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(2016年 1月 〜 2016年6月)


(2016年06月23日) 【授業風景 その2】 [▲ 先頭へ]

今回は中3クラスをご紹介します。中3クラスは毎週2回、1回2時間15分で、英語、数学、国語200字作文を教えています。3年生の初めは各中学で行われている1、2年の復習に沿った授業を進めます。定期テスト前はテスト対策をきっちり実施します。既習分野の復習とテスト対策が授業の柱です。夏休みや冬休みは5教科全ての授業があります。また、模試の前は英語、数学の模試過去問を解いています。

授業形式についてよく質問があります。英語では先ず、それぞれの日のテーマの文法内容を説明して、問題を解いてもらい解説しながら答え合わせをします。英作文は個別に添削します。文法のポイントや練習問題に出てきた覚えておくべき語法(take 人 to 場所、invite 人 to 〜 等)はホワイトボードに書いてノートに取ってもらいます。

数学は、大切な事項を説明した上で問題練習を重ねます。1枚のプリントが終わる毎に丸付けをします。答案を丁寧に書いているか、途中式を省いていないか等もチェックします。数学はいわゆる個別指導形式(指導という言葉は嫌いですが…)です。三角形の合同の証明、相似の証明のチェックは時間がかかるので、先週の高3クラスと同様に1クラス6名が精一杯です。

高校入試の国語で出題される200字課題作文は、先ず作文の書き方をプリントで説明します。最初はなかなか上手く書けません。しかし、少しずつ書けるようになるものです。毎月2回程度練習して、どんなテーマでも10分以内に書けるようにします。作文のテーマは、石川県や他の県の入試問題を参考にして取り揃えています。

高校入試に合格することが大きな目標ですが、中3クラスを運営する時には、高校に入ってから学力がしっかり伸びる盤石な基礎作りを心掛けています。可能な限り分かり易く説明しますが、中身が濃いものになりますから、中3の皆さんは授業が難しいと感じていると思います。

先月から今月にかけて5文型や不定詞を説明しました。その後は、教科書の復習をしたりプリントの問題の答え合わせをしたりする時に、5文型、不定詞の用法を質問します。中3生にとっては厳しい質問ですが、これを繰り返すことにより盤石な基礎力がついてきます。これらの文法の確認だけではなく、a lot of = many/much、can = be able toのような語法の確認も繰り返します。この繰り返しが私の授業の大きな特徴であり、こうすることにより生徒の皆さんの英語力が着実に伸びていきます。

数学では「教えない」という教え方をしています。もちろん各分野のポイントを説明しヒントは与えますが、考える力を要求します。5年後の大学入試では「思考力」や「判断力」が試されるように改革されるようですが、わざわざ改革と叫ばなくても、「思考力」や「判断力」は現在の勉強内容でも十分に養うことができます。数学で鍛えれば良いのです。

改めて中3クラスの授業を説明してみると、結構厳しい授業内容だなと思います。しかし、時には雰囲気が寒くなるような冗談を言ったり、生徒の皆さんと楽しく話したりしています。「楽しく厳しく」が中3クラスの基本方針です。


(2016年06月16日) 【授業風景 その1】 [▲ 先頭へ]

当ゼミ各クラスの授業内容を少しずつご紹介したいと思います。ご父兄の皆さんの参考にして頂ければ幸いです。

先ずは、高3英語クラスです。高3生は毎月交互にマーク式模試と記述式模試を受けます。これを受けて、授業ではマーク式問題と長文記述問題を原則として交互に解いています。模試の前はそれぞれの問題練習を手厚くします。高3生は先週末に初めてのマーク式模試を受けました。次は来月の記述式模試です。

今年度の高3英語クラスは木曜日です。今日の授業では大学入試2次試験の過去問練習をする予定です。2次試験過去問練習は、高2秋の模試対策として昨年の9月頃から少しずつ実施してきました。今日は少し難しい問題を準備しています。高校総体が終わり受験勉強が本格的に始まった高3の皆さんに気合を入れてもらいます。

2次試験過去問練習では、先ず生徒の皆さんに問題を解いてもらいます。制限時間は実際の入試でその問題に割り当てられる時間を想定して設定します。時間が来たら1人ずつ解答をチェックします。下線部和訳では英文構造を把握しているかどうかがポイントです。何かを説明する問題では、答えの素材となる英文が特定できているかどうかをチェックします。この解答チェックに結構時間がかかるので、1クラス6名が精一杯です。

一通りチェックした後、問題文の全英文を文構造を説明しながら和訳していきます。設問に絡んでいなくても、問題文中にある複雑な構造の文の説明は高3の皆さんの参考になるはずです。この過程で各設問の答えを言い、設問に対する答え方のポイントをしっかり伝えます。難しい和訳問題では、ホワイトボードに英文を書いて英文構造を解説します。

長文問題を解いた後は英作練習です。当ゼミオリジナルの暗記用英文集に基づく基本練習が終了し、先月から本格的な英作練習に入りました。毎回5問出題して、生徒の皆さんの英文を1人ずつその場で添削します。まだ6月の段階ですから、今は、とにかく文法的に正しい英文を書くことが大切です。スペルミスや時制、3単現のsなどの避けられるミスにも注意が必要です。英語らしい表現は晩秋以降の課題で、今はとにかく文法ミスをなくさなければなりません。

英語の読み書きは、高3生諸君が社会に出て英語を使う際の基本です。大学入試の時点で然るべきレベルに至っていなければなりません。彼らの英語力向上のため、私としても気合を入れて授業に臨みます。


