では割る数を間違えてしまいます。このような生徒さんには、「x」の係数で割ることについて、「邪魔物( x の係数)は消す(割る)」と説明しています。なかなか直りませんが…

分かっていてもついミスしてしまう点が数学のやっかいな所です。これを克服するためには圧倒的な計算練習をするしかありません。教科書の問題とワークの問題を全て解いてもまだ不足で、何か一冊問題集が必要だと思います。

なお、連立方程式は1次関数分野の2点を結ぶ直線の式を求める時、2直線の交点を求める時の二つの場面で使うので、速く正確に解く練習が必要です。

(2007年07月12日) 【英語の模試、ここに注意! その1】[▲ 先頭へ]
高校生の皆さんは3学年とも今週末に記述式の全国模試が予定されています。特に、高3生は先月のマーク式模試と合わせて、今年度初めてのドッキング判定が出されます。マーク式模試は大学入試センター試験を、記述式模試は各大学の2次試験をそれぞれ想定した形式になっています。二つの模試を合わせて模擬大学入試です。

英語の記述式模試でよくある失敗は時間配分のミスです。その最大の原因は文法問題で、文法問題で考え過ぎると、長文問題や英作文の時間が足らなくなって、結果として合計点が伸び悩みます。文法は、問題になっているポイントを知っているか否か、そのポイントに気づくか否かが勝負です。時間をかけて考えれば何とかなるというものではありません。

高校クラスで英文法の問題練習をする時はやや厳し目の制限時間を設けます。感覚的には、じっくりと考えるのではなく、一問一問テキパキと解くという感じです。ほぼ瞬間的に答えるためには英文法の各分野をきっちり理解・暗記していることが必要です。苦手な分野をなくした上で問題練習を繰り返せば所定の時間内で解けるようになります。また、ある問題がわからなければ、何か印をつけて次の問題に移り、最後に残った時間で処理することがオススメです。

文法を固めることは、文法問題を解くためだけではなく、英語構文を把握する大前提です。この夏休みは、高3生にとってはラストチャンス、高2生にとってはイマイチ理解できていない分野を征服するグッドチャンスです。英語の記述式模試やマーク式模試での注意点については今後、本欄で少しずつ述べていくつもりです。

(2007年07月05日) 【夏休みの課題】[▲ 先頭へ]
7月に入り中3生の夏期講習の準備をしています。登校日や各高校の体験入学の日を念頭に置いて先ず日程表を作り、それぞれの日に何の勉強をするかの学習計画表を作ります。基本的な部分は例年通りですが、今年度の中3生の得意・不得意分野を考慮して微修正を施します。

今週の日曜日(7月1日)に北國新聞文化センター主催の模試が行われました。年間6回実施される模試の第1回目で、緊張して受験した生徒さんもいたようです。6月後半の中3クラスでは、日曜日の模試に備えて、模試の過去問練習を重ねました。

数学の過去問練習では円錐の表面積に関する問題がありました。春先にかなり徹底的に練習したはずですが、きちっと解けた人は一部でした。(ショック!)中1の最後に立体の表面積・体積を学びますが、特に円錐の表面積や体積は模試や入試でよく出題されます。よく出題されるので、力を入れて練習しましたが、2ヵ月位時間が経つと解法パターンを忘れてしまうようです。

「夏を制する者は受験を制する」とよく言われます。秋以降に手抜きをしない、という前提でこの言葉には真実性があります。中3の皆さんは、1年・2年範囲そして3年の既習範囲を総復習しなければなりません。夏休みの勉強のキーワードは「苦手分野の征服」です。記憶や理解が微妙な分野の確実化も重要作業です。また、上述の円錐の表面積の問題のように、わかったつもりになっていても時間が経つと解法パターンを忘れるものですから、数学の得意分野の解法手順の確認も怠ってはいけません。

やるべきことは山ほどあります。漠然と考えると精神的に押しつぶされますから、大まかな学習計画を立てると良いでしょう。詳細な計画は、計画の遂行が遅れると自分を苦しめることになりますから、ラフなものでOKです。大きな計画に基づいて一つ一つの課題をこなしていくと、自然に実力はつくはずです。ここでのキーワードは、一つずつ確実に!