(2016年06月09日) 【高校総体】 [▲ 先頭へ]

先週金曜日に高校総体・男子テニス団体戦決勝を観戦しました。準決勝が厳しいと話していた教え子H君の決勝進出ですから、テニス好きな私としては自然に足が向かいました。シングルス2戦とダブルス1戦で戦われる団体戦は3試合同時に始まりました。シングルス2試合が1勝1敗で先に終わり、勝負はダブルスに委ねられました。ダブルスは正に手に汗握る大接戦になり、最後はH君のボレーが決まって歓喜の優勝を勝ち取りました。

決勝戦という大きな舞台で対戦相手だけではなく自らの緊張感とも戦いながらプレーする高校生の姿に胸を打たれました。高校時代に部活をしなかった私は眩しさを感じながら観戦しました。勉強との両立に悩みながら厳しい練習を続けてきた姿を間近で見てきたので頭が下がる思いでした。

H君はインターハイ出場のため練習期間が2か月程伸びますが、他の高3の皆さんは最後の大会が終了しました。いよいよ受験勉強に本腰を入れることになりました。来年のセンター試験は1月14日・15日で残りは7ヶ月間です。先ずは、生活のリズムを受験勉強モードに切り替えなければなりません。高3生は今週末にマーク式模試が予定されています。模試が終わったら、勉強を中心にした一週間の計画表を作るのが良いと思います。

難関大学の場合、浪人してでも入ろうとする受験生が数多くいます。従って、一般的に言って、最後の大会まで部活を続けた高3生は受験勉強が出遅れています。これからの時期は皆が勉強しますから、成績を伸ばすのは容易ではありません。そこで、英語・数学の授業だけではなく、受験勉強の効率的な進め方を伝えることが私の役割になります。キーワードは各受験科目の正しい勉強法、受験勉強全体の時間配分です。厳しい模試判定が出たときに、凹まず強い気持ちを持ち続けるよう導くことも重要な役割です。


(2016年06月02日) 【高1クラス開講】 [▲ 先頭へ]

今年度の高1クラスが開講して1ヶ月になりました。最初の授業では、先ず高1生としての勉強法について述べました。大学受験のための勉強は、これが「受験勉強」ですというパッケージ化された勉強ではありません。1年生、2年生そして3年生で行う勉強の総復習が受験勉強ですから、1年生としての勉強をきちんとしなければなりません。すなわち、学校の授業を大切にして、定期テストの勉強をしっかりすることが基本です。

次に、高校で学ぶ英語について説明しました。中学の英語に比べて格段に難しくなります。実社会でのビジネスや論文の読み書きに必要な英語ですから難しくなるのは当然です。大学の一般教養には英語の科目はありますが、大体学生の英語力は落ちるものです。従って、大学受験の時に然るべき英語力に達することが必要です。社会で戦える英語力を養わなければなりません。

英語の勉強法については、英文構造をしっかり把握するように言いました。このためには文法のマスターと英文解釈の教科書の活用が必須です。また、単語を確実に覚えていくことも指摘しました。高校に入ってまだ2ヶ月の諸君ですから、単語の重要性についての認識はありません。少しずつ刺激を与えて単語力の向上を目指します。英語の利点についても話しました。英語では、あるレベルに到達すれば得点の変動は少なくなります。実力者でも得点の変動が起こる数学とは異なり、入試に強い科目です。

センター試験、2次試験を視野の遠くに捉えて高1クラスを運営していきます。今までの経験から高1から大学受験までのシナリオは出来ていますが、いろいろ情報を収集してより効果的なプログラムを工夫するつもりです。高1の皆さんがこれからどのように伸びていくのかとても楽しみです。それと同時に私自身の使命についても自覚しています。


(2016年05月26日) 【教科書改訂】 [▲ 先頭へ]

来週の中学校の中間テストを前に、当ゼミオリジナルの英語資料を改訂しています。教科書の各単元の基本文だけではなく本文に出てくる大切な表現をピックアップして、日本語訳をつけ、文法・語法のポイントを解説した資料です。今年度から改訂された教科書が使われているので、その資料の改訂が必要になりました。

教科書は4年に一回改訂されるので、私にとって4年毎の大切な作業です。今週前半に、中間テストの範囲になっている第1単元と第2単元の作業を終えました。両単元とも基本文は古い教科書のものと同じでしたが、第1単元の本文は全て新しいものになっていました。内容が新しくなると、私の作業は大変になります。第2単元の本文は変わっていなかったので作業の必要はなくてほっとしました。

調べてみると、改訂された中学の英語の教科書本文は、1割程度からほぼ全体の変更まで出版社によって異なるそうです。また、「読む・書く・聞く・話す」の4技能の習得を意識した紙面構成になっているとのこと。

金沢市内の中学で使われている教科書は開隆堂のSunshine(1年生は何故か東京書籍のNew Horizon )です。Sunshineは本文の変更が少なかったので、資料の改訂には時間があまりかからなくて済みそうです。「書く・聞く・話す」の3技能に関しては、Sunshine 3 ではwriting は2項目、listeningは3項目で変更ありませんが、speaking の項目が5つから3つに減っています。これは少し残念です。

中学生の皆さんは新旧の教科書を比べていませんから、教科書が改訂されても意識はしません。しかし、中3女子の皆さんはSunshine 2の主人公の佐山由紀さんがSunshine 3になって可愛くなったという感想を述べていました。


(2016年05月19日) 【留学】 [▲ 先頭へ]

金沢大学2年のKさんが今週末、短期留学でヨーロッパに向かいます。昨年同大学の人間社会学域、国際学類に合格した女子大生です。ヨーロッパのある大学で国際政治や国際経済等いくつかの科目を学びます。彼女は、1年生の時、大学の教授を含む10人程のグループで台湾へ研修旅行に出かけました。台湾では現地に進出している加賀屋の社長から話を聞いたそうです。「国際学類」の名の通り、国際的に活動しています。

実はKさんは、2015年3月19日付け本欄「アゴが疲れるくらい泣いた結果」に登場した本人です。苦手だった数学に関して何回も厳しい指摘をしました。彼女は自分自身に対する歯がゆさから何度も泣いたそうです。夏に入る頃までは成績が伸びませんでしたが、秋になると点数を取れるようになり始めました。それまでの頑張りの成果が出始めて、褒めることが多くなったことを覚えています。

Kさんはしっかり者で、私に意見したことがあります。中高生を導く者として自分の考えを生徒の皆さんに押し付けることは厳に戒めていますが、1つだけ例外があります。理系の高校生には、人工光合成を研究して欲しいとよく言います。高3クラスでそう言った時、彼女は「先生、自分の考えを押し付けたらダメだよ。」と私をたしなめました。私は「これだけは許して」とお願いしたものです。

Kさんにとって大学受験は茨の道のようでした。苦しさを乗り越えて大学に合格した彼女が得難い経験を積み重ねる姿は、人間の成長の素晴らしさを見せてくれています。痛快です。統率力があるしっかり者の彼女が将来どのように活躍するのか今から本当に楽しみです。


(2016年05月12日) 【英作文実戦トレーニング開始】 [▲ 先頭へ]

サミット・ゼミでは英作文対策としてオリジナルの暗記用構文集を準備しています。この構文集については過去の本欄(2011年10月13日付け)でご紹介しました。金沢、東京の本屋さんでいろいろ探してみたものの「これだ」と思えるものがなく、自分で作りました。基本英文を覚えることが英作文克服の効果的な手法です。基本英文を覚えて、英作文の添削を積み重ねていけば英作が得意になっていきます。

高3クラスでは、この暗記用150構文を1年余りかけて少しずつ覚えてきました。1回で覚えてしまうことは厳しいですから2回転しました。その2回目が先週終了して、今週からはいよいよ本格的な英作文練習を始めます。

最初は易しい問題から始めて、だんだん難度を上げてゆきます。これまでの17年半の経験から練習問題はすでに揃っていますが、入試の過去問練習に入る頃には、今年2月の各大学2次試験で出題された問題も組み込む予定です。そして秋が深まる頃には、近年出題が多くなった自由英作文も練習し始めます。

練習問題には模範解答を準備していますが、英作文では別の表現でも大丈夫という場合がよくあります。生徒の皆さんが書いた英文に手を入れて「正答」に近づける添削は、彼らにとって良い勉強になります。この添削作業では私自身の英語力が問われることになりますから、気持ちを引き締めて授業に臨みます。


(2016年05月05日) 【田中角栄の教育論】 [▲ 先頭へ]

本年3月10日付け本欄で石原慎太郎が田中角栄元総理大臣について書いた「天才」に触れました。「天才」を読んだ後、田中角栄に関する本をもう一冊読んでみました。角さんが残した数々の言葉を紹介する本で、仕事や人生などについて非常に参考になる言葉が並んでいました。それらの中にあった教育に関する言葉が心に残りました。

「暗記教育は古く、くだらないという人があるが、暗記は教育のなかで一番大切なことのひとつだ」というものです。2週間前の本欄「大学入試改革」を準備している頃にその言葉に出会ったので一層印象的でした。角さんが生きていたら現在議論されている大学入試改革についてどのように考えるかなと思います。

角さんは、尋常小学校時代の師の言葉をよく人に語ったそうです。「人間の脳とは数多いモーターの集まりである。普通の人間はそのなかの10個か15個のモーターを回しておけば生きてゆける。しかしこの脳中のモーターは努力しさえすれば何百個も何千個も動かすことが可能だ。それには勉強し、数多く暗記することである。」

暗記を基礎とする知識と思考力や表現力のバランスは絶対に必要です。その意味では知識偏重は好ましくありません。しかし、今の教育で本当に知識偏重と言われるほど暗記がなされているのだろうかという点が私の問題意識です。これは教育に関する角さんの視点と同じだと思います。


(2016年04月28日) 【公立高校入試 in 2016】 [▲ 先頭へ]

今週月曜日、教育委員会の会議で今年3月8日・9日に行われた公立高校入試の結果が報告されました。5教科学力テストの平均点は、英語50.5点、数学48.0点、国語53.8点、理科52.9点、社会47.8点の合計253点でした。合計点は、2年前、3年前の239点ほどではありませんでしたが、昨年より3点下がり、今年も難しい入試でした。

今年の特徴を3つ挙げるとすれば、英語と社会の難化と難しい数学の継続です。英語は昨年の54.8点から4.3点下がりました。2番の問題形式が変更されたことと3番の対話文が長くなったことで平均点は大きく下がると予想していましたが、冷静に対応できた受験生も多かったようです。2年前、3年前の英語の平均点は50点を切っていたので、英語はまた難しくなりました。

数学は4年連続で平均点が50点を下回りました。3月に自分で解いてみた時は、昨年(平均45.3点)ほど難しくはないものの、相似の証明がやっかいで全体的に時間がかかると感じました。48.0点という平均点は、時間が足らずにあせった受験生が多かったことを物語っているようです。

平成23年度入試から記述式問題が多くなった理科と社会は高校入試において鬼門です。平成23年度以降どちらか、あるいは両方の科目の平均点が50点を割っています。今年の社会では記述式問題は13問で配点は50点でした。問題を実際に見てみると、資料を見て答える問題の中には、思考力を要する難問が幾つも含まれていました。

入試結果を受けて中3クラスの授業方針を見直しています。数学は、模試や学校の実力テスト・統一テストで難しい問題が続くと思われます。難しい問題でも対応する方法はありますから、それを確実に実行できるように練習を積み重ねるつもりです。理科・社会は夏休み・冬休みを除いて授業をしていませんから、学校の各テストの出来具合、特に記述式問題の出来をしっかりチェックしようと考えています。英語は従来通りです。高校英語につながる盤石な基礎を築いていきますから、どんな問題にでも対応できるはずです。


(2016年04月21日) 【大学入試改革】 [▲ 先頭へ]

先月26日に、大学入試改革の最終報告について新聞報道されました。文部科学省の有識者会議が25日にまとめたもので、現在の大学入試センター試験に変わる試験では、国語と数学に記述式が導入され、英語では「話す」「書く」も試験対象になります。しかし、現行は1月中旬である実施日程が新試験では未定だったり、記述式の採点方法が今後の検討事項だったりと、具体的な新試験の姿は漠然としています。

そもそも何故、大学入試改革が必要であるのか、私にはよくわかりません。1次試験としての大学入試センター試験と各個別大学による2次試験のシステムは両方が相まってうまく機能していると考えています。現行入試の問題点としてよく挙げられるのは知識偏重と一発勝負の2点です。

知識偏重を改め思考力や表現力を測らなければならないとのこと。それでは、現在それほど知識が偏重されているのでしょうか。現在のセンター試験では、英数国の3科目以外では、文系の人は社会2科目と理科基礎科目2科目を選択し、理系の人は理科2科目と社会1科目を選択します。受験生にとっては受験科目が多くて大変かもしれませんが、彼らは将来の日本を支えるのですから、これ位の学習は当然です。「偏重」されている知識のレベルは過酷なものではありません。

思考力や表現力は各個別大学による2次試験で測ることができます。思考力がなければ数学の記述式問題は解けません。思考力や表現力がなければ与えられた課題に対する英語の自由英作文は書けません。それでも思考力、表現力の比重が小さいというのであれば小論文を入試科目にすれば良いのです。

センター試験だけで合否が決まるのであれば、一発勝負を課題として認識すべきかもしれません。しかし、現行はセンター試験と2次試験の合計点で合否が決まります。センター試験で失敗しても2次試験で挽回できるので「一発勝負」という批判は当たりません。最近は後期日程試験がなくなる傾向があるとはいえ、2次試験は前期日程と後期日程の2回のチャンスがあるので、ますます一発勝負とは言えません。

文部科学省のホームページから「最終報告」を読んでみました。「先行き不透明な時代であるからこそ、多様な人々と協力しながら主体性を持って人生を切り開いていく力が重要になる。知識の量だけではなく、混とんとした状況の中に問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質や能力が重要になる。こうした資質や能力は、先進諸国に追いつくという明確な目標の下で、知識・技能を受動的に習得する能力が重視されたこれまでの時代の教育では、十分に育成することはできない。」という問題意識により抜本的な教育改革を進める必要があるとのことでした。

現行の大学入試のシステムは、「先進諸国に追いつく」時代のものだそうです。日本はようやく先進諸国に追いついたので、これから改革しようということなのでしょう。認識がおかしいと思います。最終報告を読んでいて、センター試験と2次試験から構成される現在の大学受験の仕組みの何が問題で、何を改革しなければならないのか理解できませんでした。

議論が迷走していると言わざるを得ません。これでは、新テストの対象とされている現在の中2の子供たちがかわいそうですし、父兄の方々の不安は増すばかりでしょう。


(2016年04月14日) 【ある大学4年生】 [▲ 先頭へ]

先週土曜日に元生徒である京都大学4年のT君から、金沢に帰省しているというメールが入りました。彼のことが気になり、そのメールの2〜3日前に連絡をしようかなと思っていたところでしたのでびっくりしました。来春大学を卒業する人たちの就活に関しては、先月から企業説明会が始まっています。T君は普通の就職に馴染まないイメージがあったので心配していたのです。

日曜日に彼と会い、居酒屋でお酒を飲みながらいろいろ話しました。大学での専門やサークル活動について聞いたり、高校生の勉強法についてのアドバイスをもらったりしましたが、最大のテーマは就活でした。彼も就活を実施中で、幾つかの会社へ行き話を聞いたそうです。しかし、企業への就職がどうもしっくりこないとのことでした。

心配していた予想が当たっていました。深く話してみると、企業に就職するのではなく、T君にはやりたいことがありました。それからは、どうすればそれを実現できるかという話になりました。基本的には彼の気持ちを尊重したいところですが、ご両親に心配をかけることは避けなければなりません。経済的な視点も当然必要です。

気がついたら5時間位話をしていました。T君の今後については現実的な選択肢が2つに絞られました。人の一生に関わる問題ですから、無責任は許されません。月曜日以降も、日曜日に出てきた2つの選択肢で良いのか考えています。


(2016年04月07日) 【対等に接する】 [▲ 先頭へ]

新しいNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が今週始まりました。主人公・小橋常子の父、西島秀俊演じる小橋竹蔵が三人の娘に丁寧語で話しかけるのが印象的です。家長が威張って家族を従わせるのは幸せな姿ではなく、相手が自分の子供だとしても一人の人間として対等に接したいという考えからだそうです。

私も同じ考え方で中高生の皆さんに接しているつもりです。どのような相手であっても人間関係は対等であるべきだと思います。彼らはまだ大人というわけではありませんが、一人一人の人間として尊重しています。一人の人間として尊重するので子供じみた行動をしないようにと話しています。そうすると彼らもそれなりに行動するものです。

ゼミを始めて間もない頃こんなことがありました。中2クラスの授業の休憩時間に炭酸入りのジュースを皆で飲みました。暫くすると、皆ゲップをし始めました。「止めなさい」と注意しても、相手は中2生で面白がってゲップを止めません。そこで、紳士は人前でゲップはしませんと言ったところ、ゲップは見事に止まりました。

年齢に関係なく人と接しようと思うようになったきっかけがあります。ある会社でアイルランドの紅茶を輸入する担当になりました。相手先は同国で170年以上の歴史を誇る老舗企業でした。営業会議のため同国へ出張して、輸入計画に関するプレゼンテーションをしました。その会議後、年齢がかなり上の同社の社長から彼をファーストネームで呼ぶように言われました。仕事が認められました。その時、年齢は関係なく、何を考えて何をやるかが大切だと学びました。

生徒の皆さんは大体子供扱いされることを嫌います。彼らには、家で子供扱いされたくなければ、お父さんやお母さんの前で子供じみた行動をしないようにと話しています。実際はどのようになっているでしょうか。


(2016年03月31日) 【突然の値上げ】 [▲ 先頭へ]
「ジェジェ、テキストが値上げされている。」NHK英語ラジオ講座のテキストが4月号から値上げされました。本体価格400円(税込み432円)から50円の値上げで450円(税込み486円)になります。新中3生の皆さんにラジオ講座を紹介するため、基礎英語3のテキストを買いにいった時に「アレッ」と思いました。

金額的には小さい額ではありますが、値上げ率は12.5%と小さくはありません。今のご時世で10%を超える値上げがあれば消費者には受け入れられないはずです。NHKのホームページには「2016年4月号より、以下のテキストの定価・価格を改定いたします。」とあっさり事もなげに書かれています。値上げの説明はありません。

独占禁止法で禁止されている優越的地位の濫用だと思いました。しかし、これは基本的に事業者間取引を対象とするものであり消費者取引には適用なさそうだし…と、日産自動車・法規部時代に戻ったようなことを考えていました。文句を言っても無駄ですが、やはり値上げ率の大きさが気になります。NHKに対する信頼感が少し薄らぎました。

ここは、「びっくりぽん」と笑って済ませるしかありませんが、どうにも釈然としません。


(2016年03月24日) 【世界と戦う「中学英語」】 [▲ 先頭へ]

世界と戦う「中学英語」、衝撃的な見出しでした。今週火曜日(3/22)付け日本経済新聞がソフトバンクグループの孫正義社長のビジネス英語を紹介していました。3週間前の本欄で中学の英文法の重要性について述べたところでしたので、見出しの大きな文字がより大きく見えました。

国際的にM&A(合併・買収)を仕掛ける孫さんは通訳に頼らず自分で英語の交渉をするそうです。しかし、その英語力はネーティブが舌を巻くほどハイレベルなものではないとのこと。元ソフトバンク社長室長によると、孫さんが講演で使う英単語は中学で学ぶレベルの1 480語で、間違った英語を使っても気にしないそうです。

新聞記事は、孫さんの英語術の特徴は、不要なものを極力省いて英語を合理的に学んだり使ったりする点にあると分析しています。不要なものを省く孫さんでもリズムとアクセントは徹底的にマスターしているそうです。これらはネーティブに通じるかどうかを左右するポイントとして、きちんと押さえているとのこと。

実際にYou Tubeで孫さんの英語を聞いてみました。第一印象は分かり易さでした。正しいアクセントでリズム感が良いので、素直に聞き取ることができました。私が聞いたのは米携帯大手スプリント買収に関するマスコミ向け説明会でのスピーチでしたから、単語についてはさすがに中学レベルを大きく超えていました。

上述の元社長室長は、語彙を無理に増やさなくても、確固たる信念や熱意があれば相手に伝わると語っています。ポイントはこれだと思います。結局は英語はコミュニケーションにおける便利なツールであり、大切なのは何をどのように伝えるかです。その際にリズムやアクセントさらには発音に気をつければ相手方の理解度が増すことになります。

中学英語で世界と戦えると言っても、それはビジネス交渉の場においてのことですから、高校の英語すなわち大学受験に必要な英語が不要というわけではありません。大学受験を目指して身に付ける英語力は英語の論文や資料を読んだり、書いたりする時に不可欠であることは言うまでもありません。


(2016年03月17日) 【勉強の神様はいらっしゃる】 [▲ 先頭へ]

昨日、公立高校入試の合格発表がありました。2〜3日前から私もドキドキしていました。サミット・ゼミは少人数制で、生徒の皆さん一人一人とのつながりは薄いものではありません。昨日もそれぞれの生徒さんとの様々なことを思い出していました。そのような中で、受験番号を確認して深い喜びが湧き上がった生徒さんがいます。

Aさんは中2の冬から通ってくれました。英語の基礎が甘い状態が続いたので、勢い私の姿勢は厳しいものになりました。ゼミから帰ってよく泣いていたという話は後になって聞きました。しかし、本来頑張り屋さんで、その後確実に実力をつけていきました。夏休みの勉強も頑張り、8月下旬の模試では公立トップ校の合格水準を突破しました。

模試の成績に一喜一憂するものですが、Aさんは好成績をただ喜ぶだけではありませんでした。それが自信になり勉強に対する集中度合いがさらに高くなりました。順調に伸びていくかに見えました。しかし、11月後半から原因不明の高熱に悩まされ、翌月には入院までしました。熱のため勉強に集中できなくなりました。

夏から秋の頑張りで勉強の貯金ができていたので大きな落ち込みはありませんでしたが、冬休み明けの統一テストや模試ではトップ校には手が届かない水準になってしまいました。Aさんが凄かったのはその後です。猛然と頑張り、2月の模試最終回には合格水準にまで盛り返しました。そして、昨日、トップ校合格者の中にAさんの受験番号が含まれていました。

受験が近づいた頃Aさんと話しました。高熱が続いたことは不運なアクシデントだったものの、入試が迫った今年に入ってからではなかったことは幸いだったと。体調が悪い時はやり切れない思いだったでしょうが、受験の過程において最悪の時ではなかったのです。

少し意地悪ですが、勉強の神様はいました。辛い試練を与えたものの、Aさんの頑張りをしっかり観察していました。そして、最後の締めくくりにご褒美を準備してくれていました。1年余りのストーリーは私に感動を与えてくれ、また生徒の成長を「待つこと」の大切さを教えてくれました。


(2016年03月10日) 【人生を形づくるもの】 [▲ 先頭へ]

話題になっている石原慎太郎の近著「天才」を読みました。田中角栄元総理大臣の生涯を一人称で語った本です。石原さんは田中角栄の金権主義を批判していた人なので、何故こんな本を書いたのだろうと不思議に思って本を購入しました。日中国交回復やロッキード事件の内幕など興味深い内容でしたが、一番感銘を受けたのは、長い後書きの末尾にあった「人間の人生を形づくるものは何といっても他者との出会いに他ならない」という言葉でした。

その言葉は、石原さんが田中角栄との出会い、相互関係に強烈なインパクトを受けたことを意味したものです。普段中高生の皆さんと接している私には深く迫りました。生徒の皆さんの人生が形づくられる過程で、私の言葉や姿勢が大きな影響を与える可能性があるからです。

私自身の場合も、学習塾を始めたのはある人のある言葉がきっかけでした。そして学習塾の運営に関しては中3の時の担任であった今田先生を模範としています。ビジネスマン時代にも様々な出会いがありました。良き出会いもありましたが、そうでないものもありました。それら全てがビジネスマンとしての人生を形づくりました。

生徒の皆さんの人生に係わっているという事実を改めて認識し、身の引き締まる思いがしました。新年度を前にして新しい中高生諸君との出会いを意義深いものにしなければならないと覚悟を新たにしています。


(2016年03月03日) 【中学の英文法】 [▲ 先頭へ]
ビジネス誌「プレジデント」最新号に英語の特集が組まれています。今春からTOEIC出題方式が大きく変更されるのを受けたものです。TOEIC 500-600点の人が点数をいっきに伸ばす勉強法として、中学英語の「英文法」からのやり直しをアドバイスしています。TOEIC 600点とは、外資系企業の代表とも言える日本IBMが新卒の採用条件とするレベルです。

社会人が英語を学び直す際に中学英語を復習すると良いことはよく指摘されます。それは高校生も同じです。英語の弱い高校生は、遠回りの勉強法のように思えても、中学の英文法を復習するべきです。それほど中学英語は重要で、中学の英文法がわからなければ高校で学ぶ文法は理解できません。

当ゼミ高校クラスで英語が伸びた生徒さん達は高校入試時点で文法の基礎がしっかり固まっていました。チェックポイントは5文型、不定詞と関係代名詞です。教科書や長文問題に出てくる複雑な文をSVOO、SVOC等と見抜けるか、3用法のどの不定詞かを見抜けるか、関係代名詞を含む文構造、特に目的格関係代名詞の省略を見抜けるかが具体的なポイントです。

親ガメがそのように盤石になれば、高校英語のより複雑な文法、単語力、英文構造解析力や英作力という大切な子ガメが安心してその上に乗ることができます。このように積み上がればセンター試験で180点(200点満点)超えが十分可能になります。英語が本当にわかるようになるためのスタート点は中学の英文法のマスターです。


(2016年02月25日) 【高2の春休み】 [▲ 先頭へ]

昨年12月10日付け本欄で、高2生にとって冬休みから春休みまでの期間が大学受験勉強をスタートさせる上で大切な期間であると述べました。この約4か月の期間の中で最も重要な期間が到来します。今週から来週にかけて各校では学年末試験が行われています。この試験が終わってから新学年が始まるまでの1ヶ月余りの期間です。

高2生にとっての大学受験勉強とは高1から高2までの既習分野の復習です。これから1ヶ月余りの比較的余裕のある期間にこの復習を着実に行うことが、来年の受験の鍵を握ると言っても過言ではありません。因みに、今日2月25日は大学入試・前期日程試験の日です。

ポイントは基礎を固めることです。英語は文法です。高2の皆さんには適宜復習をするように指示してきましたが、その時々の学校の勉強があるのでなかなか実行できていませんでした。高3の授業が始まれば時間的余裕がなくなるので、この期間は文法の体系的な復習のラストチャンスと言えます。数学は苦手分野の克服です。教科書の基本事項のマスターは最優先課題です。

春休みには各校で少なからず宿題が出されます。宿題の内容にもよりますが、宿題をすることにより必要な復習ができる形がベストです。そうでなければ、宿題と必要な勉強を並行して進めるしかありません。

石川県の各高校では統一模試としてゴールデンウィークに記述式模試があります。冬から春にかけての勉強の成果がその模試結果に表れれば自信になり、その後本格化する受験勉強へ弾みがつくでしょう。


(2016年02月18日) 【中3最後の模試】 [▲ 先頭へ]

中3生が2月7日に受けた石川県総合模試最終回の結果が戻ってきました。入試本番のつもりで受けるように指示していた大切な模試ですから、ハラハラしながら結果を待っていました。ほとんどの生徒の皆さんが志望校合格のレベルに到達していたので一安心でした。

英語は、厳しい先生に徹底的に鍛えられてきただけに、皆さんしっかり得点できていました。90点以上の人も複数人いました。やはり大きな課題は数学でした。平均点が42点という難しい問題でしたので、思い通りに得点できなかった人が何人かいました。難しい問題は捨てて、取れる問題でしっかり得点して自分の目標点を取るように話していますが、確実に実行するのは容易ではありません。

6人の結果を見ていて、成績を安定させる重要な要素の一つが理科・社会での着実な得点であることを改めて感じました。好成績の人はこれらの科目で取りこぼしをしません。合計点が伸びない人は大体理科・社会に問題があります。理科・社会は努力がそのまま得点につながる科目ですから、上位校を志望する人は手抜きが許されません。

今回の模試で志望校のレベルに届かなかった人の中には猛然と頑張る人も少なからずいるはずです。生徒の皆さんには、決して安心せず良い意味の緊張感を持って勉強を続けるように話しました。これからの時期はメンタル・コントロールが非常に重要になります。2週間前の本欄でご紹介しました「本番力」のプリントが効果を発揮するでしょう。3月8日・9日の公立高校入試まで残り半月です。


(2016年02月11日) 【初めてのセンター試験練習】 [▲ 先頭へ]

まずまずの出来でした。先週の高2英語クラスではセンター試験形式の80分筆記問題に挑戦しました。従来第1問から第6問まで少しずつ解いて問題に慣れてきましたが、先週は初めての80分通しの問題練習でした。生徒諸君には事前に話しませんでしたが、2014年1月18日の実際のセンター試験の問題でした。平均点118.87点の問題で、高2諸君は半数の人が130点を超えました。

80分の問題を解き終えて、時間が足りなかったという感想が一番多かったです。受験生にとっても英語は時間との競争という側面がありますから、高2の今の時期であればなおさら時間的に苦しかったはずです。

彼らが受けるセンター試験は来年1月14日・15日と既に決まっています。もう1年を切っており11ヶ月です。高2の皆さんは、この限られた期間で志望する大学に合格できる力を身につけなければなりません。やるべきことはたくさんありますから、11ヶ月という期間は決して長くはありません。

2次試験対策とセンター試験対策の勉強の仕方は少し違います。両者のバランスをとりながら効果的にゼミの授業を進めていくつもりです。センター試験対策としては、制限時間の配分の仕方とか、センター本番の問題を解き易くする手法とか17年間で培ってきた経験があります。初めての80分練習を終え、来年のセンター試験で英語が絶対的な得点源になるように高2の皆さんを導こうと覚悟を新たにしました。


(2016年02月04日) 【本番力】 [▲ 先頭へ]

先週の日曜日(1/24)、日経新聞朝刊の1面をめくったところ2面右下の書籍広告が目に飛び込んできました。「難関試験に一発合格する人の本番力」という本(山田浩司著、幻冬舎)の広告でした。入試シーズンが始まった時期に正に相応しい本です。

先々週、中3クラスの諸君と志望校について話し合いました。冬休み明けの統一テストと1月10日の模試結果を受けた面談でした。頑張って勉強しているものの、志望校合格レベルまでもう少しという人が大半でした。特に、模試では成績が偏差値という数値で明確に出ます。合格可能性80%の基準偏差値に届いていなければどうしても凹んでしまいます。

新聞広告を見た前日の土曜日に気持ちが動揺している諸君を元気づける話をしていたので、グッドタイミングで上述の本を見つけました。すぐに書店に注文しました。3日後の水曜日に入手して早速読み始めました。

著者は宅建や行政書士等の資格試験の先生で、予備校で教えた後は自ら資格試験の会社を立ち上げた経験豊かな人です。資格試験でも入試でも試験本番に備えて気持ちを整える面では共通しますから、本に書かれていた事項は非常に参考になりました。

本の大切なポイントをまとめ、私の経験も加えて1枚の資料を作りました。明後日の中3クラスで配布する予定です。その翌日には模試最終回があります。入試本番と思って模試を受けるように言っていますから、その資料が早速活かされると期待しています。


(2016年01月28日) 【リスニングの時間】 [▲ 先頭へ]

石川県の公立高校入試の英語は5つの大問から構成されており、1番はリスニングです。1問3点で10問あります。30点はかなりの配点です。中3クラスの冬期講習で、この1番の時間の長さが英語の得点に影響を及ぼしました。

ある総合問題の1番リスニングの時間が14分17秒でした。入試や模試のリスニングの時間は大体12〜13分です。最後の問題5番は英作文ですが、その時は、いつもはこの英作文までいける人が、まったく英文を書いていませんでした。もちろん対話文や長文問題の難度も影響しますが、リスニングの時間も英語の問題を難しくさせる要素です。

かなり前のことですが、実際の公立高校入試でリスニングの時間が英語の平均点に大きく影響したことがありました。平成17年度の入試です。その年の前60.3点、67.2点と続いていた英語の平均点が48.6点になりました。英語が得意だった生徒さんも思い通りの得点ができませんでした。リスニングの時間が長かったということでした。その時のリスニングの時間は15分でした。

平成17年度入試の場合、通常より2分程度長かったのですが、50分の試験時間において1分、2分が持つ意味は小さくありません。最後の英作文の問題までたどり着けるかどうかに影響します。現在は、平成17年度入試にはなかった並び替えの問題が2番にあります。ですから、なおさらリスニングの時間が1つのポイントと言えます。

リスニングの時間自体はどうすることもできません。リスニングの時間が長くても安定的に高得点を取るための条件は2つあります。文法と速読です。文法力があれば2番の並び替えに時間はかかりません。そして、速読ができれば対話文・長文問題にかかる時間が短くなり、余裕を持って英作文に取り組めます。


(2016年01月21日) 【センター試験 in 2016】 [▲ 先頭へ]

センター試験が終了しました。今年も、土曜日の英語の問題を翌日曜日に、日曜日の数学を月曜日に解きました。私にとって年中行事であり、問題形式をチェックします。同時に私自身の実力のチェックでもあるので、緊張感を持って問題に取り組みます。

英語は第5問の長文読解問題で若干の形式変更がありましたが、ほぼ昨年と同様の問題でした。発音・アクセント、文法・語法、並び替え、各種の長文問題とバランスの取れた良い問題だと思います。数学は、数UBの問題は例年同様の形式でしたが、数TAの問題はデータの分析、整数の性質といった昨年から導入された新課程の問題が目立ちました。2次関数の問題がなかったことはかなりの驚きでした。

昨日平均点の中間発表がありました。英語は昨年より少し(1.5点)低くなりました。第5問の形式変更が影響したかもしれません。昨年より難しいと思いながら解いた数TAは4.6点低くなり、56.66点と60点を割り込みました。昨年、平均点が39.31点と非常に難しかった数UBは今年50.18点に上がりましたが難しさは相変わらずです。

今年のセンター試験を受けて今後の授業方針を考えています。英語は従来通り、発音・アクセント、文法・語法問題を数多く解き、各種特徴のある長文問題練習を重ねるつもりです。ポイントの1つは速読です。数TAは各分野まんべんなく問題練習しなければなりません。数UBは難度の高い問題練習を重ねて難しいセンター試験に備えるつもりです。高1・高2クラスの授業でも必要な修正を施すつもりです。

今年度は高3クラスが成立せず張り合いがありませんでしたが、新高3クラスにはやる気がある生徒さんがそろっています。しっかり鍛えて、彼らの目標達成をサポートするつもりです。センター試験の問題を解き終えて、覚悟を新たにしています。


(2016年01月14日) 【テストの見直し その2目】 [▲ 先頭へ]

怪我の功名とも言うべきことが中3クラス冬期講習で起こり、テストの見直しの重要性を再確認しました。統一テスト、模擬試験に備えた数学の50分総合問題練習で、コピーする問題を間違えてしまいました。2015・1・11の模試の問題のつもりが2015・11・1の問題をコピーして、そのまま問題を解いてもらいました。

コピーミスをすれば気づくような工夫をしてあるのですが、今回は見逃しました。昨年末、冬期講習に加えて他の要件でも忙殺されていたために生じたミスでした。答案の丸付け・採点をし終わった時に気づいて、生徒の皆さんには率直にお詫びしました。因みに当ゼミでは、50分の総合問題を解いたその日中に答案を返して解説をしています。

2015・11・1の模試といえば中3の皆さんが2ヶ月前に実際に受けた模試です。さすがに点数は悪くはなかったものの、関数、作図や規則性の問題でのミスがあり、2ヶ月前に受けたものと全く同じ問題としては出来具合がイマイチでした。調べてみると6人中3人もが11月に受験した時より低い得点でした。

冬に入る頃から今までに受けたテストの見直しをするように繰り返し指示しています。ですから、半数の人が2か月前より悪かったという事実は少なからずショックでした。生徒の皆さんに聞いてみると、今までに解いたことがあるという実感はなく、規則性の問題は見たことがあるなぁ〜ということでした。

図らずも各テストの見直しが甘いということが分かりました。私立高校入試まで2週間、公立高校入試までは2ヶ月弱です。入試が近づいたこの時期は実力の安定化が重要です。そのためにはテストの見直しは非常に効果的です。禍を転じて福と為す、となることを願っています。


(2016年01月07日) 【人を残す その4】 [▲ 先頭へ]
新年あけましておめでとうございます。

気持ちを新たにする年末年始のこの時期になると「人を残す」という言葉が頭に浮かんできます。この言葉については2009年12月31日付け本欄「人を残す」で述べました。外務大臣や東京市長等を務めた後藤新平(1857-1929)が残した言葉「金を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上」に由来しています。

私はTBSテレビで話題になった半沢直樹のような行動は取れず、18年前に石川にUターンしました。そしてその翌年サミット・ゼミを開校しました。サラリーマン生活に全く未練はないものの悔いが残っています。しかし、17年間中高生の皆さんと一緒に勉強してきて、彼らの成長を見守ることは大きな喜びであり、彼らを導くことが自分に課せられたミッションだと感じています。

上記の後藤新平の言葉は私に勇気を与えてくれます。生徒の皆さんが高校入試、大学入試という大きな目標を達成できるように頑張れとエールを送ってくれているようです。

英語、数学の説明をしたり世の中の話をしたりするときに、私をしっかり見つめて話を聞いてくれる諸君がいます。その真剣な姿を見る度に授業を充実させなければならないと身が引き締まります。今年も中高生の皆さんが入試を突破し、そして将来活躍できる土台作りのために全力を尽くすつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。